血友病A治療用「BAX 855」の後期臨床試験を開始

バクスター株式会社

From: Digital PR Platform

2013-01-15 12:00


この資料は、米バクスターインターナショナルインクが2013年1月7日に発表しましたプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、皆様のご参考に供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。

2013年1月7日、米国イリノイ州ディアフィールド発

バクスターインターナショナルインク(NYSE:BAX)は、血友病A治療用の治験薬「BAX 855」について、第I相試験の良好な結果を受け、米国食品医薬品局(FDA)に治験許可申請(IND)を提出したことを本日発表しました。「BAX 855」は、世界で最も広く使用されている遺伝子組換え型第VIII因子製剤「アドベイト」の半減期を延長することを目的に開発された、長時間作用型の遺伝子組換え型完全長第VIII因子です。バクスターは、第II/III相試験への成人患者の登録を2013年第1四半期中(1~3月)に開始する予定です。

「血友病患者さんのニーズに応えるため、過去数年間、100以上の分子のスクリーニングを行ってきました。その結果、『アドベイト』の安全性を維持したまま半減期を有意に延長し、投与頻度を減少させる可能性のある分子を特定しました。重要なことは、『BAX 855』が約10年の使用実績がある既存薬をもとに開発された、治験薬としては唯一の長時間作用型の遺伝子組換え型第VIII因子であることです」と、バクスターのバイオサイエンス事業部グローバル研究開発担当バイスプレジデントであるハルトムート・J・エーリック(Hartmut J. Ehrlich, M.D.)は述べています。

第I相試験は、前向きオープンラベル試験として、治療歴のある18歳以上の重症血友病A患者19人を対象に実施し、「BAX 855」の安全性、忍容性および薬物動態を評価しました。その結果、「BAX 855」の半減期(体内における薬物の作用時間を計測)は、「アドベイト」の約1.5倍でした。半減期の延長は、「BAX 855」が投与されたすべての患者において確認されました。また、母体分子、「BAX 855」、およびポリエチレングリコール(PEG)に対するインヒビターの発現およびアレルギー反応の発生は認められませんでした。両治療群を通して、8人の患者に11件の有害事象が報告されましたが、いずれも重篤なものではなく、治療との因果関係は認められませんでした。また、有害事象の発生により試験から脱落した患者はいませんでした。

「治療の選択において、有効性と安全性が最大の目的となります。第I相試験では、『BAX 855』が『アドベイト』の基本的な特性を維持しつつ、投与頻度の軽減をもたらす可能性があることが示唆されました。『BAX 855』は、血友病A患者さんの新たな治療選択肢となる可能性があります」と、英国・ロンドンのセント・トーマス病院のデーヴィッド・ベヴァン医学博士(David Bevan, M.D.)は述べています。

Nektar Therapeutics社(NASDAQ: NKTR)との提携により、たん白の作用時間を延長させる、同社所有のポリエチレングリコール化の技術を「BAX 855」に採用しています。この技術の安全性と忍容性はすでに確認されており、承認済みのさまざまな治療に活用されています。

第II/III相試験「PROLONG-ATE」は、多施設共同オープンラベル試験として、米国の治療歴のある成人血友病A患者100人以上を対象に2013年第1四半期中に開始する予定です。同試験では、「BAX 855」による定期補充および出血時投与の有効性、安全性および薬物動態を評価します。試験および登録に関する詳細は、 (リンク ») (英語)をご覧いただくか、medinfo@baxter.com(英語)へご連絡ください。


■「アドベイト」について

「アドベイト」は、成人および小児(0~16歳)の血友病A患者における出血傾向の抑制を適応として、2003年に米国医薬食品局(FDA)により承認されました。「アドベイト」は、血液由来成分を含まない遺伝子組換え型完全長第VIII因子製剤(完全な第VIII因子遺伝子由来)です。製造工程において血液由来成分をまったく添加しないため、血液由来の病原体伝播のリスクを避けることができます。遺伝子組換え型第VIII因子製剤の使用によるHIV、HBVまたはHCVの感染は確認されていません。

「アドベイト」は現在、日本、米国、カナダ、EU 27カ国、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、クロアチア、エクアドル、香港、アイスランド、イラク、クウェート、マカオ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、プエルトリコ、セルビア、シンガポール、韓国、スリナム、スイス、台湾、ウクライナ、ウルグアイ、ベネズエラの世界58ヵ国において承認されています。


■血友病について

血友病は、主として男性に発症する遺伝性の血液凝固異常症であり、血液が凝固するために必要な凝固たん白を十分に産生することができない、または凝固たん白が欠乏している疾患です(※1)。血液凝固第VIII因子が欠乏しているのが血友病A、第IX因子が欠乏しているのが血友病Bです(※2)。血液中の血液凝固因子が不足すると、止血に時間がかかり、内出血などにより激しい痛みや関節症をともなう可能性があります(※2)。また、適切な治療が施されなければ、生命の危険にさらされる恐れもあります(※2)。世界血友病連合によると、全世界に40万人以上の血友病患者がいるとされ、人種や経済圏に関係なく発症します(※3,4)。日本には、4,475人の血友病A患者および971人の血友病B患者がいると報告されています(※5)。


■バクスターの血友病領域における取り組みについて

バクスターは、血友病領域において60年以上の実績があり、世界初となる治療法を数多く提供してまいりました。業界随一の広範な血友病治療のポートフォリオを有し、各治療ステージに見合うさまざまな選択肢を提供することにより、患者さん個別の選択に対応することが可能です。血友病治療の最適化と世界中の血友病AおよびB患者さんのQOL向上に向け、今後も引き続き取り組んでまいります。


■バクスターについて

バクスターインターナショナルインクは、その子会社を通して、血友病や免疫不全症、がん、感染症、腎疾患、外傷などに対する医薬品・医療機器を開発および製造販売し、患者さんの救命や生命維持に貢献しています。多様性に富んだグローバルヘルスケア企業として、医薬品、医療機器、およびバイオテクノロジーの専門技術を活用し、世界の医療の向上に寄与する製品を創出します。


■バクスター株式会社について

バクスター株式会社は、腎不全、血友病、輸液、麻酔、疼痛管理の領域に特化した世界的なヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人です。医薬品、医療機器、バイオテクノロジーを中心とした医療サービスを患者さんや医療現場に提供し、医療に新たな価値を創造します。


This release includes forward-looking statements concerning BAX 855 and related clinical studies. The statements are based on assumptions about many important factors, including the following, which could cause actual results to differ materially from those in the forward-looking statements: satisfaction of regulatory and other requirements; actions of regulatory bodies and other governmental authorities; additional clinical results; changes in laws and regulations; product quality or patient safety issues; and other risks identified in Baxter's most recent filing on Form 10-K and other SEC filings, all of which are available on Baxter's website. Baxter does not undertake to update its forward-looking statements.


1. What is Hemophilia? World Federation of Hemophilia. Accessed on: May 24, 2012. Available at: (リンク »)
2. Frequently Asked Questions About Hemophilia. World Federation of Hemophilia. Accessed on: May 24, 2012. Available at: (リンク »)
3. Stonebreaker et al “A study of variations in the reported haemophilia A prevalence around the world” Haemophilia 2010. Jan;16(1):20-32
4. Guidelines for the Management of Hemophilia at WFH website Last Accessed on: December 17,2012 Available at: (リンク »)
5. 2011年度厚生労働省委託事業「血液凝固異常症全国調査」

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