本サービスは、Anuta Networks, Inc.(Founder, President and CEO:Chandu Guntakala、本社:米国カリフォルニア州/以下、アヌータ社)のソフトウェア製品「Anuta NCX」を活用し、日立システムズが長年培ったネットワーク、ストレージ、サーバーの導入インテグレーション、運用監視サービスのノウハウを基に、導入アセスメントから、構築、運用まで提供するサービスです。
サーバーの仮想化によるシステム統合が進む一方で、ネットワークは多様なベンダーの機器が並存して運用管理が複雑化している場合があり、ネットワーク構成変更時のヒューマンエラーの要因となっています。また、利用者が急増するクラウドサービス提供企業や、多店舗展開企業など、頻繁かつタイムリーなシステム増設や変更を求められる業態では、安全なネットワークをいかに早く準備できるかが、事業成功の鍵となります。ソフトウェアによるネットワークの一元管理と制御をするSDNは、これらの課題を解決する手段の一つとして期待されていますが、SDN対応機器に全面的にネットワーク機器を切り替えるには大きな初期投資もかかるため導入に踏み切れない企業も多くあります。
こうした背景を踏まえ、日立システムズはネットワークの可視化と運用効率を向上する「SDN管理サービス」の提供を開始します。本サービスは、アヌータ社のSDN管理ソフトウェア製品「Anuta NCX」を活用して提供するもので、スイッチやルーター、ファイアウォール、負荷分散装置など、既存のネットワーク機器が稼働している環境において、仮想サーバー上の仮想スイッチも含めて、統合的に構成を可視化し、ソフトウェアでの管理・制御を実現します。ネットワーク機器は、Openflow(*1)製品、非Openflow製品のいずれにも対応しているため、新たにネットワーク機器を入れ替える必要がありません。
従来のネットワーク構築では、新たな機種を導入する都度、ベンダーごとに異なるコンフィグレーションを人が学習し、手動で設定していましたが、「Anuta NCX」は、さまざまなベンダーのコンフィグレーションを自動生成しますので、専門技術者に依存することなく、ネットワーク設計を行うことが可能です。
利用者は、グラフィカルな画面からアイコン操作により、ネットワーク構成図を作成し、利用業務別、内部・外部・DMZセグメント(*2)など、管理しやすい単位でグループ化し、カタログ(*3)として登録します。構成の変更が必要になる場合は、該当のカタログを選択し、修正を加えて実行ボタンを押すと、関連する全てのネットワーク機器に対して自動的に設定を反映できます。ネットワーク構成図を作成する際の不整合チェック、承認プロセスを経ての設定許可機能なども備えているため、ヒューマンエラーによる事故の抑止効果も期待できます。また、可視化機能により、キャパシティの状態や、発生中のトラブルに関する影響範囲を即座に把握することもできるため、質の高い運用により、ネットワークの可用性、信頼性の向上につなげることができます。
本サービスにより、既存のネットワークを変えずにSDNの特長である集中管理を行い、運用コストの削減、迅速なシステム拡張を実現できます。また、お客さまがインフラ基盤の仮想化、クラウド化を段階的に進める場合にも、現状把握から設計、構築、運用まで、必要となる工程をサポートした製品であるため、長期的な視点でTCO削減に寄与します。また、将来的には本サービスをクラウドでの提供を予定しています。クラウドでの提供により、SDN基盤は、日立システムズのデータセンターで管理されるため、災害時でも早期のネットワーク復旧が可能な環境を実現します。
日立システムズでは、本サービスをはじめ、NETFORWARD ネットワーク仮想化サービスを多拠点・大規模なネットワークを管理する企業や、クラウドサービス提供企業、データセンター事業者などに拡販します。
*1 Openflow:SDNを実現するための技術の一つ。
*2 DMZセグメント:一般的にWebサーバーやメールサーバーなどが置かれるエリア。
*3 カタログ:制御対象のネットワークの構成要素を一覧表にしたもの。
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