2014年度 モバイルニュースアプリ利用動向調査

株式会社ICT総研

2014-11-04 15:00

株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は11月4日、2014年度 モバイルニュースアプリ利用動向に関する調査結果をまとめた。

■ニュースアプリの利用者は今年度末に2,242万人、2017年度末に4,435万人へ倍増

 新聞、テレビ、パソコンなどニュースを見るための媒体は多種多様だが、近年モバイル端末でニュースを閲覧する利用者が急増している。モバイル端末の中でも特にスマートフォンでニュースを読む利用者は多く、ニュースを見やすくするためのスマートフォン用アプリもここ数年急速に普及が進んでいる。
 日本国内におけるモバイルニュースアプリの利用者数(アクティブユーザー数)は2012年度末に303万人だったが、2013年度末には4倍の1,294万人へと急増した。今後も増加傾向は続き、2014年度末に2,242万人、2015年度末には3,286万人に増加すると見込まれる。さらに2016年度には3,927万人、2017年度には4,435万人がモバイルニュースアプリを利用すると予測される。
 これまでモバイル端末上でニュースを見るユーザーの多くはニュースアプリではなく汎用的なインターネットブラウザ上のポータルサイトを利用しており、2012年度末までは全体の約9割を占めていた。今後もブラウザ上のポータルサイトでニュースを閲覧するユーザーは3,000万人規模で推移する見通しだが、ニュースメディアの主役は徐々にニュースアプリに移行しそうだ。


■利用率1位はYahoo!で31.7%、2位以下はグノシー、スマートニュース、LINEニュース

 ICT総研が2014年10月に実施したアンケート調査では、4,294人のアンケート対象者のうち41.9%が「1年以内にニュースアプリを利用したことがある」と回答している。ニュースアプリのうち、最も利用率が高いのはYahoo! Japan/Yahoo!ニュースで31.7%となった。利用率2位はグノシーの7.3%、3位 スマートニュース6.8%、4位がLINEニュースで6.3%となっている。
 アンケートの結果から見ると、Yahoo! Japan/Yahoo!ニュースはモバイルニュース利用者の中でも利用率が非常に高いアプリである。元々パソコンやスマートフォンのYahoo!ポータルサイトを利用していたユーザーは5,000万人以上存在するため、使い慣れた同じコンテンツを利用できるYahoo! Japan/Yahoo!ニュースが利用率1位となるのは当然の結果とも言える。
 まだYahoo!との差は大きいものの、ニュース専門アプリとして開始されて間もないグノシーやスマートニュースが7%前後の利用率に達しているのは注目に値する。グノシーは2014年9月末時点のアプリダウンロード数が600万件を突破、スマートニュースは500万件に達している。


■利用者満足度1位はスマートニュースで77.7ポイント、グノシーは68.4ポイントにとどまる

 主なニュースアプリの利用者満足度に関するアンケート結果は、スマートニュースの満足度が最も高く77.7ポイント、次いでFlipboardが77.3ポイントだった。3位はYahoo!ニュース BUSINESSで76.7ポイント、4位はLINEニュースで74.3ポイント、5位はAntennaで74.1ポイントである。Yahoo!ニュースは71.5ポイント、グノシーは68.4ポイントに留まった。
 スマートニュースの満足度が高いのは、電波の悪い場所でも快適に記事を読めるSmartモードなどスマートフォンのために最適化されたユーザーインターフェースが評価されていることなどが理由となっている。


■ニュースメディアの主役の座は新聞からモバイルニュースアプリに移行する

 ニュースアプリを利用しない理由に関するアンケートでは、「他の媒体から得るニュースで十分だから」という回答が最も多く、56.1%となった。次に多かったのは「自分でニュースを探したいから」で19.6%を占めており、ニュースアプリに多く見られるキュレーション型のニュースを嫌う利用者も一定数存在するようだ。また、コンテンツ課金に対する懸念や、ニュースアプリ上の広告などもニュースアプリを敬遠する理由となっている。
 文字や写真で読むニュースメディアの中心はこれまで紙媒体の新聞が担ってきたが、若年層の新聞離れが続き、ここ数年でネットニュースが中心になりつつある。国内の新聞発行部数は2000年の5,370万部から2013年には4,700万部へと減少を続けている。月額4,000円程度の新聞購読料を嫌う世帯が増えているためで、今後も新聞の購読者減少には歯止めがかからない状況だ。
 表1に示したようにモバイルニュースの利用者だけでも既に5,000万人を超えており、2016年度には7,000万人に達する見込みだ。パソコンやその他の媒体を利用したネットニュース利用者も加えれば国民の大半がネットニュースを中心に読む時代になったとも言える。
 今後は、紙媒体とネットメディア間の競争よりも、ネットニュース内での読者獲得競争がより重要になる。スマートフォン契約者が6,000万件を超えており、数年のうちに9,000万件に達することが確実なため、モバイルニュースアプリで成功しトップシェアを獲得するメディアが将来のマスメディアを制するという見方もできそうだ。

用語解説

*この調査は、ニュースサイト運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,294人へのwebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
*ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。
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