製薬業界では、医薬品メーカーから医療機関への直接販売は行わず、卸売企業を通じて販売されています。そのため、医薬品メーカーでは、最終的にどのような医療機関にどれだけの自社医薬品が販売されているのか詳細なデータを把握できず、マーケティング活動ができないという課題があります。そうした課題を解決するため、販売データを卸売業から入手して分析する実消化業務が行われています。
また、医薬品製造業は発売後6カ月の間、納入した医療機関や調剤薬局などすべての施設について副作用などの安全性に関する情報を収集する市販直後調査を実施し、その結果を報告することが義務付けられています。通常、MRが担当の施設をヒアリングして報告書を作成し、安全管理部門がその内容を整理して厚生労働省に報告しています。
こうした実消化業務や市販直後調査を効率化するために、当該業務に特化した業務システムを導入することが一般的です。このような業務システムは、JD-NET(医薬品業界VAN)等からの電子取引データをEDIシステムによって活用できますが、取引先の追加変更やデータのクレンジング処理(*1)などをエンドユーザーである医薬品メーカーが行わなくてはならないため、実消化業務に関する作業負荷が高く、EDIシステムやデータのクレンジング業務のアウトソーシングニーズが高まっていました。
*1データの中から、重複や誤り、不整合などを探し出し、削除や修正などを行い、データの品質を高める業務。.
こうした背景を踏まえ、日立システムズは、医薬メーカーにおける実消化業務や市販直後調査、マーケティング活動などの営業業務を支援するため、「クラウド型実消化業務支援サービス」を販売開始します。
本サービスは、株式会社日立ソリューションズの医薬品製造業向け実消化パッケージ「REGASAS(レガサス)」を日立システムズのクラウド基盤から提供するとともに、JD-NETなどの医薬品業界間電子取引用ネットワーク(VAN)と容易に接続できるクラウド型の電子データ交換(EDI)サービス「REDISuite(レディスイート)」、各種データのクレンジング業務等を代行するBPOサービスを組み合わせて提供するものです。
本サービスを活用することにより、これまで伝票処理やメールでのデータ授受などEDI以外の手順で実消化業務を行っていた企業は、販売データなどを容易に分析システム等に連携できるようになり、マーケティング活動・営業活動の効率化が図れます。また、本サービスはクラウド型サービスであるため、初期導入費用を抑えて短期に導入することが可能であるほか、人手によるデータクレンジング業務を、BPOサービスとして日立システムズに委託できるため、さらなる業務効率化が図れます。
今後日立システムズは、日立グループと連携して本サービスを拡販し、2018年度末までに累計8億円の販売をめざします。
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