株式会社J.D. パワー アジア・パシフィック
J.D. パワー アジア・パシフィック
2015年日本自動車耐久品質調査(VDS)
J.D. パワー アジア・パシフィック報道用資料:
国産ブランドの耐久品質の高さが明らかとなる
日本自動車耐久品質調査で、ブランドランキングではレクサスが第1位
セグメント別ランキングでは、スズキ アルト、日産 キューブ、トヨタ SAI、トヨタ アルファードが各セグメントで第1位となる
東京:2015年10月21日 ― 国産ブランドが耐久品質ランキングで上位を占め、セグメントランキングでも国産車がランキングトップとなることが、J.D. パワー アジア・パシフィック2015年日本自動車耐久品質調査SM(Vehicle Dependability Study、略称VDS)によって明らかになった。
J.D. パワーの自動車耐久品質調査は、世界各国で実施され、車両の耐久品質を調べる業界のベンチマークの役割を果たしており、日本では本年が初めての実施となる。
本調査では、新車購入後37-54ヶ月経過ユーザーを対象に、177の項目にわたって直近1年間のユーザーの不具合経験を聴取しており、それらの項目は外装、走行性能、装備品/コントロール/ディスプレイ、オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)、シート、空調、内装、エンジン/トランスミッション(Eng/Trans)の8つのカテゴリーに分かれている。すべての不具合項目は車100台当たりの不具合指摘件数(Problems Per 100 vehicles = PP100)として集計され、数値が小さいほど品質が高いことを示す。
ブランドランキングは、レクサスが54PP100で第1位、第2位はダイハツ(66PP100)、第3位はホンダ、三菱、トヨタが同スコア(各69PP100)で並んだ。業界平均の総合不具合指摘件数は72PP100であった。
セグメント別モデルランキングでは、トヨタの2モデルがランキングトップとなり、ミッドサイズセグメントはSAI、ミニバンセグメントはアルファードがそれぞれ第1位となった。また、日産 キューブがコンパクトセグメントで第1位、スズキ アルトが軽自動車セグメントで第1位となっている。
『日本の自動車メーカーは、これまでも高品質で耐久性の高い車両を作ることに注力してきており、本年調査の不具合指摘の少なさはその表れと言える。』とJ.D. パワー アジア・パシフィックのオートモーティブ部門シニアディレクターである川橋 敦はコメントしている。さらに、川橋は『今後、より複雑かつ新たな技術が車両に装備されていく中で、これからも自動車メーカーは、高品質かつ耐久性の高い車両を作ることに注力していく必要がある。』としている。
調査の結果、走行距離が増えるにしたがってユーザーの不具合指摘件数が増えることが確認された。年間走行距離が1万キロを超えるようなユーザーグループでは、平均すると1台に1件以上の不具合を経験している。
今回、調査対象となった車両の平均走行距離は33,326kmであった。走行距離別の不具合指摘件数では、走行距離が20,000km未満のユーザーの不具合指摘件数は62PP100、20,000km-36,000kmでは80PP100、36,000km以上では、104PP100となっている。
最も不具合指摘の多いカテゴリーは、外装(15.0PP100)、次いで、内装(13.6PP100)、Eng/Trans(11.3PP100)となっている。また、不具合詳細の上位項目は、第1位が「空調吹き出し口からの不快なにおい」(3.5PP100)、次いで、「車外ライトの電球切れ」、「ブレーキの異音」、「バッテリー上がり」(各2.1PP100)が指摘されている。
『本調査では、不具合指摘件数と同一モデルの推奨意向、メーカー再購入意向には相関があることが確認されている。7年を超える新車保有年数を考慮すると、次の買替えまでの期間中にユーザーの車両品質上の不具合経験をいかに少なくするかということが重要である』と川橋は述べている。
不具合指摘のないユーザーグループでは、「必ず+たぶん同じモデルを友人や知人に推奨する」という割合は72%、「必ず+たぶん同じメーカーの車を購入する」という割合は69%となっているが、不具合を1件でも経験したユーザーグループは、推奨意向が66%、再購入意向が61%に低下する。
主な調査結果
●軽自動車セグメントが最も不具合指摘が少なく(68PP100)、次いで、コンパクト(69PP100)、ミッドサイズ(71PP100)、ラージ1(77PP100)、ミニバン(83PP100)の順となっている。
●軽自動車セグメントは、外装カテゴリーの不具合指摘が最も多く、次いで、Eng/TM、内装となっている。
●コンパクト、ミッドサイズは、内装カテゴリーの不具合指摘件数が最多。次いで、外装、Eng/TMとなっている。
●ミニバン、ラージは、外装カテゴリーの不具合指摘が最多。次いで、内装、Eng/TM、ACENとなっている。
●本調査は初回車検を経験したユーザーを対象にしており、車検実施後1年以内のユーザーの不具合指摘件数が68PP100であるのに対して、車検から1年以上経過したユーザーの不具合指摘件数は、82PP100と14ポイント増となる。
1 対象モデル数が不十分なため、セグメントランキング公表対象外
2015年の日本自動車耐久品質調査は、新車購入後37~54ヶ月経過したユーザー17,020人から回答を得た。調査対象の車両は全16ブランド、132モデルであり、有効サンプル数が100サンプル以上のブランドおよびモデルをランキング対象としている。調査は2015年7月に実施された。
日本自動車耐久品質調査は、J.D. パワー アジア・パシフィックが日本で実施しているAutoベンチマーク調査の一つであり、他の2015年自動車関連調査は下記の日程でリリース予定である。
●自家用の乗用車(軽自動車を含む)のスタッドレスタイヤの満足度を測定した、2015年日本冬用タイヤ顧客満足度(W-TSI)調査を5月に発表した。
●自動車を新車で購入したユーザーを対象に、新車購入店の顧客満足度を測定した2015年日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査を8月に発表した。
●自動車を新車で購入したユーザーを対象に、購入後2~9ヶ月における車両の初期品質を調査した2015年日本自動車初期品質(Initial Quality Study、略称IQS)調査を本年8月に発表した。
●新車購入店でサービスを受けた際の顧客満足度を測定した2014年日本自動車サービス満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査を本年9月に発表した。
●自動車を新車で購入後2~9ヶ月が経過した個人ユーザーを対象に、自動車の性能やデザインなどの商品魅力度に関する評価を測定した、2015年日本自動車商品魅力度(Automotive Performance, Execution and Layout、略称APEAL)調査を本年9月に発表した。
●リプレイスタイヤを新品で購入した顧客の満足度を測定した、2015年日本リプレイスタイヤ顧客満足度調査を本年10月に発表した。
●自動車メーカー純正ならびに市販ブランドのナビゲーションシステムの満足度を測定した、2015年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査を本年10月に発表する予定である。
*J.D. パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D. パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。
<株式会社J.D. パワー アジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D. パワーの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始め通信、IT、金融、保険、トラベルなど様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。尚、J.D. パワーではシンガポール、北京、上海、バンコクに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムで調査を実施している。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイト (リンク ») まで。
<J.D. パワーについて>
マグロウヒル・フィナンシャルの一部門であるJ.D. パワー(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、パフォーマンス改善、ソーシャル・メディア、顧客満足に関するインサイトとソリューションを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。
<マグロウヒル・フィナンシャルについて>
マグロウヒル・フィナンシャル(NYSE:MHP)は国際的な金融並びに商品市場に対する信用格付、ベンチマーク、情報・分析サービスを提供する事業を行う金融情報サービス企業である。主なブランドはスタンダード&プアーズ レーティングサービス、S&P Capital IQ、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス、プラッツ、J.D. パワーである。世界27カ国に約17,000人の従業員を有する。詳細はウェブサイトwww.mhfi.comまで。
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