分散型発電ソリューションの需要が東南アジアで今後拡大の見通し

フロスト&サリバン ジャパン株式会社

2016-06-16 12:00

東南アジアにおける不十分なエネルギー送配電インフラや、複数の離島 が存在する地理的要因により、東南アジアでの分散型発電の需要の高まりが今後予測されています。特にミャンマーの電化率は26%と低いレベルに留まるほか、伝送損失の割合も25%と高いため、小規模の給電所に向けた需要の高まりが今後見込まれています。

フロスト&サリバンのリサーチ「東南アジアの分散型発電のトレンド分析」によると、東南アジアにおける分散型発電容量は、2015年の20,450 MW (メガワット)から、2020年には34,747 MWに到達する見通しとなっています。今回の調査では、太陽光発電所、バイオマス・廃棄物発電所、内燃エンジン(ディーゼル、燃料油、ガス・エンジン・発電装置)発電所、一時的なレンタル式発電所を主な対象としています。

「インドネシア、ミャンマー、フィリピンといった国々では、輪番の計画停電が度々行われており、これは電力の需要と供給のギャップや地理的要因、弱い電力インフラが背景にあります。これらに加えて、ベースロード発電所の完成におけるたび重なる遅延が、多様な分散型発電ソリューションの莫大なビジネス機会を生みだしています」と、フロスト&サリバンのエネルギー・環境部門リサーチアナリストのアドワイス・ヴィスヴェスワランは述べています。

東南アジアにおける年間の日射量は、1平方メートルあたり1,200 kWh(キロ・ワット・アワー)から1,800 kWhの範囲に及び、太陽光発電にとって理想的な環境となっています。また、タイ、ミャンマー、ベトナムといった国々では、国土の60%以上が大規模な太陽光発電に適しています。この様な利点によって、東南アジアは分散型発電市場を刺激する有望な地域となっています。

この様な大きな市場機会が存在する一方で、太陽光発電パネル用のバッテリーにかかる多額のコストや燃料の供給契約に内在するリスクは、ディベロッパーにとっては、投資に対する利益に影響を及ぼすことが予想されます。太陽光発電を除く分散型発電のプロジェクトでは、コストの40%から60%が燃料の入手費用に割り当てられています。ディベロッパーの中には、燃料の輸入に伴う関税によって、利益が支出に見合わなくなるケースも存在します。太陽光発電に対する好意的な政策や規制の欠如が、分散型発電の急速な導入拡大における障壁となっています。

「この様な課題を踏まえても、分散型発電は従来型の発電と比べて実行可能なものです。集中型発電所は完全に稼動できるようになるまでに5年から10年の期間がかかり、これは環境に関わる法律や土地取得にかかるプロセスの長期化、そして建設期間の全般的な遅れによるものです。この間、発電業者は電量需要を満たすために、一時的なレンタル式の発電所を設置しなければなりません。政策面での強力な支援やユーティリティビジネスモデルの変革によって、東南アジアの分散型発電市場が持つ真の可能性が開かれるでしょう」と、ヴィスヴェスワランは述べています。

▽「東南アジアの分散型発電のトレンド分析」のサンプルは下記URLからご覧頂けます:
(リンク »)

■「スマートコミュニティJapan2016」ブース出展&6月17日(金)講演のお知らせ

6月15日(水)~17日(金)の日程で東京ビッグサイトで開催中の「スマートコミュニティJapan 2016にてブース出展を行うほか、弊社エネルギー・環境部門VPによる講演「マイクログリッドの未来」を行います。

フロスト&サリバン エネルギー・環境部門バイスプレジデントのロベルタ・ギャンブルによる講演の詳細
【日時】6月17日(金)10:30 - 11:10
【会場】東京国際展示場(東京ビッグサイト) 東ホール ワークショップ会場B(東3ホール奥 特設会場)
【講演タイトル】「マイクログリッドの未来」※日本語逐次通訳有り
【登壇者】フロスト&サリバン エネルギー・環境部門バイスプレジデント ロベルタ・ギャンブル
▽詳細・お申し込み: (リンク »)    

<スマートコミュニティJapan2016 開催概要>
再生可能エネルギーと、新しいまちづくりのため総合展示会
6月15日(水)~17日(金)東京ビッグサイトにて開催
(リンク »)  
会期:6月15日(水)~17日(金) 10:00~17:00
会場:東京国際展示場(東京ビッグサイト) 東ホール
主催:日刊工業新聞社


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