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【ワシントン2016年7月19日PR Newswire=共同通信JBN】
*クロマグロの資源は既に97%以上が獲り尽くされており、現在も乱獲は続いている
The Pew Charitable Trusts(ピュー・チャリタブル・トラスト)は19日、激減している太平洋クロマグロの商業漁獲を2年間停止するよう呼び掛けた。今年の資源評価で、生息数がその史上最大規模時のわずか2.6%に減少し、漁獲による減少率は持続可能な率よりも最大3倍になっていることが科学者らによって明らかにされた。
こうした悲惨な状況にもかかわらず、今月、米カリフォルニア州で会合した米州熱帯まぐろ類委員会(IATTC)と、12月にフィジーで会合予定の中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の2つの太平洋クロマグロを管理する国際団体はこの数年間、乱獲をやめさせ、生息数を健全な水準に回復させる太平洋全域にわたる資源回復計画に合意できずにいる。北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)の予測によると、現状の下で実施中の漁獲規制では、今後20年間に生息数、資源を回復させることに成功する可能性は1%以下にすぎない。
主に日本、メキシコ、米国の漁船団によって漁獲されている太平洋クロマグロの資源は最長であと40年しかもたない。その脂の乗った深紅の魚肉は特に刺身やすしに合うが、消費拡大でその種は絶滅の危機に直面している。クロマグロの大半は西部太平洋で漁獲されているが、その全体としての生息保全には効果的で科学的根拠のある漁獲規制と、東部太平洋を含む太平洋全域を通じた適切で長期的な資源回復、管理計画が必要である。
Pewの世界マグロ保存担当ディレクターのアマンダ・ニクソン氏は以下のような声明を発表した。
「科学的推計によると、太平洋クロマグロの生息数は激減していることが示唆されている。しかし、依然としてクロマグロの管理に当たっている各国政府は、生息数が史上最低に近づいているとの明らかな指標があるにもかかわらず、実行可能な救済計画を拒否している。商業漁獲は持続可能と考えられる率よりも3倍も高い率で継続されている。こうしたことは即時中止すべきである」
「この漁業に関与している各国政府は多年にわたりクロマグロ資源回復のために行動を起こすことが必要だと認識していたにもかかわらず、乱獲は継続されてきた。当面2年間の商業漁獲の禁止措置は、乱獲を終わらせることによりクロマグロの種を保護することになるだろう」
「商業漁獲禁止はまた、国際的な漁業管理者に適切な資源回復計画を実行する機会を与えることになるだろう。もし適切な措置が2018年までに実施されない場合『絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)』(ワシントン条約)による貿易禁止措置が、このクロマグロの種を守るための唯一の残された選択肢となる」
「太平洋クロマグロの総漁獲量に占める米国の割合は小さく、通常全漁獲量の5%以下で、米国の商業漁業者が与える全生息数に与える影響は非常に小さい。しかしそうであっても、米国はこれらの国際的な管理機関のメンバーとして行動する責任があり、国際的な行動を促進する立場にある。なぜなら、米国の漁業管理者らは全生息数に関し制限圧力に動いたからである。昨年、米国の規制当局は、釣り人たちがレクリエーションのフィッシングツアーから持ち帰ることのできるクロマグロの数を削減し、他方、商業漁獲の漁獲上限については約40%削減した」
「太平洋全域を通じ、クロマグロはマグロ類の生息数でかつて経験したことのない程度にまで広範囲にわたって危機にさらされている。この種を管理する責任のある人たちは今やクロマグロ資源の回復に資するために科学を考慮し、そのツールを自由に利用すべき時である」
「もし各国政府が早急な行動を取ることに失敗すれば、その生息数の崩壊は単に可能性ではなく、不可避である」
The Pew Charitable Trustsは、今日の難題を解決するための知識の力によって推進されている。詳細はウェブサイトwww.pewtrusts.org 参照。
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ソース:The Pew Charitable Trusts
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