長浜バイオ大学アニマルバイオサイエンス学科の専門教育科目、「湖北動物プロジェクト」を受講する1・2年次生約30人が、滋賀県長浜市木之本町内を流れる大谷川で、地元の住民や小学生と一緒に9月上旬に生き物調査を実施した。その調査結果を、12月3日に滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)で開催される「古橋のオオサンショウウオ生態系保全シンポジウム」で発表する。
大谷川での生き物調査は今年で3回目となり、今回は落差工など河川の構造物や水質などの環境と生き物の分布との関係をテーマに、上流域から下流域までを5つのエリアに分けて調査し、カワムツや沢ガニなどの魚類や水生動物など数十種類の生き物を採取。上流に位置するエリアはゴツゴツとした岩場が多く、生き物の採取には苦労したようですが、昨年までとは少し異なるデータも確認された。
学生たちは調査したエリアのグループに分かれ、調査結果をデータにまとめるとともに、川を取り巻く環境の影響など様々な考察を加え、調査結果をまとめた。
昨年も参加した若園涼平さん(アニマルバイオサイエンス学科2年次生)は、「1つ上流のエリアにはいなかったアカザが最下流域で見つかったり、昨年はいなかったプラナリアがその上流域で見つかったりと、わずか1年の間で様々な変化を目の当たりにすることができました。」と話す。科目担当教員の齊藤修先生は、「野生生物の生態系を保護するための活動は、定点観測的に調査を行い、データの経年変化を比較しながら検証することが大切」と指摘する。
12月3日に開催するシンポジウムは、午後1時から午後5時までで、「古橋のオオサンショウウオを守る会」が主催し長浜バイオ大学も後援。シンポジウムではその他にも、長浜バイオ大学動物分子生物学研究室の小松由可理さん(大学院博士課程後期課程1年)の研究チームが大谷川のオオサンショウウオの遺伝子解析の結果を発表、齊藤修教授が田村山のカスミサンショウウオの保全活動についての報告が行われる。参加費は無料で、事前申し込みは不要でどなたでも参加できる。問合せは、古橋のオオサンショウウオを守る会事務局(村上宣雄さん :電話0749-86-2347)まで。
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