株式会社酒文化研究所
酒のヒット番付2016と2017のヒット予想
酒のヒット番付2016と2017のヒット予想
今回の「酒飲みのミカタ」では「2016年にヒットしたお酒」を選んでもらいベスト10を決めました。毎年さまざまな新製品・新カテゴリーが誕生しています。用意した選択肢から、これと思うものを選んでもらいました。さらに2017年のヒットも予想します。(回答者は『さけ通信』の読者モニターで「ほとんど毎日酒を飲む」と言う方が7割、酒のヘビーユーザーであり、酒への関心の高い方々です)
2016年の第1位はクラフトビール
「第1位クラフトビール48%」が圧倒的な支持を集めました。若い世代ではさらに人気が高くなります。イベントが多く開催され、飲める飲食店も増えていることが後押ししているのでしょう(図表1)。「第2位プレミアムビール30%」「第3位スパークリング日本酒24%」「第6位ウイスキーハイボール15%」も特定の年齢層に偏ることなくまんべんなくヒットした酒として選ばれました。
また、今回は特定の年齢層だけに支持されるものも目立ちました。「第4位ジャパニーズウイスキー22%」は30代以下ではゼロで、「第5位地域限定ビール22%」、「第7位の機能性ビール(カロリー・プリン体ゼロ)14%」、「第8位日本ワイン13%」、「第10位日本酒大吟醸11%」も30代以下では極端に低くなります(図表2)。
そのほか、第9位ストロング系チューハイ13%」は、40代で22%と支持が集まりました。
来年は日本産酒類に注目、クラフトビール人気も継続か
さて、この傾向は来年も続くでしょうか。今年のヒット商品に続いて「2017年もヒットが続くと思うもの」を選んでもらいました(図表3)。第1位は今年に引き続き「クラフトビール31%」で全年代で人気は続くと考えている人が多いことがわかります。主な理由は以下の通りです。
「そこでしか飲めないという感じがよい。出かけるたびに地元のクラフトビールを飲むのが楽しみです。観光とリンクしている町も多いようでまだまだ続くでしょう(女性30代)」「クラフトビールのイベントに参加してつくり手の本気度が伝わった。この流れはしばらく続く。(男性30代)」「飽きない味です(男性30代)」「身近でも飲めるようになってきた(男性50代)」「趣味嗜好が画一的ではなくなり高くても珍しい味のものはうける(男性60代)」
第2位には「日本ワイン17%」が入りました。今年のヒット商品では7位であることを考え合わせると注目商品と言えるでしょう。まだ話題先行で商品供給がそれほど多くありませんが、「日本ワイン」とはっきり表示され、売場で目立つ仕掛けがあると手に取る人が増えそうです。
「オリンピックに向けて日本産へのこだわりはさらにあがる。日本産ワインを飲みたい(女性40代)」「今年はマスカットベーリーAという驚くほどおいしいワインを飲んだ。日本産なので安心(女性60代)」
また、日本酒では「大吟醸15%」に加えて今年のベスト10に入っていませんが、「純米酒13%」「生もとづくり10%」が注目されています。来年は酒類別というよりも日本産酒類への注目がさらに高まりそうです。以下来年も人気が続くと思う商品への意見です。
「地域限定ビールは日本酒で地酒を求めるのと同じ感覚で楽しく選べます(男性50代)」「プレミアムビールを一杯など、軽く飲むのが私のまわりのトレンド(男性50代)」「大吟醸の味を覚えたら他の酒はくどくて飲めません(男性60代)」「スパークリング日本酒<澪>の爽やかな飲み口は他では体験できない(女性30代)」
チョイ飲み需要も定着する
ヒットしたお酒の番外編で酒を飲むシーン(店・イベント)でヒットしたと思うものも選んでもらいました(図表4)。第1位は「ちょい飲み酒場(牛丼店などの)32%」で、1000円でしっかりと酔えるという意味の「センベロ酒場14%」が続きました。どちらも40代から50代の支持が中心です。外食比率が高い30代以下の支持はまだあまり高くありません。
アフターファイブに照明の明るい店内で軽く飲みながら語るという、大人版の喫茶店的な利用のされ方が想像されます。昔であれば居酒屋なのでしょう。「短時間」「低価格」「少人数」「飲みながら話せる場」で「ほろ酔いでとどめて帰る」という新しいニーズが想像できます。料飲店の業態開発は日進月歩です。来年以降も新しい業態の登場が予想されそうです。
具体的には以下のような声があがっています。
「旨安トレンドは定着(男性50代)」「手軽に飲める吉野屋で女性客が目立つ(男性50代)」「どの駅前にもあり明朗会計、安くて安心(男性40代) ■
■調査概要
調査時期:2016年12月10日~2016年12月13日
調査対象:弊社の酒好きモニター(N=1712)
有効回答:150(回答率9%)
調査方法:インターネット自記入式アンケート調査
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。