東京建築アクセスポイント(Access Point: Architecture-Tokyo)では、訪日外国人などに向けて、専門家による解説を通じ、東京にある近現代建築の魅力を伝えるためのツアーを定期的に開催している。中でも好評なのが、建築家・黒川紀章の設計で1972年に完成した「中銀カプセルタワービル」のレクチャー付ツアーだ。このビルは「メタボリズム」を代表する建築として知られる。「メタボリズム」とは英語で「新陳代謝」を意味する言葉。この名を冠したグループが、1960年に日本で開かれた世界デザイン会議に合わせて、黒川紀章ら若手建築家たちによって結成された。これからの建築は移り変わる都市に対応できるような新しいシステムを持つべきというグループの思想が、「中銀カプセルタワービル」の140個の立方体型のカプセルが組み合わさったユニークな形態を生み出した。普段は内部を公開していないが、このツアーは特別に参加人数を5名に限定して実施。カプセル内でスライドショーを見ながら、参加者と対話形式で、メタボリズムの概念や1960〜70年代の社会背景に迫る。近隣にある同時代に建てられた丹下健三の「静岡放送・静岡新聞東京支社」(1967年)、「ニュー新橋ビル」(1971年)なども重要だ。「中銀カプセルタワービル」とこれらと見比べながら説明し、日本の建築界や社会の動向に対する理解を深めていく。また日本文化を体験してもらうことも私たちの大きな目的。月に1回程度、中銀カプセル内でレクチャー付きお茶会を実施している。黒川紀章は実は数寄屋建築の名手でもあった。わずか10平米の空間で、未来的な日本と伝統的な日本とが交差するだろう。
【ツアー概要】
ツアータイトル(英語名):Step inside micro-capsule-apartments
日時:毎週水曜日9:30-12:30
定員:5名
英語で開催するツアー: (リンク »)
日本人向け各種ツアー: (リンク »)
(日本人向け中銀カプセルツアーも随時開催)
東京建築アクセスポイントはこれまでも日本人の建築愛好者など一般の人を対象に、テーマ別、建築家別、エリア別等の街歩きや建築トークツアーを実施。大学教員、建築ジャーナリストなど人気の講師陣を取り揃えた街歩きツアーは好評を博し、すでに30を超える実績がある。新しいスタイルの「建築リカレント教育」を目指し、参加者と建築体験を共有するライブ感のあるトークツアーが定評である。社会人や大学生だけでなく、親子を対象にした実践型の建築造形ワークショップ&見学会も実施。
活動に賛同し、支援してくれる会員(法人、個人)の募集もおこなっています。
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