今回のトピックはNAB2017 (リンク ») 、The National Association of Broadcasters (NAB: 全米放送事業者協会)が主催する世界最大の放送に関する総合展示会です。今年は4月24日から4日間の日程で、米国ラスベガスで開催されました。私は24年連続でこの展示会に参加しており、これまでも放送業界の変化をいちはやく捉えてきました。NetflixやYouTubeなどインターネットを利用した動画の配信や放送局間を接続するIP中継網、スマートホンなどを活用した現場からの簡易な生中継など、現在の放送はインターネットと密接に関係しています。
そこで今回のコラムは、このNABと当社の事業分野であるCDNやインターネットとの関係を独自の視点で解説してみます。WEBサービスには、動画や音声などのメディアコンテンツも含まれています。そういう意味でインターネット放送も当社のサービスのひとつなのです。
「「放送」の構造を本質から変化させたインターネット」
「放送」的視点から見ると、「番組を制作して視聴者に届ける」ことが放送の本質であり、その届け方が放送技術の進歩によって変化してきているということです。電波を利用した地上波放送に始まり、ケーブルテレビ、衛星放送のように、視聴者に届けるためのメディアの種類はこれまでも技術の進歩に応じて多様化・変化してきました。ただしこの従来型の「放送」は最終的に”テレビ”という箱に表示することで、番組を視聴者に届けているのに対して、インターネットを利用した放送は、”テレビ”以外の端末である”パソコン”や”スマートホン”などにも番組を届けられる点で、「放送」の構造を本質から変化させてきています。
これにより、インターネットを利用して、テレビ向けに制作された番組をそのまま届けるインターネット利用型放送(番組はテレビと同一)と、ネットの双方向性を生かしたインターネット独自の番組方式との二極化が進んでいます。
「台頭するクラウド型の放送局向けのサービス」
こうした「放送」の視聴者サイドの変化と同時に、インターネット技術の進歩は、制作側の変化にも直結しています。物理的な制作(プロダクション)のための高価な番組制作設備を独自に所有することなく、必要な時だけ利用するクラウド型のサービスがここ数年で台頭してきています。NABの会場でも至るところで、クラウド型の放送局向け(番組制作者向け)のサービスを目にすることができます。クラウド型の制作環境は、ネットブロガーやYouTuberなどにも質の高いインターネット放送の番組制作の門戸を広げており、多様な「放送」的情報発信の可能性も示唆しています。
番組配信のためのクラウドサービスも番組提供者が自由に選択できる状況にあります。インターネット放送での品質測定を売りにしていた測定会社がその測定結果に応じて動的に配信するCDN事業者を複数の中から選択するようなサービスも始まっています。事業者間の連携や仮想化技術を応用した配信規模の拡大など、メディアコンテンツを届ける配信事業者も「放送」のインターネット化に迅速に対応していく必要があるわけです。
・・・ここから先は、アクセリア株式会社で公開中のコラム本編でご覧ください。
本編では、会場の様子などの写真も公開しています。
(リンク »)
【小林 和真氏のコラム】
・第1回:米国の家電展示会「CES」で見えてきたCDNとAI、IoTのつながりとは? (リンク »)
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。