アストラゼネカのLOKELMA、成人の高カリウム血症患者さんの治療薬として欧州にて承認を取得

アストラゼネカ株式会社

From: Digital PR Platform

2018-03-30 15:00


アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、 Lokelma(開発コード:ZS-9、一般名: ジルコニウムナトリウム環状ケイ酸塩、以下、ZS-9)が、成人の高カリウム血症患者さんに対する治療薬として欧州委員会(EC)から承認を取得したことを3月22日に発表しました。高カリウム血症は循環器、腎および代謝疾患に伴い血中カリウム値が上昇した重篤な症状です1,2,3,4。

ZS-9は、選択性の高い経口カリウム排出剤です。本承認は、3つの二重盲検プラセボ対照試験と1つの非盲検試験における、最長で12カ月間の高カリウム血症の患者さんの治療結果に基づくものです。これらの試験において、ZS-9による治療を受けた患者さんが正常な血中カリウム濃度に達するまでの時間の中央値は2.2時間で、98%は48時間以内でした。また、最長1年間、血中カリウム濃度を継続的に維持する結果が得られました4,5。

慢性腎臓病 (CKD) 患者さん、および心不全 (HF) の予後改善・治療としてレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害剤などを服用している患者さんは、高カリウム血症の発症リスクが大幅に高まります。高カリウム血症の再発を防ぐために、RAAS阻害剤による治療が変更あるいは中止されることがありますが、それによって循環器・腎臓に対する治療効果が損なわれ、死亡リスクが高まる可能性があります。

アストラゼネカのバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門循環器・腎・代謝疾患領域の責任者である Elisabeth Björkは、「高カリウム血症は、重篤で生命を脅かし得る症状ですが、慢性腎臓病患者さんあるいは心不全の薬物治療を受けている患者さんで発症する可能性があります。今回のZS-9の承認によって、高カリウム血症患者さんに対して迅速かつ持続的な治療選択肢が提供でき、大きなアンメットニーズに応えることができると期待しています」と、述べています。

ZS-9は現在米国において承認審査中で、2018年上半期中に当局の判断がなされると見込まれています。なお、ZS-9は本邦では未承認です。
以上


*****
高カリウム血症について
高カリウム血症は、慢性腎臓病患者さんおよび血中のカリウムレベルを増加させ得るRAAS阻害剤などの通常の心不全治療薬を服用している患者さんにおいてリスクが大幅に高まります。高カリウム血症は、慢性腎疾患、慢性心不全のいずれか、もしくは両疾患の既往がある患者さんの23~47%に発症し、それぞれの推定患者数は世界中で2億人および3,800万人です。高カリウム血症は心停止を引き起こし死に至る可能性があり、重症化した高カリウム血症の治療が早急に行われない場合、致死率は最大30%になると言われています。

ZS-9 (製品名:Lokelma)について
ZS-9は不溶性かつ非吸収性ジルコニウムナトリウムケイ酸で選択性の高いカリウム排出剤として作用する、経口懸濁用の粉末製剤です。本剤は無味無臭で室温保存できる経口投与製剤です。高カリウム血症患者さんを対象に、3つの二重盲検プラセボ対照試験および1つの12カ月非盲検試験が実施されました。ZS-9の初回用量は1回10g、1日3回投与が推奨されています。血中カリウム濃度が正常域 に達した後には、維持用量として1回5g、 1日1回投与が推奨され、最大1日10g投与から隔日5g投与までの用量調整が可能です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝領域について
アストラゼネカが主要治療領域として注力してきた循環器・代謝疾患領域のポートフォリオにZS-9が追加されたことをうけ、本治療領域名を循環器・腎・代謝 (CVRM) 領域としました。アストラゼネカは、心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追及し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、世界中の何百万人ものCVRM 領域の患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器及びその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については (リンク ») または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

参考文献
1 Kosiborod M, Rasmussen HS, Lavin P, et al. ‘Effect of Sodium Zirconium Cyclosilicate on Potassium Lowering for 28 Days Among Outpatients With Hyperkalemia.’ JAMA. 2014. doi:10.1001/jama.2014.15688.
2 Packham D, Rasmussen HS, Lavin P, et al. ‘Sodium Zirconium Cyclosilicate in Hyperkalemia.’ New Engl J Med. 2015; 372:222-31. doi:10.1056/NEJMoa1411487.
3 Ash S, Bhupinder S, Lavin P, et al. ‘A phase 2 study on the treatment of hyperkalemia in
patients with chronic kidney disease suggests that the selective potassium trap, ZS-9, is safe and efficient.’ Kidney Int. 2015; 88:404-411. doi:10.1038/ki.2014.382.
4 National Kidney Foundation. ‘Clinical Update on Hyperkalemia." 2014. Accessed 5 January 2017. (リンク »)
5 Fishbane S, Pergola PE, Packham DK, et al. ‘Long-term Efficacy and Safety of Sodium Zirconium Cyclosilicate for Hyperkalemia: A 12-Month, Open-Label, Phase 3 Study’. Poster presentation at: American Society of Nephrology Kidney Week; November 2017; New Orleans, LA. TH-PO1112.

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