2019年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査

株式会社ICT総研 2019年05月08日

株式会社 ICT総研 (東京都千代田区)は5月8日、「2019年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」の概要をまとめた。

■定額制音楽配信サービス利用者数は2018年末に1,980万人、2021年末に2,370万人へ

 日本レコード協会の統計によれば2018年の日本の音楽コンテンツ市場は、CDなどのオーディオレコード市場が1,576億円で前年比9%の減少であったのに対し、音楽配信市場は645億円で前年比13%増となった。音楽配信の市場規模は年々拡大しており、パッケージ型のオーディオレコードに代わりつつある。
 ICT総研では、音楽サービスの主流となりつつある定額制音楽配信サービスの市場動向について調査を行い、現在の市場規模を推計した。ICT総研の需要予測では、2018年末時点で日本国内の音楽配信サービスの利用者数は約1,980万人と推計される。
 1,980万人の利用者のうち毎月一定額の料金が発生する有料サービス利用者数は1,010万人、無料のお試しサービスなどを利用中の無料サービス利用者数は970万人となる。また、2019年末の時点では有料サービス1,140万人、無料サービス1,020万人で2,160万人に達する見込みだ。さらに2020年末には有料・無料サービス合計で2,280万人、2021年末には2,370万人に拡大すると予測される。

■定額制音楽配信サービスの有料サービス利用率は14.4%、無料サービス利用率は12.5%

 ICT総研が2019年4月に実施したWebアンケート調査の結果では、定額制音楽配信有料サービス利用者は601人(14.4%)、無料サービス利用者は523人(12.5%)であった。Webアンケートを実施した4,170人のうち27.0%にあたる1,124人が有料または無料の定額制音楽配信サービスを利用していることがわかる。1年前の調査と比較して有料サービスで3.7%、無料サービスで1.1%利用率が向上する結果となった。毎年実施してきたこのアンケートで有料サービスの利用率が無料サービス利用率を上回るのは今回が初めてである。
 定額制音楽配信サービスのうち有料サービスでは20代~30代の利用率が最も高く、無料サービスでは10代~20代の利用率が高い傾向が見られる。総じて年齢層が高くなるほど音楽配信サービスの利用率は低下する傾向が見られ、現時点では10〜30代が音楽配信サービス市場を支えていると言えそうだ。

■利用者数トップはPrime Music、2位はApple Music、3位 LINE MUSIC、4位 Spotifyと続く

 アンケート調査の結果では、Prime Music(Amazon)の利用者が最も多く436人だった。2位はApple Musicで318人、3位はLINE MUSICが238人、4位Spotify 236人となった。さらにAmazon Music Unlimited 207人、Google Play Music /You Tube Musicが149人、 AWA 106人、dヒッツ 86人、 レコチョクBest 83人、KKBOX51人と続く。
 Prime Musicは、月額500円(年間契約4,900円)のAmazon Prime会員であれば利用できる音楽配信サービスで、同時にプライムビデオのサービスも利用できる。価格が安いことから人気を集めており利用者数トップとなった。Amazonには、この他に6,500万曲以上が聴き放題となるAmazon Music Unlimitedもあり、両サービスを合わせたシェアは他を圧倒している。
この1年間で各サービスの利用率は上がっているが、中でも最も利用者数が増えたのがPrime Musicで、昨年の利用率7.2%から今年は10.5%へと増加している。この他では、Apple Musicが1.4%増、LINE MUSICが1.2%増、Spotifyが1.7%増、Amazon Music Unlimitedが1.6%増となった。その他のサービスの利用率は前年並みかマイナスとなっているものが多く、シェア上位のサービスに利用者が集中する傾向が見られる。

■顧客満足度トップ3は、KKBOX、Apple Music、うたパス

 Webアンケートの顧客満足度調査結果では、KKBOXが79.7ポイントで1位、Apple Musicが78.1ポイントで2位、うたパスが77.2ポイントで3位につけている。さらにAmazon Music Unlimitedが76.8ポイント、Google Play Music /You Tube Music が76.5ポイント、レコチョクBestが75.1ポイントと続いている。Prime Musicは安価だが視聴できる楽曲が100万曲程度しかないため満足度は高くない。

■無料系サービスから有料サービスへの移行で市場が拡大

 音楽配信サービスは、スマホの普及とともに利用者数を増やしてきたが、まだ利用していない人は全体の73.0%と圧倒的多数を占める。アンケート結果によれば利用しない主な理由は、定額で支払うことに抵抗がある(回答者1,103人中350人)、YouTubeなど無料で楽しめる(273人)、価格が高い(208人)、など価格面での理由が上位となっている。音楽配信サービスはCDなどのパッケージ購入に比べれば高額とは言えないが、それでも料金を支払うことに抵抗がある層が多いようだ。
 日常的に音楽を聞くユーザー層は有料の定額制音楽配信に慣れ親しんでおり、今後も利用者数の拡大が続く見込みである。GoogleもYou Tube Musicの有料化を進めており、今後は無料サービスの利用者が有料サービスに移行することで市場が拡大していくと予想される。

用語解説

【本資料の調査結果・推計データについて】

*この調査は、定額制音楽配信サービス運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,170人へのWebアンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したものである。アンケート実施時期は2019年4月23日~4月26日。
*定額制音楽配信サービスの利用状況や満足度に関するWebアンケート調査では、4,170人の中から定額制音楽配信サービスを利用している1,124人を抽出し分析した。
*dヒッツ (dヒッツ powered by レコチョク)とレコチョクBestは、それぞれ別ブランドのサービスとして定義した。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、ICT総研スタッフによる取材やアンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、資料公開時点のものであり、その後の市場環境等の変化や新たな分析に基づき予測データ等を予告なく変更する場合がある。
*本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、ICT総研の許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁止する。
*本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。

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