Norbert Preining氏による【FOSSASIA OpenTechSummit 2019 レポート】を公開

アクセリア株式会社の研究開発部社員であるNorbert Preining氏による、コラム連載を更新しました。 https://www.accelia.net/column/research/

アクセリア株式会社

2019-05-14 09:00

第19回:FOSSASIA OpenTechSummit 2019 レポート
「未来はFOSSです」
FOSSASIAはFOSS(フリーおよびオープンソースソフトウェア)の開発者とユーザーを結び付けるサミットです。FOSSは社会の変化に対応するソフトウェアアプリケーションをさまざまな技術を用いて開発している組織で、2009年に設立されました。プロジェクト範囲は、オープンソースソフトウェアからデザイン、グラフィックそしてハードウェアにまで及びます。

毎年開催されるFOSSASIA OpenTechSummitは、アジアで最大規模の開発者の集まりの1つであり、近年、ベトナム、カンボジア、シンガポールで開催されてきました。今年のOpenTechSummitはシンガポールで開催され、また、FOSSASIAの10周年記念を祝いました。大企業の代表者(IBMアジア太平洋地域の副社長、MicrosoftのOSSリーダー、GoogleのDeveloper Advocateなど)を含む約200人の講演者が集まり、3日間にわたって多くの講演、ワークショップ、および実践的なセッションが行われました。

イベントスケジュールを見ると、とても忙しいスケジュールであったことがよくわかると思います:

プログラムは下記のように構成されていました:
 ・各プログラム:人工知能、ブロックチェーン、クラウド、コンテナ、DevOps、サイバーセキュリティ、データベース、ハードウェア&デザイン、カーネルとプラットフォーム、モバイルテクノロジー、オープンデータ、インターネット、コミュニティ、サイエンスと教育、ウェブ技術
 ・クラウドとAIのワークショップ
 ・FOSSASIA Academy:新しい技術スキルの学習
 ・UNESCOとのOpenTech Hackathon:国際先住民族言語年

会期中は毎日、10周年記念祝パーティー、深夜のハックセッションだけでなく、バー巡りのようなイベントや、市内ツアー、文化的な朝のツアーなどの社交イベントもありました。また、IBM, UNESCO, Google, Microsoft, Facebook, FlowChain, MySQL/Oracleなどの多くの企業がブースを開設していました。


「印象に残ったセッション」
私が参加したたくさんのセッションの中から、印象に残った3つを紹介したいと思います。UNESCOの国際先住民族言語年のハッカソン、人工知能とパーソナルボイスアシスタント、そしてブロックチェーンについてです。

■UNESCOの国際先住民族国際言語年ハッカソン
2019年は国連の国際先住民族言語年です。ユネスコのメンバーはFOSSASIA 2019によるプロジェクトを推進し、固有の言語、特に開発、和解、優れた統治および平和構築に関する問題とリスクについて重要な課題に直面しています。

ユネスコとのFOSSASIAハッカソンが開催され、先住民族の問題とその言語、先住民族の問題解決のために他の国でも利用できるような解決策がありました。

私は15人のメンターのうちの1人として、言語、ソフトウェア、またはオープンデータに関する議題を提起し、ハッカソン参加者をサポートしました。最終的に15件の優秀なプロジェクトが提出され、審査員は優勝者を選ぶのに苦労しました。

■人工知能とパーソナルボイスアシスタント
人工知能についてのセッションは、入門コースから機械学習の概説までを扱い、驚くほど大きな枠組みで開催されました。代表としてMicrosoftのデータサイエンス担当ディレクターのGraham Williams氏の発表「MLHub - The Machine Learning」を紹介したいと思います。このプロジェクトを利用すれば、すぐにアクセス可能で実行可能な状態にある、構築済みの機械学習モデルおよびデータサイエンステクノロジを調査、再構築、さらには展開することさえも可能にします。

自分のモデルを構築し、それらをトレーニングし、展開に取り組むのに苦労したので、私もモデルとデータへのアクセスがより簡単に利用できるようにしたいと思います。

個人的な話になりますが、Graham氏と長く興味深い話をした後、彼が以前CTANプロジェクトに貢献していたことに気づきました。彼は私と同じくTeXの世界に関わっていました - 何という偶然でしょう。

このセッションの中でもう1つの重要なパートは、FOSSASIAプロジェクトSUSI.AIです。これは、パーソナルボイスアシスタント、特にプライバシーを意識したパーソナルアシスタントを開発するという目的があります。今のところ、このアシスタントはAndroid、iOS上で利用可能です。デスクトップにインストールすることができ、スマートスピーカーのためにRaspberry Piを使った開発設定を持っています。

SUSI.AIのスキル、およびすべてのソフトウェアはオープンソースであり、スキル開発はWikiのテキストインターフェイスで行うことができます。

Amazon(Alexa)とGoogle(Google Home)のプライバシーの問題を考えると、このプロジェクトには大きな可能性があると考えています。

■ブロックチェーン
ブロックチェーンセッションは、AIセッションと比べるとかなり短かかったですが、非常に興味深いプレゼンテーションが含まれていました。 IBMのOng Khai Wei氏が、現在The Linux Foundationで開催されているHyperledgerプロジェクトについて話しました。このプロジェクトでは、いくつかのビジネスブロックチェーンフレームワークとツールをホストしています。

他のセッションでは、主にFOSSとブロックチェーンおよびスマートコントラクトの関係について議論されました。


・・・ここから先は、アクセリア株式会社で公開中のコラム本編でご覧ください。 (リンク »)


【アクセリア株式会社の研究開発部社員:Norbert Preining氏のコラム】
・第1回:今さら聞けない、機械学習/ディープラーニングとは!? (リンク »)
・第2回:最新の機械学習の代表、ニューラルネットワークとは (リンク »)
・第3回:手書き数字を認識する機械学習 (リンク »)
・第4回:畳み込みニューラルネットワーク (リンク »)
・第5回:機械学習における今後の展開 (リンク »)
・第9回:Analyzing Debian packages with Neo4j (リンク »)
・第10回:Analyzing Debian packages with Neo4j - Part 2 UDD and Graph DB Schema (リンク »)
・第11回:Analyzing Debian packages with Neo4j - Part 3 Getting data from UDD into Neo4j (リンク »)
・第12回:Specification and Verification of Software with CafeOBJ - Part 1 - Introducing CafeOBJ (リンク »)
・第13回:Specification and Verification of Software with CafeOBJ - Part 2 - Basics of CafeOBJ (リンク »)
・第14回:Specification and Verification of Software with CafeOBJ - Part 3 - First steps with CafeOBJ (リンク »)
・第15回:Specification and Verification of Software with CafeOBJ - Part 4 - Modules (リンク »)
・第16回:DebConf 2018 in 新竹 レポート
(リンク »)
・第17回:グラフデータベースの入門例:TeX Live データベースからNeo4jグラフデータベースへ (リンク »)
・第18回:数学の知識のいらないブロックチェーン紹介 (リンク »)


【アクセリア株式会社の研究開発部社員のコラム】
・第6回:アクセリアが手がけるP2P (Peer-to-Peer) (リンク »)
・第7回:効率的な検索を可能にする、グラフデータベース (リンク »)
・第8回:アクセリアにおけるディープラーニング適用例 (リンク »)
本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

アクセリア株式会社の関連情報

【企業の皆様へ】企業情報を掲載・登録するには?

御社の企業情報・プレスリリース・イベント情報・製品情報などを登録するには、企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]