摂南大学(大阪府寝屋川市)は10月19日、大阪工業大学梅田キャンパスで、摂南大学農学部開設記念シンポジウム「食と農の未来を考える~次世代農業の視点から~」を開催した。当日は約500人が参加した。
世界における食関連市場の拡大や国内における食料の安定供給、農業の持続的発展などが昨今の課題として叫ばれる中、本学は2020年4月、近畿の私立大学で3番目、大阪府内唯一の農学部を開設。グローバルな視点で「食」と「農」に関する知識・技能を持ち、社会課題の発見とその解決に取り組める人材を育成する。
本シンポジウムでは、基調講演(1)「島耕作から見る日本の未来」で、「島耕作」シリーズ作者の弘兼憲史氏が日本の食料自給率の低さや農業の問題点、オランダが実践・研究している農業経営の必要性やスマート農業をはじめとした効率的な生産方式などについて自身の漫画を用いて紹介。「日本の大学生に農業を学んでほしい。農業が面白いことを国がもっとアピールすべき」と話した。
続いて行われた基調講演(2)「SDGsを超える農学の可能性」では、日本農学会会長で石川県立大学学長の西澤直子氏が、国連が定める2030年までの持続可能な17の開発目標「SDGs」と農学との関連について話し、「飢餓を防ぎ、人々が健康に暮らすために農業は欠かせない」と今後の食と農の発展の必要性を訴えた。
基調講演後には、久保康之客員教授(学部長就任予定者)をコーディネーターに、4人のパネリストによるパネルディスカッションを実施。ITを駆使した新しい農業や企業での野菜飲料の開発エピソード、今後のアグリビジネスの可能性などについて活発な意見交換が行われた。
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