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【お金とは一体なんだろうか? 難しい言葉で言えば貨幣つまり硬貨と紙幣であり、前者の代表が金貨であり後者の代表がドル紙幣といったところか。一口に貨幣と言うが、実は硬貨が紙幣に発展するまでは相当な時間がかかった。
経済学には貨幣論といった分野があるが、その通説によれば貨幣とは商品交換の媒介手段で、価値尺度、流通手段、価値貯蔵の機能を持つものだと言われている。
何か難しそうだが、それほどでもない。まず貨幣以前、つまりお金がなかった時代を考えてみよう。
農村がある。当然米や野菜が採れる。しかし自分たちだけでは消費しきれない。また魚などの海産物も食べてみたい。それは漁村でも事情が同じで、自分たちだけでは消費しきれない魚が獲れる。これを米や野菜に取り換えられると食生活も向上する。そこで最初は物々交換で双方欲しいものを手に入れていた。多分それぞれの村を相互訪問していたのだろう。しかしそんな面倒なことをしなくても、双方の村の中間点に交換場を設ければ移動距離は半分ですむ。
こうして誕生したのが…。】
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【筆者略歴】
井沢元彦 作家。1945年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。TBS報道局入社。80年、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。独自の歴史観からの作品が人気。夕刊フジ連載の単行本化『天皇の日本史』(KADOKAWA)、『コミック版 逆説の日本史』『日本史真髄』(小学館)など著書多数。
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