自動車の電動化に向け、新しいレーザ溶接ソリューションを開発

古河電気工業株式会社

From: Digital PR Platform

2020-06-05 09:33


● 高出力青色レーザ発振器と近赤外シングルモードファイバレーザを組み合わせたハイブリッドレーザによる新しいレーザ溶接ソリューションを開発
● 純銅のレーザ溶接において、世界最高レベルの品質・深度・加工速度を実現
● xEV向け主要部品の生産性向上および製造工程の省人化に寄与(xEV:電動車の総称)

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区丸の内2丁目2番3号、代表取締役社長:小林敬一)は、日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市上中町岡491番地、代表取締役社長:小川裕義)と高出力青色レーザダイオードモジュールを共同開発しました。さらに、共同開発品を搭載した高出力青色レーザ発振器(波長465nm)と当社が既に製品化している近赤外シングルモードファイバレーザ(波長1070nm)を組み合わせたハイブリッドレーザによる新しいレーザ溶接ソリューションを開発しました。本ソリューションにより、純銅のレーザ溶接において、世界最高レベルの品質・深度・加工速度を実現しました。
 上記ハイブリッドレーザは、2021年1月に製品化予定です。また、当社千葉事業所にアプリケーションラボを設置し、テスト加工に対応予定です。

■背景
 近年、地球環境保護を目的として、自動車の電動化が世界中で進んでいます。さらに、アフターコロナの世界において、人による物品搬送が感染拡大の一因となるため、自動運転車の要望が強まり、自動運転と親和性の高いxEVの普及はより加速すると予想されます。電動車の主要部品であるリチウムイオン電池、モータ、インバータ等の製造量が飛躍的に伸びるとみられ、導体となる純銅の溶接工程の生産性向上(品質、加工速度の向上)および製造工程の省人化要求が高まります。
 従来の溶接工法であるアーク溶接や超音波溶接は、接触加工であるため、工具のアプローチに時間がかかることや消耗品交換・メンテナンスが必要なことが課題でした。一方で、非接触加工であるレーザ溶接は、溶接点を高速移動でき、かつメンテナンスが不要なため、生産性向上および製造工程の省人化に適しています。しかし、従来のファイバレーザ光の波長は近赤外であるため、純銅の光吸収率が低く、加工対象物の表面状態による光吸収率変化に影響され、溶接品質が安定しませんでした。一般的に、純銅の光吸収率は短波長になるにつれて向上するため、純銅のレーザ溶接には、短波長レーザが適していると考えられます。

■内容
 高出力青色レーザダイオードモジュールの開発には、青色レーザダイオードの高出力化とレーザダイオードの出力ビームを高密度合波するモジュール組立技術が必要でした。この課題を、日亜化学工業が有する世界最高性能のGaN系レーザダイオードと当社がファイバレーザの製造で培ったモジュール組立技術を持ち寄ることで解決しました。さらに、新しいレーザ溶接ソリューションとして、共同開発品を搭載した高出力青色レーザ発振器と当社の既存製品である近赤外シングルモードファイバレーザを組み合わせたハイブリッドレーザにより、純銅のレーザ溶接における世界最高レベルの品質・深度・加工速度を実現しました。また、細い溶接幅にて高深度の加工が可能であることが特徴で、xEV構成部品の設計自由度の向上ならびに軽量化が実現可能です。

● 純銅板における加工特性評価(近赤外シングルモードファイバレーザ vs. ハイブリッドレーザ)
 純銅板の表面にレーザを集光しながら純銅板を移動させ、加工特性(品質、溶け込み深さ、加工速度)を評価しました。表面の観察結果より、ハイブリッドレーザによる加工は、欠陥が無く安定しています。また、近赤外ファイバレーザと同等の溶け込み深さを高速で実現できております。室温において光吸収率の高い青色レーザ光で加熱後、輝度の高い近赤外レーザ光による加工を行うため、溶融部が安定し、高品質な加工が可能となりました。


表面
近赤外シングルモードファイバレーザ
(当社従来製品)
(リンク »)

ハイブリッドレーザ
(高出力青色レーザ+シングルモードファイバレーザ)
(リンク »)


■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。」を基本理念に掲げて、4つのコア技術(メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波)を軸に、事業活動をしています。さらに、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、当社グループの事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定し、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。
(リンク »)


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