運用者の視点:中国の『食品浪費』

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

From: Digital PR Platform

2020-09-17 09:41


三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「運用者の視点:中国の『食品浪費』」を2020年9月15日に発行いたしましたので、お知らせいたします。

<今日のキーワード>

「マーケット・キーワード」では、弊社のアジア株式運用者が運用業務を通して気付いたり、感じたことを“運用者の視点”として定期的にお届けしています。急速かつダイナミックに変革が進む、中国・アジア地域の経済やマーケットの“今”を、独自の視点でお伝えできれば幸いです。今回のテーマは、食品ロス問題が環境や資源を守ることに関わっているという意識が芽生えるきっかけとなるか、中国の『食品浪費』についてです。

【ポイント1】『食品浪費』抑制の法整備を検討

■習近平国家主席が、外食時の『食品浪費』を戒め、食べ残しをなくすことを目指す方針を打ち出しました。これを受けて、早速、全人代(全国人民代表大会)は浪費行為を抑制するための法整備の検討を開始し、国営中央テレビは、「大胃王(大食い)」番組が『食品浪費』を助長していると厳しく批判しました。快手(Kuaishou)や、バイトダンスが運営するティックトック(TikTok)などネット動画サイトでも大食い動画が次々と削除される事態となっており、習近平国家主席の指示をきっかけに『食品浪費』への批判が急速に高まっています。リアルの世界でも、中国各地で食べ残しゼロに向けた取り組みがスタートし、例えば、湖南省長沙市の市直属機関の食堂では、食器の回収場所に秤が設置され、食べ残しが125グラムを超えた場合は、罰金として食費カードから1元引かれる運行が始まったと伝えられています。

【ポイント2】中国の深刻な食品ロス問題

■中国では、客人を食事でもてなす際は、食べきれないほどの量を出すことが礼儀とされており、もてなされた方も、料理を残すことによって「お腹いっぱい食べて満足した」という気持ちを表すと言われています。残した料理はレストランの店員に頼めば残り物を専用の容器に詰めて家に持ち帰ることも出来るのですが、翌朝もう一度出して食べる気にもならず、結局はゴミ箱行きになることが多いようです。やや古いデータですが、WWF(世界自然基金会)と中国科学院が2018年に行った合同調査では、2015年の都市部にあるレストランでの食品ロスは年間1,700~1,800万トンで、これは現地のメディアによれば、3,000~5,000万人の1年分の食料に相当する、とのことです。

(リンク »)

【今後の展開】食糧供給リスクを抱えることでESGやSDGsを意識

■国家主席が庶民の箸の上げ下げまで細かく指図することに違和感を持たれる方は多いかもしれませんが、食べきれないほど多く注文し、結果的に大量の食べ残しが発生するという中国に根付いた伝統的な食文化は、国のトップが厳しく切り込んで変えていくしかありません。人口14億人を抱える中国は、都市開発による耕地面積の減少や気候変動による収穫減のリスクを常に抱えており、今年の夏は未曽有の水害で農地の多くが水没し、農産物価格も上昇しました。世界的なトレンドとなっているESG(環境・社会・ガバナンス(企業統治))やSDGs(持続可能な開発目標)を重視する観点からも、食糧需給の安定は極めて重要な問題です。先進国と比べてESGやSDGsの認知度はまだまだ低いですが、生活に密着した問題として、「環境」や「持続可能な成長」などの重要性を理解する恰好の材料になるのではないかと思います。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。


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