近畿大学(大阪府東大阪市)は、令和2年(2020年)5月から「''オール近大''新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を実施し、附属学校等を含む学校法人近畿大学全体の知見を生かして、全学横断的に新型コロナウイルス感染症対策に取り組んできました。
今回、全教職員を対象に企画提案の新規募集を行い、53件(研究費総額:約1億4百万円)を新たに採択しました。終息の見えない新型コロナウイルス感染症の対策に全学を挙げて取り組み、研究・教育機関として社会貢献をめざします。
【本件のポイント】
●医学部を持つ総合大学と附属学校等の知見を生かした全学横断的プロジェクト
●全教職員から関連研究や支援活動の企画提案を募り、全学を挙げて感染症対策に取り組む
●企画提案53件(研究費総額:約1億4百万円)の新規採択を決定
【本件の内容】
「''オール近大''新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」は、東日本大震災の復興支援として平成24年(2012年)から実施している「''オール近大''川俣町復興支援プロジェクト」と同様に、近畿大学が全学を挙げて取り組む社会貢献プロジェクトです。令和2年(2020年)5月から開始し、初年度は採択した72件の企画提案に対し、約1億3千万円の研究費をかけて実施してきました。これまでに、近畿大学病院での新型コロナウイルス抗体保有状況調査、表情が見える透明のマウスシールド「近大マスク」の開発、オンライン授業の新形態となるVR空間を用いた講義コンテンツの構築などの成果がでています。
そのようななかで、未だに新型コロナウイルス感染症の終息が見通せないことから、「(1)研究」「(2)開発・提案」の2つのカテゴリーにおいて、今年度も新たに企画提案の募集を行いました。医学部や薬学部などの理系分野だけでなく、経営学部や文芸学部などの文系分野からも応募があり、57件の提案のうち53件((1)研究:37件、(2)開発・提案:16件)の新規採択を決定しました。新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体検査の分析や、感染クラスター発生時における要因究明など、実証的な研究を中心に約1億4百万円の研究費をかけて実施します。
今回新規採択された企画提案を実施しながら、令和2年度(2020年度)の成果の検証も行い、長期的な視点で新型コロナウイルス感染症対策に取り組みます。
【採択された企画提案の例】
・COVID-19ワクチン接種後の抗体価の変動
研究代表者:近畿大学病院 病院長 東田 有智
内 容:医学部・病院教職員約2,500人のうち同意を得た者に対して、ワクチン2回接種後、3カ月毎に計4回抗体価を測定する。ワクチン接種による抗体価の上昇、持続期間、年齢との関連、依存症との関連等不明な点を追究し、今後のワクチン接種施行の方向性を明らかにする。
・歯科口腔外科外来診療室におけるエアロゾル飛散実態の把握
研究代表者:近畿大学病院 歯科口腔外科学 医学部講師 李 篤史
内 容:歯科領域の処置や手術では、歯牙や骨の切削片や血液や唾液を含んだ飛沫が周囲に飛散し、一部がエアロゾル化する。このため、新型コロナウイルス感染症流行下の現在、歯科診療室内での歯科治療に伴う唾液を含んだ飛沫やエアロゾルの飛散実態把握が急務である。飛沫やエアロゾルの飛散実態を把握し、感染対策計画を策定する上での基礎データとする。
・次世代シークエンス解析による新型コロナウイルス院内感染のメカニズム解明
研究代表者:医学部 消化器内科学教室 准教授 渡邉 智裕
内 容:「新型コロナウイルスの病棟内伝播のメカニズム」について、院内感染を経験した患者を対象に、次世代シークエンス解析によるウイルスゲノム全長の配列決定を明らかにする。具体的には患者個人の感染時期・患者の部屋・患者が受けた医療処置をウイルスゲノムデータと照合することにより、最初に病棟内に入り込んだ新型コロナウイルスがどのような経路で伝播したのかを解明する。
・COVID-19下での高次救急病院における医療スタッフの人的資源確保のための問診AIに関する研究
研究代表者:理工学部 情報学科 教授 半田 久志
内 容:初診における診療科のミスマッチが顕著である「胸痛を主訴とする患者」を対象として、AIによる自動問診システムの研究開発を行う。確立されているAIの方法論を応用することで、臨床現場で使用できる実用システムの開発をめざす。問診AIとは、直感的に操作ができるタブレットを待合室に設置し、患者が入力した問診データをもとに、診療科が決定されるものである。タブレットを用いることで人を介することなくスムーズに問診票のやりとりができ、初診時の診療科のミスマッチを防ぐことで患者の満足度を上げることができる。
・新型コロナウイルス感染症対策に資する免疫記憶CD8+T細胞誘導ワクチンの開発
研究代表者:薬学部 医療薬学科 講師 松尾 一彦
内 容:現行の大半のワクチンは、病原微生物を失活させた不活化抗原に免疫系を活性化するアジュバントを混合した不活化ワクチンが用いられているが、ウイルス感染細胞の排除に関わるCD8+T細胞応答は誘導されない。本研究では、高活性型XCL1を用いた新型コロナウイルス感染症ワクチンの有効性評価、生薬成分由来化合物ライブラリを用いた免疫記憶T細胞誘導物質のスクリーニング解析及び高活性型XCL1の経皮ワクチン用アジュバントへの応用について検討を行う。
・新型コロナウイルスワクチン副反応と既感染者・未感染者におけるワクチン後抗体価の比較検討
研究代表者:メディカルサポートセンター センター長代理・准教授 藤本 美香
内 容:東大阪キャンパスの学生・教職員のうち希望者を対象に、SARS-CoV-2抗体価の定量検査を実施。既感染の有無やワクチン接種後の副反応の程度、解熱鎮痛薬服用の有無と抗体価の関連を調べることにより、ワクチンの効果に影響を与える因子を明らかにする。
・オンライン講義における学修意欲の測定と講義手法に関する研究・提案
研究代表者:経営学部 経営学科 教授 布施 匡章
内 容:オンライン講義が学生の学修意欲や講義に関する満足度に与える影響について、アンケート調査を実施して多角的に分析する。
オンライン講義では、学習効率がインターネット環境に左右される等のデメリットが指摘されているが、一方で、オンデマンド講義であれば時間の使い方の自由度が高く、繰り返し視聴できる等のメリットも謳われている。どのような講義がオンラインに向いていて、学修効率を上げることが可能なのかを、数値的に明らかにする。
・ポストコロナ時代の安全/安心なキャンパスライフを支えるAI技術の研究
研究代表者:理工学部 情報学科 教授 井口 信和
内 容:本学では新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、学生に対して行動確認セルフチェックシートを提示している。これをベースに、学生がスマホやウェブで気軽に入力できるようなAIボットを実装し、個々の感染リスクの状態について適切なアドバイスをするアプリケーションの開発を行う。匿名性を守りながら学生の相談を受け、自動応答により適切な窓口への誘導や行動を提案するAIを開発する。
・近大病院内に文芸学部学生デザインによるソーシャルディスタンスのユニークなサインを!
研究代表者:文芸学部 文化デザイン学科 教授 森口 ゆたか
内 容:文芸学部文化デザイン学科では、医学部と連携して平成21年(2009年)からホスピタルアートの活動を推進してきた。近畿大学病院院内サービス向上委員会から、新型コロナウイルスのソーシャルディスタンスを促すサインが適切に注意喚起できていないとの相談を受け、課題解決に挑む。学生にとってはホスピタルアート、デザインの力で社会的課題を解決する機会であり、教育的価値が期待できる。
※ 採択された全企画提案の一覧を添付します。
【関連リンク】
医学部 近畿大学病院 病院長(近大二病院統括)・教授 東田 有智(トウダ ユウヂ)
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医学部 近畿大学病院 医学部講師 李 篤史(リ アツシ)
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医学部 医学科 准教授 渡邉 智裕(ワタナベ トモヒロ)
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理工学部 情報学科 教授 半田 久志(ハンダ ヒサシ)
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薬学部 医療薬学科 講師 松尾 一彦(マツオ カズヒコ)
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メディカルサポートセンター 准教授 藤本 美香(フジモト ミカ)
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経営学部 経営学科 教授 布施 匡章(フセ マサアキ)
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理工学部 情報学科 教授 井口 信和(イグチ ノブカズ)
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文芸学部 文化デザイン学科 教授 森口 ゆたか(モリグチ ユタカ)
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近畿大学病院
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メディカルサポートセンター
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医学部
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理工学部
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薬学部
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経営学部
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文芸学部
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▼本件に関する問い合わせ先
広報室
住所:〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
TEL:06‐4307‐3007
FAX:06‐6727‐5288
メール:koho@kindai.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター (リンク »)
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