【国立科学博物館】バーチャル体験空間「たんけんひろば コンパスVR」の公開                            標本・資料の新たな活用への挑戦!

文化庁

From: PR TIMES

2023-03-03 18:46

 国立科学博物館(館長:篠田謙一)は、所蔵する標本・資料の更なる活用を推進するため、デジタル化した標本・資料をバーチャル空間で公開するプラットフォームを開設し、そのプロトタイプの空間として「たんけんひろば コンパスVR」を、2023(令和5)年3 月3 日(金)より公開します。
 「たんけんひろば コンパスVR」では、ティラノサウルスの全身骨格化石や動物のはく製標本の3Dデータをバーチャル空間に「展示」しています。PC やスマートフォン、VR ゴーグルを用いて、様々な視点から標本を観察できるだけでなく、隠れているはく製を探して展示台に載せたり、動物のツノを正しく組み合わせたりするなど、バーチャル空間ならではの体験ができます。
 当館が所蔵する自然史標本や科学技術史資料の新しい活用、価値の創造を目指す、国立科学博物館の新たな挑戦です。



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 国立科学博物館では、研究成果や標本・資料を活用した展示やイベントを積極的に展開しています。しかしながら、様々な理由で実際に訪問することが難しい方へのサービスの提供、収蔵庫から移動が困難な標本・資料の公開、上下や背面、内部構造など自由な視点や距離からの観察など、実空間における展示手法だけでは対応が難しい課題も抱えています。
 このような背景の中、近年著しく普及が進むVR やAR といった技術を活用し、標本・資料に基づく新しい体験をより多くの人に届けるというのが、バーチャル空間を活用した今回の新たな取り組みです。



バーチャル空間で展開する新たな挑戦

 国立科学博物館では、現在公開している上野本館の常設展示や過去に開催した一部の企画展示を3D ビュー+VR 映像で体験できるサービスとして、「おうちで体験!かはくVR」を2020 年から公開しています。これらは実空間の展示をインターネットで楽しむことができるだけでなく、実施した展示のデジタルアーカイブとしての役割も果たしています。
 これに対し本プラットフォームでは、仮想の「展示空間」を新たに設け、実際の標本・資料に基づく3Dデータを「展示」し、インターネットを通して、いつでもどこからでも自由に観察や体験ができるようにするものです。そして、その実践と成果を検証して、将来の企画に活かしていくという未来志向の取り組みです。
 今回活用する「STYLY.biz」(株式会社NTT データNJK)をプラットフォームとした空間では、一人称視点でバーチャル空間を自由に移動できます。また、同時に複数の参加者が参加できるイベントも実施できるため、いわゆるメタバースとしても展開が可能です。さらにVR だけでなく、スマートフォンやタブレットのカメラ機能などを使用したAR としての表現も可能となっています。


博物館だからこそ提供できる、標本・資料に基づく3D資料を新たな学習資源に

 国立科学博物館ではこれまでも、凸版印刷株式会社との連携で恐竜の骨格標本3Dモデルを公開する「ディノ・ネット デジタル恐竜展示室」や、哺乳類はく製標本の3Dモデルを活用したデジタルアーカイブ「剥製3D デジタル図鑑“Yoshimoto 3D”」など、実際の標本・資料に基づいた3Dデータを学習資源として公開してきました。
 今回の新たな取り組みの中で、所蔵する実物標本や資料に基づく2D/3Dのデジタルデータを、バーチャル空間で積極的に活用することで、どのように新たな体験や学びを提供できるか、また様々な創作へのインスピレーションなどといったこれまでにない活動を生み出すことができるかということを、実践を通して検証し、標本・資料の新たな活用・価値の創造を目指していきます。
 そのためにも、VR ゴーグルだけでなく、PCブラウザや、スマートフォン・タブレットといった様々なデバイスから容易にアクセス可能にし、より幅広いユーザーを対象とした体験機会を提供しているのも今回の特長のひとつです。


バーチャル体験空間 「たんけんひろば コンパスVR」の公開



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 今回公開する「たんけんひろば コンパスVR」は、国立科学博物館の親子向けの展示室「親と子のたんけんひろば コンパス」(現在は「歩いてみよう!コンパス」として公開中)をモチーフに、新たなプラットフォームでの展開の検証のために、モデル的に制作・公開したバーチャル体験空間です。
 東京・上野公園にある国立科学博物館のシンボルで、国指定の重要文化財である日本館をバーチャル空間上につくり、そこを入り口として「たんけんひろば コンパスVR」に移動することができます。ティラノサウルスの全身骨格やニホンカモシカのはく製など「親と子のたんけんひろば コンパス」に展示してある標本だけでなく、収蔵庫に保管されていて通常は公開されていない標本についても、様々な角度から観察したり、手に取るように間近で見たりすることができます。これらを用いて、空間内に隠された標本を見つけて並べ替える「動物ならべ」や、ウシやシカの仲間のツノと体を正しく組み合わせて展示を完成させる「このツノだれの?」といった体験メニューもあります。
 またスマートフォンやタブレットからアクセスすることで、はく製やツノの3Dデータを実際のカメラ映
像と合成できる、ARを活用した体験もできます。ぜひオリジナルの作品を撮影してお楽しみください。

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今後の展開

 国立科学博物館ではデジタル技術を活用し、標本・資料に関するデータベースやデジタルアーカイブの公開、オンライン講座、動画配信、実展示の360 度映像でのインターネット公開など、いつでも、誰でも博物館の資源を活用できることを目指した多様な取り組みを行っています。
 新たに開設するバーチャル空間では今後、複数の展示室からなる有料の企画展示の開催を予定しています。また将来的には、仮想空間での展示等を希望する他の博物館や美術館などに対しての場の提供なども目指しています。
 そして、これらの展示やイベントの実践を通じて、実物標本・資料を有する博物館だからこそ可能な新しいサービス提供、そして標本・資料の新たな活用、価値の創造を目指し、今後も積極的に発信していきます。

【公開Web サイト】
「たんけんひろば コンパスVR」 (リンク »)

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