ヤマハ発動機株式会社は、クリームハンダ印刷機*¹の新製品「YRP10」を2023年8月1日に発売します。
「YRP10」は、高速・高精度なハンダ印刷と、段取り替えの全自動化を実現し、さらにデュアルレーン生産にも対応した新型プレミアム印刷機です。剛性に優れた新世代「YRシリーズ」プラットフォームを採用し、新スキージ採用の3Sヘッド*²やマスク吸着機能、印刷条件最適化などにより、業界トップレベルの高品質の印刷精度を実現しました。また、プッシュアップピンやマスクの自動交換など、段取り替えの自動化により、品種切り替え時の作業工数と人的ミスを大幅に削減します。さらにレーンごとに完全独立運用が可能なデュアルレーン仕様も選択可能とし、多種多様な生産形態にフレキシブルに対応します。
当社は、表面実装機、印刷機、ディスペンサー、検査装置など、実装設備のフルラインアップメーカーである強みを活かし、理想のコンセプト「1 STOP SMART SOLUTION」を実現します。ブラックボックスの無いスムーズで高度な装置間連携により、実装工程の高効率化を総合的に実現するシステム「インテリジェントファクトリー」を推進しています。
なお「YRP10」は、5月31日から6月2日まで東京ビッグサイトにて行われる電子部品実装技術の総合展示会「JISSO PROTEC 2023(第24回実装プロセステクノロジー展)」に展示します。
※1: 微細なハンダ粒子と粘性流体フラックス&バインダを練ったクリーム状のハンダ製品をスキージ(ヘラのような道具)でプリント基板の上に塗布する装置。リフロー硬化炉で加熱することでハンダが溶けて表面実装方式の電子部品をプリント基板に接合する
※2: Swing Single Squeegee。1枚のスキージでアタック角度・速度・印加印刷力を制御する、当社オリジナルの印刷ヘッド
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プレミアム印刷機「YRP10」
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〈市場背景と製品の概要〉
小型・高密度・高機能・多様化の流れが加速する電子部品実装工程の現場において、超小型チップ部品や狭ピッチ電極部品などの採用が増加しています。それに伴いプリント基板へのクリームハンダ印刷工程の難易度が格段に高くなり、実装工程の品質を左右する最も重要な工程となっています。
一方で、労働力不足を背景に生産現場での省人要望が急速に拡大。印刷工程においては、高度なスキルが要求される段取り替え作業に多くの人手が割かれています。
「YRP10」は、高速・高精度に加えて段取り替えを全て自動化することで、労働力やタクトタイムの削減はもとより、スキルレス化によって人的ミスを抑え、生産性・品質向上に貢献します。また完全独立のデュアルレーン運用にも対応できるため、ますます多様化する製品や生産形態に対して、柔軟かつ高効率に対応します。
〈YRP10の主な特徴〉
1)進化した段取り替え全自動化&さらなる長時間無停止運転を実現
◎プッシュアップピン自動交換機能(オプション)
基板を下方から支持するプッシュアップピンを自動で交換。人的ミスの防止に加え、同時に2本ずつ装着できるため、段取り替えの時間を短縮します。
最大200本のピンを配置可能で、L420×W420mmの大型基板*に対応可能。また、5mmピッチ仕様に加え、ピンの配置自由度が高い2.5mmピッチ仕様にも対応します。
※2.5mmピッチ仕様の最大対応基板サイズはL420×W250mm。オプションでL420×W420mmにも対応可能
◎マスク自動交換機能(オプション)
印刷機稼働中、次に使用するマスクをセットしておくことで、現在の印刷終了後、印刷機を停止することなく自動的にマスクを交換する機能です。今回新たにL600×W550mm、L550×W650mmのマスクに対応するなど、さまざまなマスクサイズに工具なしにワンタッチで対応します。
◎ハンダ自動移載機能(オプション)
マスク交換の際、使用済みのマスク上に残ったハンダを自動で無駄なくすくい上げ、交換後の新しいマスク上に速やかに移載します。マスク自動交換機能とあわせ使用することで、段取り替えに関わるロスタイムや人的ミスを大幅に削減できます。
◎ハンダ自動供給:PSC(Print Stability Control)システム(オプション)
6オンスに加え、12オンスのハンダシリンジへの対応により、印刷機を長時間止めることなくハンダの自動供給を行います。シリンジ残量検知でシリンジが空になる前に補給警告を発報。常にハンダのローリング幅を一定に保つことで、安定した高品質印刷が可能です。
2)高速・高精度印刷
コアサイクルタイム6秒の高速印刷性能を備えながら、±6σ:±16μm Cpk≧2.0(当社最適条件下にてCeTaQ社製測定機による)の高い印刷精度を実現しています。
◎材質・形状を見直した新スキージ採用の3Sヘッドにより印刷品質アップ
サーボモータを搭載し、スキージのアタック角度と速度をプログラムにより任意に設定・変更でき、使用するハンダに応じた最適条件で印刷が可能な当社独自の3S(Swing Single Squeegee)ヘッドを搭載。素材と形状を見直した新型スキージにより、マスクの長寿命化をはじめ、ローリング性・充填力の向上、ハンダ貼り付き低減など、印刷品質のさらなる向上を実現。廃棄するハンダ量も抑えることが可能です。
◎高精度印刷を可能にするマスク吸着機能
マスクのステンシル部を吸着固定することで、マスクフレームの歪みとステンシル部の伸びの影響を低減するマスク吸着機能により、基板とマスクを密着させ、安定した高精度印刷を実現しています。また往復印刷時のオフセット入力が不要で、段取り時間を大幅に短縮できます。
3)デュアルレーン完全独立生産
デュアルレーン仕様では、レーンそれぞれ完全に独立して運用および自動段取りを行えます。
またL420×W330mmの大型基板をデュアルレーンで生産可能。基板取り数やキャリア搬送個数を増やすことができ、生産効率を高めます。
4)その他
「YRシリーズ」プラットフォームとして、産業用機器OSでは最新のWindows 10*に対応するとともに、見やすく使いやすいスタイリッシュなグラフィカルインターフェースを採用。トータルで長期にわたって安心して使える設計としています。
※Windows 10 は、米国Microsoft Corporation の米国、およびその他の国における登録商標、または商標
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