日本IBMとSAPジャパンは、ヤマハ発動機のデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みにおいて、経営基盤改革を支える「ヤマハモータービジネスダッシュボード」(YBD)とグローバル連結会計システムの構築を支援した。YBDとグローバル連結会計システムは既に稼働しており活用が進んでいる。
なおヤマハ発動機では、SAPの統合基幹業務(ERP)パッケージ「SAP S/4HANA」の導入を契機に、2030年に日本、北米、欧州、アジア、中南米の全拠点の勘定科目を統一し、子会社、孫会社とも連携、管理粒度に即した商品の可視化と、全モデル別の台数や採算まで可視化する予定だ。
今回のYBDとグローバル連結会計システムの構築では、「SAP BW/4HANA」をはじめ、情報活用に必要な機能をワンストップで提供する分析クラウド「SAP Analytics Cloud」、グローバル連結会計管理ソリューション「SAP Financial Consolidation」が導入、活用された。
また日本IBMが有する多く関連分野の知見、グローバルでのSAP導入の経験、人工知能(AI)・アナリティクスなどの最新テクノロジーを掛け合わせ、日本IBMとSAPジャパンの20年以上にわたる戦略的提携をもとに、全世界140拠点同時のダッシュボード化を実現させている。
YBDは財務・管理会計や部門のデータ、例えば月次で財務・管理会計データや卸、小売、在庫などの台数、一部モデル別の台数まで、140以上の拠点からデータを収集し、一元的かつタイムリーに経営ダッシュボードで把握できるようにする。
YBDを活用することで、本社と各拠点が同じデータを共有し、指標をもとに迅速な意思決定と国内外の各拠点への実行方針の展開が可能となる。またリアルタイムでの現状把握と主力製品の中長期の需要予測分析による予知型経営が実現するという。