古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、CLV開発合同会社(本社:神奈川県横浜市中区山下町2番地、代表取締役社長:植木圭紀、注1)と協同し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金(GI基金)事業「海底ケーブル布設専用船(Cable Laying Vessel: CLV)開発プロジェクト」にて開発を進めている新しいケーブル布設船に係る基本設計承認(Approval in Principle: AiP)を、一般財団法人日本海事協会(本部:東京都千代田区紀尾井町4番7号、会⾧:坂下広朗)より取得しました。
■背景
これまで欧州を中心に導入が拡大されてきた洋上風力発電は、2050年にかけて日本およびアジアでも市場が急成長することが見込まれ、急深な海底地形が多いこの地域では、特に浮体式風車への期待が高まっています。洋上風力の大量導入に向けては、工事、運用および保守の低コスト化が鍵となりますが、欧州では、事故要因の7割以上を占めるという海底ケーブル布設関連のトラブルを低減し、工期短縮とリスク最小化を図るために、自航式のCLVが多数建造され、実用に供されています。しかし、日本・アジアではCLVの数が極めて少なく、地域の特徴的な環境条件に特化した新しい布設船の開発・導入が強く求められています。
■内容
そこで当社は、CLV開発合同会社と協同で組成したコンソーシアム(注2)で昨年採択された本プロジェクトにて、先行する欧州のCLVと同等以上の高機能を有し、日本周辺海域の地形・海象条件でも機動性が確保できる独自のCLV開発に着手しました。欧州の海洋特殊工事船設計・建造会社のデザインを取り入れた新しいCLVのコンセプト設計を行い、日本海事協会よりAiPを取得し、5月17日に開催された授与式において証書を受領しました。
本コンソーシアムにおいては、CLV開発合同会社は2027年のCLV事業操業開始を目指して、CLVの建造・所有から運用・保守までを念頭においての造船設計管理およびビジネスモデル開発に取り組み、当社は豊富な海底ケーブル布設工事実績から得た知見を活かし、ケーブル布設・埋設等の技術・工法開発や将来の用船利用の観点から、布設工事用装備の設計において開発に携わっています。
当社は本プロジェクトへの参画を通して、古河電工グループの経営上の重要課題(マテリアリティ)である「環境配慮事業の創出」および「気候変動に配慮したビジネス活動の展開」の取り組みを強化し、日本における2050年カーボンニュートラル実現とインフラの強靭化による高品質な電力の安定供給に貢献してまいります。
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開発中のCLVイメージ
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授与されたAiP証書
(注1)CLV開発合同会社:イーストブリッジ・リニューアブル株式会社(本社:秋田県秋田市、代表取締役社長:植木圭紀)、Bernhard Schulte Offshore GmbH(本社:ドイツ・ハンブルク、代表取締役社長:Matthias Müller)、東京汽船株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:齊藤宏之)の3社が、CLVの開発・建造・所有・運用を実施するため設立した特別目的会社。
(注2)2022年1月の採択時は当社、東京汽船、イーストブリッジ・リニューアブルの3社でコンソーシアムを組成していたが、2022年12月にイーストブリッジ・リニューアブルおよび東京汽船の当該GI基金事業の実施権がCLV開発合同会社に継承され、当社とCLV開発合同会社の2社体制となった。
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■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
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