月経が原因で勉強・運動に悪影響がある女子生徒は80%
全国初、公立小中学校・高等学校への
生理用ナプキンの無料提供設備「OiTr」を試行設置
オイテル(株)、京都市、龍谷大学が連携し、生理用ナプキンの無料配付
及び月経等に関する教育的コンテンツの配信を試行的に実施
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本件のポイント
◆ 女子生徒の80%が「月経により勉強・運動への影響を受けている」、そのうちの約30%が「月経の不調について相談しない」という調査結果※1や、龍谷大学生へのヒアリングにより、若年層への月経等に関する知識や情報について周知啓発の必要性を認識。
◆ 生理用ナプキンの無料配付サービスを提供するオイテル(株)と京都市、龍谷大学が連携し、市内の小中学校、中学校、高校各1校に学校向け仕様に改良した「OiTr(オイテル)※2」を試行的に設置。「OiTr」を公立学校に設置するのは全国で初めての事例。
◆ 生理用ナプキンを配付するとともに、設備付属のデジタルサイネージで月経等に関する教育的コンテンツを配信。活用状況や教育的コンテンツの効果を検証し、他校への設置を検討。
本件の概要
この度、龍谷大学(学長:入澤崇、所在地:京都市伏見区、以下本学)と、生理用ナプキンの無料化を実現するサービス「OiTr」を提供するオイテル株式会社(取締役社長:小村 大一、所在地:東京都新宿区)、京都市(市長:門川大作)の3者で連携し、京都市立学校への「OiTr」の試行設置及び児童生徒への保健指導における活用等を実施することになりました。「OiTr」の公立学校への設置は全国でも初めての試みです。
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西京高等学校附属中学校に設置された「OiTr」。
デジタルサイネージでは月経等に関する動画等を配信。
今回は試行的に、東山泉小中学校(東山区)、西京高等学校附属中学校、西京高等学校(ともに中京区)に「OiTr」を設置し、5月23日(火)から児童生徒が利用しています。
学校での使用にあたり、生理用ナプキンを配付するとともに設備付属のデジタルサイネージにて月経等に関する知識や情報の周知啓発につながるような教育的コンテンツを配信します。児童生徒が月経等について正しい知識を得られ、一人で抱え込まずに相談しやすい環境づくりを図ります。
この取り組みの背景としては、先行調査※1や本学学生へのヒアリングの結果を受け、若年層が月経等について正しい知識を得られることや困りごとを相談につなげられるようになる必要性を認識したことがあります。
千葉県内の中学校・高等学校で女子生徒608人を対象に行われた調査※1において、女子生徒の80%が「月経により勉強・運動への影響を受けている」と回答しています。また、そのうちの約30%は「月経の不調について相談しない」ことが明らかになっています。さらに、本学学生へのヒアリングにおいても「生理は人によっても重さが異なるため、親にも相談しにくい」、「生理について情報が少ない、知らない」という意見があがりました。
これらのことから、本学と京都市教育委員会及びオイテル(株)が協議を重ね、今回の「OiTr」の試行的設置及び児童生徒への月経等に関する知識や情報の周知啓発等に関する取り組みを実施するに至りました。
本学では、2020年11月に本学学生が発表したビジネスアイデア「生理に関する正しい情報発信」をきっかけに、2021年6月、本学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター※3にて生理の貧困の解決に向けた取り組みが始まりました。その後、オイテル株式会社と「ジェンダーギャップ・経済的格差の解消に向けた取り組みを推進する連携協定」を締結し、学内への「OiTr」設置や教育的コンテンツの開発、配信を実施してきました。
京都市立学校では、これまでも月経に関する困りごとを抱える児童生徒に対して、保健室等において生理用ナプキンを配付して保健指導を行うほか、授業等において月経等に関する内容を取り扱ってきました。
今後は試行設置した機器の運用状況の調査、関係者への聞き取り等も踏まえ、月経等に困りを抱える児童生徒への効果的な支援を進めていきます。また検証結果をもとに、市内で設置を希望する他の学校への「OiTr」の展開を検討します。
※1出典:平成28 年度スポーツ庁委託事業「子供の体力向上課題対策プロジェクト 月経関連疾患と学校生活」特定非営利活動 法人日本子宮内膜症啓発会議
千葉県内の中学校・高等学校で女子生徒608人を対象に行われた女子特有の健康問題に関する実態調査。調査結果を基に作成された小冊子やポスターは全国の中学校・高等学校に配付されている。 (リンク »)
※2Free pad dispenser OiTr
商業施設・オフィス・学校・公共施設などの個室トイレに、生理用ナプキンを常備し無料で提供するサービス。提供する生理用ナプキンは、付属のデジタルサイネージにて配信する広告動画(無音声)の広告費にて賄われている。標準仕様としては、生理用ナプキンを受け取るために専用のスマートフォンアプリが必要だが、今回の取り組みでは学校向け仕様としてスマートフォンアプリ無しで受け取れるように改良している。 (リンク »)
※3龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター(YSBRC)
ムハマド・ユヌス博士と合意し、ソーシャルビジネスの地域実装化に向けた研究や社会活動の支援、担い手育成などに取り組むセンターとして、龍谷大学内に2019年6月に設置。関西では初、全国では2拠点目。
生理にまつわる問題の解決に関する活動は右記URL参照。 (リンク »)
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