2024年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査

株式会社ICT総研

2024-01-09 00:00

株式会社ICT総研は、2024年1月4日、「2024年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」の結果をまとめた。
 2018年に「4割値下げする余地がある」と政府から指摘された後、オンライン専用プランの登場や楽天モバイルのMNO(移動体通信事業者)としての参入を経て、日本のスマートフォン料金、携帯電話料金は変化してきた。料金と並んで重視すべき「通信品質」との比較も加え、日本のスマートフォン料金の現状を把握することをこの調査の目的とした。
 調査対象は日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国の 6 カ国の 主なMNO とし、各国のスマートフォン料金は2023年3月1日時点のものとした。


■日本のスマホ料金は、前回調査(2022年1月発表)に続き6カ国中、安い水準に。

 調査の結果、2023年3月1日時点の調査対象6カ国の月額のスマートフォン料金の平均は、データ容量 2GB 3,441円、5GB 3,617円、20GB 4,186円、無制限 6,615円であった。
 日本は、データ容量2GBの場合が1,513円と6カ国中最も安い料金であり、5GBと20GBの場合は2318円、2,795円とイギリスと並んで最も安い料金水準となった。一方で、データ容量無制限では6,271円と、6カ国中3番目であり、平均レベルに留まっている。データ容量無制限では他の国に対して優位性は見られないものの、当社前回調査(2022年1月発表) (リンク ») と同様に、全体的に見ると、日本とイギリスの料金が6カ国の中で安い水準という結果になっている。アメリカはデータ容量が小さい料金プランで、他の国と比べて料金水準が高い。料金は購買力平価を基準に円換算しているため、円安による影響も見られる。


■日本のスマホ料金は2020年から2021年に下落し、2023年もその水準を維持。

 今回の調査では、2023年3月時点のスマートフォン料金を対象としたが、当社が実施した過去2回の同様の調査と比較することで、調査対象6カ国のスマートフォン料金の推移を示した(表2)。
 日本はデータ容量2GB、5GB、20GBともに、2020年3月から2021年12月にかけて、料金水準が大きく下落。その後、2023年3月にかけてはほぼ同水準で推移していることが分かる。2020年4月に楽天モバイルの本格サービスが開始、2021年春にNTTドコモの「ahamo」、au (KDDI)の「povo」、ソフトバンクの「LINEMO」といったオンライン専用プランが開始するなど、2020年・2021年の時期にスマートフォン料金に影響を与える大きなトピックが多かったことがその要因と言えよう。 対象6カ国のうち、2020年3月から2023年3月までの期間に、日本ほど大きく料金水準が変動している国は見当たらない。


■日本の5Gダウンロード速度は6カ国中3番目と、平均水準に留まる。

 通信料金と通信品質の比較をするにあたり、スマートフォン料金と5Gダウンロード速度との関係をまとめた(表3)。
 5Gダウンロード速度(下り速度)は、韓国 433Mbps、フランス 223Mbps、日本 157Mbps、ドイツ 143Mbps、アメリカ 138Mbps、イギリス 124Mbpsであり、日本は対象6カ国中3番目に速い結果となった。欧米とほぼ同じ水準であるが、平均レベルとも見て取れる。
 一方で料金水準は6カ国の中でも安い水準であるため、5Gダウンロード速度という指標で観た場合、日本は「通信品質は平均水準」、「料金は安い水準」であると言えよう。
 当社が2023年11月に発表した「スマートフォン料金の意識調査」では、スマホ料金が2021年春より前と比べて「安くなった」と感じるユーザーは、24.0%であった。一方で、実際にはスマートフォン料金はその時期に大きく下がっており、日本のスマートフォンユーザーの期待値が高いと言えるのかもしれない。
 日本のスマートフォンの通信品質は少なくとも欧米並み以上のものがあり、ユーザーはそれを安い料金水準で利用できる環境にあるが、今後も携帯電話事業者には、優れた通信品質の提供を期待したい。ICT総研では、ユーザーにとって指標となる調査を今後とも実施していく方針である。

用語解説

【本資料の調査結果・推計データについて】

*2023年3月の料金は、調査対象6カ国の2023年3月1日時点の5Gスマートフォン料金(基本料金+データ定額料金。音声通話料金や定額通話サービス料金は含まない。契約に伴って自動的に適用される割引がある場合は割引適用後のもの)について、各種公開資料をまとめて分析したものである。
*2023年3月および2021年12月の調査対象事業者(ブランド)は、NTTドコモ(日)、KDDI(日)、ソフトバンク(日)、楽天モバイル(日)、Verizon(米)、AT&T(米)、T-mobile(米)、O2 (Telefonica UK)(英)、EE (BT Group)(英)、Vodafone UK(英)、Tree(英)、Orange(仏)、SFR(仏)、Free mobile(仏)、Bouygues Telecom(仏)、Telefonica Deutschland Holding(独)、Vodafone(独)、Telekom Deutschland(独)、SK Telecom(韓)、KT(韓)、LG Uplus(韓)。
*2020年3月の料金は各国上位3社のMNOの4Gスマートフォン料金であり、2021年12月の料金は各国上記MNOの5Gスマートフォン料金である。いずれも基本料金+データ料金、自動適用割引のみ適用している。
*携帯電話料金は、各国の調査対象事業者の月額平均料金である。一定期間を対象とする割引がある場合には、24ヶ月に平準化した。なお、金額は「税込」を「購買力平価換算」で円通貨に換算した。
(2020年3月、2021年12月の購買力平価は「OECD.stat」、2023年3月の購買力平価は、「World population review」から算出。)
*本資料における全ての文章、数値、表、グラフデータは、アンケート調査、各種文献等を元に当社アナリストが記述・推計したものであり、当該企業や公的機関等の公表値と異なる場合がある。
*表3の5Gダウンロード速度は、OPENSIGNAL「Benchmarking the Global 5G」「5G Download Speed - GLOBAL」より引用した。
*本資料は報道・ニュースメディア向け資料であり、許可無く、データ、グラフ等を広告および販促活動に利用することを禁ずる。
*本資料に記載された文章、グラフ等を報道、各種ホワイトペーパー、セミナー資料、学術研究資料等に転載する場合は、「ICT総研調べ」「出典:ICT総研」などの表記を加えて下さい。

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