アストロスケール、大型デブリ除去等の技術実証を目指すJAXAの商業デブリ除去実証フェーズIIに選定

アストロスケール

From: PR TIMES

2024-04-26 18:40

2024年2月より運用中のADRAS-Jミッションの知見も活かし、大型デブリの除去へ

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)はこの度、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が大型デブリ除去等の技術実証を目指し実施する商業デブリ除去実証(CRD2※1)のフェーズIIの契約相手方として選定されたことをお知らせいたします。

CRD2は、JAXAの進めるデブリ除去プログラムを起点に新しい宇宙事業を開拓し、日本企業が新たな市場を獲得することを目的としたプロジェクトであり、軌道上にある日本由来のロケット上段を対象に、二つのフェーズで大型デブリ除去の実証実現を目指すものです。フェーズIでは非協力物体※2であるデブリへの接近、近傍制御を行い、軌道上に長期間存在する情報の少ないデブリの運動や損傷・劣化がわかる画像データを取得。アストロスケールは2020年1月にCRD2のフェーズIの契約相手方として選定され、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」を開発。2024年2月よりミッションを実施しています。フェーズIIでは、フェーズIと同様にデブリへ接近、近傍制御し、さらなる画像データを取得するとともに、デブリ除去としてその捕獲や軌道離脱も行います。フェーズIIに関して、アストロスケールは2022年8月にフロントローディング技術検討の契約相手方の一社に選定されていました。今後、捕獲機構であるロボットアームを含め、フェーズIIで運用するADRAS-J2(Active Debris Removal by Astroscale-Japan2 の略)の開発を進めてまいります。

フェーズIIにおいては、アストロスケールが現在運用中のADRAS-Jミッションの知見が活かされます。ADRAS-Jは実際のデブリに対して安全な接近を行い、近距離でデブリの状況を調査する世界初※3の試みです。具体的には、大型デブリ(日本のロケット上段:全長約11m、直径約4m、重量約3トン)への接近・近傍運用を実証し、長期間軌道上に存在するデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。2024年2月22日にデブリへの接近を開始して以降、遠距離からの接近や、搭載カメラによるデブリの捕捉、デブリの方角情報を用いる相対航法(AON※4)、そしてデブリの形や姿勢などの情報を用いる相対航法(MMN※5)の開始などに成功しています。2024年4月22日には、デブリの後方数百mの距離にまで接近に成功したことも発表しました。

これまでのADRAS-Jミッション運用実績
2月18日:Rocket LabのElectronロケットにより打上げ

2月22日:デブリへの接近を開始

4月9日:相対航法(AON)と近傍接近を開始

4月16日:相対航法(MMN)を開始

4月17日:デブリの後方数百mへの接近に成功



ADRAS-J紹介動画: (リンク »)
ADRAS-Jミッションページ: (リンク »)

※1 CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstrationの略称
※2 非協力物体:接近や捕獲・ドッキング等を実施されるための能力・機器を有さない物体のこと
※3 過去に同様のミッションが実施されたか否かを自社で調査(2024年4月)
※4 AON:Angles-Only Navigationの略称。デブリの方角情報を用いる相対航法
※5 MMN:Model Matching Navigationの略称。デブリの形や姿勢の情報を用いる相対航法

商業デブリ除去実証(CRD2)について
大型デブリ除去等の技術実証を目指す商業デブリ除去実証は、深刻化するデブリ問題を改善するデブリ除去技術の獲得と、日本企業の商業的活躍の後押しの二つを目的とする JAXAの新しい取り組みです。除去効果が大きい日本由来の大型デブリの除去を2段階で実施します。フェーズIIでは、フェーズIと同様にデブリへの接近、近傍制御を行い、更なる映像を取得。そしてデブリを捕獲、降下させ、デブリ除去技術の軌道上実証を行います。フェーズIに続き、JAXAから技術アドバイス・試験設備供用・研究成果知財提供を受けて実施します。
商業デブリ除去実証ウェブサイト: (リンク »)

アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承するため、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去、既存デブリの除去、寿命延長、故障機や物体の観測・点検など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、イスラエル、フランスとグローバルに事業を展開しています。
アストロスケールウェブサイト: (リンク »)


プレスリリース提供:PR TIMES (リンク »)
本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

【企業の皆様へ】企業情報を掲載・登録するには?

御社の企業情報・プレスリリース・イベント情報・製品情報などを登録するには、企業情報センターサービスへのお申し込みをいただく必要がございます。詳しくは以下のページをご覧ください。

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  5. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]