AWS Summit

Auroraでデータベース領域の採用が加速--AWS Summit Tokyo基調講演 - (page 3)

末岡洋子

2017-06-01 16:49

大阪にローカルリージョンを開設へ

 3)ではハイブリッド環境とコストについて取り上げた。ハイブリッドについてはツールの提供に加えて2016年秋にVMwareとの提携を発表、「シームレスに統合されたハイブリッドクラウドサービス」を提供するという。日本での提供実現は2018年になりそうだとする。

 コストについては、「2017年5月までの間に累計で61回の値下げを行なった」と長崎氏、「利益を我々が蓄えるのではなく、値下げという形で顧客に還元する」と背景の思想を語る。このような値下げは今後も継続していくという。

 また、簡単に始めるためのAWSクラウド無料利用枠も紹介した。Amazon EC2、Amazon RDS、AWS Lambda、Amazon S3といった人気のサービスを含む25以上のサービスがあり、6月2日に新たに仮想デスクトップの「Amazon WorkSpaces」が加わることも発表した。


 無料利用枠を利用して新しいサービスを使って感覚を掴むことができる。

 4)は自然災害に備えた事業継続の取り組みを紹介した。

 AWSは世界に16のリージョンがあり42のアベイラビリティゾーン(AZ)がある。今年はパリ、中国寧夏、ストックホルムの3拠点にリージョンを設ける。日本ではこれまで東京リージョンとグローバルのリージョンを組み合わせるしかなかったが、「大阪にローカルリージョンを2018年前半を目処に解説する」と長崎氏、会場からは拍手が起こった。大阪のローカルリージョンは特定の顧客に限定したものになるとしている。


 16のリージョン、42のアベイラビリティゾーン、74のエッジロケーションで事業継続を支援する。


 AWSの大きな特徴となっているAZにより、高い堅牢性、可用性を実現する。

 5)の信頼性と安全性では、仮想プライベートクラウド「Amazon VPC」、専用線接続サービス「AWS Direct Connect」などを紹介したほか、様々な認証、証明を取得しており、各規制にも準拠しているという。

多様化がカギ--CoEでITとビジネスを結合させる

 最後のハイブリッド組織については、クラウド推進専任チーム「CoE(Center of Excellence)」を紹介した。さまざまな部署から多様な専門知識を持ったチームを作り、できるところからスタートし、アイデア、構築、製品、測定、データ収集、学習、というサイクルを高速に回す。

 CoEはオンプレとAWSをどうやって連携させるか(ハイブリッドアーキテクチャ)、あるいはリファレンスアーキテクチャをいくつ作るのか、あるいはアセット管理やガバナンスをどうするかといった共通の目標を持ち、ビジネス側と連携し合う。これこそがクラウド導入の成功につながる、と長崎氏は言う。


Center of Excellenceでハイブリッド組織を

 「これからのITはビジネスを支援するものでなければならない。ビジネスと連携して需要を喚起し、コストからプロフィットセンターになる必要がある」と長崎氏。「技術だけではなく、ビジネスに技術をどう生かすのかーークラウドの導入に成功した顧客は、このような仕組みを持っている」と説明した。


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