Dell EMC World

VMwareがAWSとの提携のデモ初公開--IoT管理ファミリ「Pulse」発表

末岡洋子 2017年05月18日 07時15分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 EMCは多数の企業買収を行ったベンダーだ。同社は買収後、戦略的に重要なものについてはフェデレーションとして運営するモデルをとっていた。VMware、Pivotal、Virtustream、RSA Securityなどがその例だ。そのEMCがDellに買収された現在、Dell Technologiesはフェデレーションから、より近く深く連携する関係にすることで、競争力を加速する方向を進めている。

 Dell Technologiesの傘下となったDell EMCが5月10日まで米ラスベガスで開催した「Dell EMC World」で、VMwareはDell EMCをはじめ、PivotalなどDell Technologies企業との統合ソリューションをいくつか発表した。発表を行ったのは、VMwareの最高経営責任者(CEO)、Pat Gelsinger氏だ。全体の基調講演の一部として、クライアント事業Dellに続いてスピーチを行ない、戦略や最新のソリューションを発表した。

VMwareの最高経営責任者(CEO)、Pat Gelsinger氏
VMwareの最高経営責任者(CEO)、Pat Gelsinger氏

IoT管理ファミリ「Pulse」を発表

 最初に発表したのは、「VMware Pulse IoT Center」だ。AirWatch、vRealize Operations、NSXなどの同社の技術を組み合わせ、エンタープライズレベルのセキュリティと管理を実現するという。「エンドツーエンドのインフラ管理ソリューション。OTとITが連携してのIoTネットワーク管理を支援する」とGelsinger氏。

 なお同製品は、VMwareが今後展開するIoTアーキテクチャの構築を支援する製品ファミリの最初の製品となる。今後はゲートウェイ、インフラ、クラウドなどに拡大し、ソフトウェア定義データセンター(SDDC)を利用して機能を拡充する。Gelsinger氏は先に発表した富士通との自動車業界向けIoTでの提携に触れ、「VMwareは退屈なインフラ、セキュリティ、管理を受け持つ」と自社の役割を説明した。

VMwareが発表したIoT管理製品ファミリ「Pulse」。Pulse IoT Centerは初の製品となる。
VMwareが発表したIoT管理製品ファミリ「Pulse」。Pulse IoT Centerは初の製品となる。

 Gelsinger氏はまた、コンピュータの歴史からIoTを次のように位置づける。「コンピュータの歴史は集中と分散を繰り返してきた。クラウドで集中化に向かった後、IoTで分散化の方向に向かう」ーーだからこそ「VMwareはハイブリッドアプローチにフォーカスしてきた」と説明した。

 「パワーがエッジに移動しており、エッジを制御できなければならない。Dell Technologiesは新しい時代のニーズを満たすプラットフォームとソリューションを構築する」とDell Technologies全体の戦略における位置づけを語った。

 サーバ仮想化でスタートし、ソフトウェア定義データセンターへと拡大してきた同社にとって、IoTは3つ目の成長ステップとなる。「我々が積み重ねてきたこと、(顧客やパートナーの)あなた方が積み重ねてきたことを土台に、将来できることを広げていくことができる」(Gelsinger氏)。

VMwareはサーバ仮想化、SDDC(ソフトウェア定義データセンター)と戦略を変化させ、現在は「モバイル-クラウドのリーダー」を目指す
VMwareはサーバ仮想化、SDDC(ソフトウェア定義データセンター)と戦略を変化させ、現在は「モバイル-クラウドのリーダー」を目指す

AirWatch、Workspace ONEでDell Technologiesとの統合を強化

 次に、Gelsinger氏はVMwareのビジョンである”Any Cloud、Any Application、Any Device”を強化するための、Dell Techonologiesグループ企業との協業を紹介した。

VMwareの戦略は、Any Cloud、Any Application、Any Deviceだ。
VMwareの戦略は、Any Cloud、Any Application、Any Deviceだ。

 Any Deviceは、「Workspace ONE」(任意のデバイス上のアプリの配信・管理ができるワークスペースプラットフォーム)、「AirWatch」(アプリやコンテンツなどを管理できるエンタープライズモビリティ管理)などの製品があり、Dell Techonogies全体が進めるWorkforce Transformation(ワークフォース・トランスフォーメーション)でも重要となる。ここではいくつかの統合を披露した。

 1つ目として、AirWatchと「Dell Client Command Suite」との統合により、「AirWatch Unified Endpoint Management」でDellの一部ハードウェアを管理対象にできるようになったことを発表した。

 2つ目として、「Dell EMC VDI Complete Solutions」を発表した。Dell Techonologiesと共同でDellのクライアント、VDIソリューション、ハードウェアとソフトウェアコンポーネント、それに「VMware Horizon」を組み合わせるもので、エンドツーエンドでデスクトップとアプリケーションの完全な管理が可能になるという。特徴は、「iTunesのような体験とエンタープライズ級のセキュリティ」だ。

 VDI Completeはハイパーコンバージドの「VxRail」技術を統合することで、「ハイパーコンバージドソリューションとエンドポイントとを結びつける」と位置付ける。「3年前のEMC Worldで、全てのインフラがハイパーコンバージドになるという大胆な予測を発表した。各コンポーネント単位で見たハードウェア市場は成長していないが、ハイパーコンバージド市場は成長している。我々は統合されたハイパーコンバージドソリューションのリーダーになる」とGelsinger氏は述べる。

 VMwareはこの他、会期中に発表された第14世代の「PowerEdge」についても、vSphere、VSANなどのソフトウェアで活用していくとした。「データ重複排除を犠牲にすることなく全ての暗号化ができる。しかも速度は50%高速になる」とGelsinger氏は14Gのもたらすパワーに期待を寄せた。

第14世代の「PowerEdge」
第14世代の「PowerEdge」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化