Salesforceの年次カンファレンス「Dreamforce」が米国時間9月21日、サンフランシスコなどで開幕した。コロナ禍でオンライン開催となった2020年と異なり、2021年は対面のイベントも再開され、オンラインとの同時開催となっている。パンデミック以前は参加者10万人以上がモスコーニセンターを訪れていたが、今回対面での参加者は1000人程度になる見通しだ。Salesforceはこのイベントで、「Health Cloud」の最新版が実現するヘルスや安全を強化するサービスなどを披露している。
提供：Salesforce
Salesforceは「Health Cloud 2.0」を発表した。企業や政府が、従業員や顧客、コミュニティーのさらなるヘルスと安全性を実現できるようにするためのテクノロジーだ。また、今回のDreamforceでHealth Cloud 2.0のポートフォリオに「Dreampass」を導入している。対面イベントの参加者の健康状態やワクチン接種状況を確認し、イベントの開催前と開催中のテストを管理する。参加者は、このプラットフォームでパーソナライズされたコミュニケーション機能のほか、イベントへのアクセスを可能にするパーソナライズされたQRコードを利用できる。
Health Cloud 2.0ポートフォリオのサービスは、あらゆるセクターでどのような企業でも利用可能だ。Dreampassのほか、接触追跡機能も備える。この機能は、限られた必要な個人データのみを安全に収集するとともに、連絡先のビジュアルなマップを作成し、アウトブレイクの可能性をモニタリングする。さらに、政府や組織向けのワクチン管理機能もある。
Salesforceのプレジデント兼最高執行責任者（COO）のBret Taylor氏は今週、報道陣に対し、「2年前、私は接触追跡がどのようなものなのか知らなかったが、今では企業として、われわれが行うことの重要な一部となっている」と話した。「このニューノーマルで信頼される企業になることの意味を考えるとき、最も重要なのは健康と安全だ。Health Cloudは世界中の多くの組織にとって素晴らしい機能になるだろう」
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「信頼されるエンタープライズ」を築くという考えは、2021年のDreamforceで中核となっているとTaylor氏は言う。Salesforceは、いずれ組織の評判を高めることを狙うと同社が言う一連のツールを展開している。Salesforceは同日、「Sustainability Cloud 2.0」や、Slackによって提供される強力なコミュニケーションツールなども発表している。Salesforceは、Health Cloudなどの自社ツールを利用し、同社が信頼できる企業であると実証していることを示した。
同社はSustainability Cloud 2.0を発表し、顧客がネットゼロに向かうための道のりを加速させると述べた。また、同社はすべてのバリューチェーンでネットゼロカンパニーとなり、事業運営で再生可能エネルギー100％を達成していると明らかにした。
Salesforceのチーフインパクトオフィサー（CPO）Suzanne DiBianca氏は、「私たちは、この新たな世界で信頼されたエンタープライズになるということは、つまり当社が私たちの地球を守り、気候変動との戦いで自らの役割を果たすということだと分かっている」と述べた。また、同時に「政府は気候に関する情報開示を統制するとともに義務付けようとし始めている。準備ができているかどうかを問わず、すべての企業がネットゼロ企業になる必要があると私たちは理解している」と話した。
またSalesforceは、「Hyperforce」の拡充についても発表した。Hyperforceはパブリッククラウドを活用できるようにするインフラアーキテクチャーだ。同社は、2022年末までに世界の15を超える地域で、Hyperforceを通じて「Customer 360」プラットフォームをもたらすとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
