Salesforceは「Dreamforce to You 2020」で自動化ソリューション「Einstein Automate」を発表した。このソリューションは、ローコード/ノーコードツールを用いたワークフローの自動化支援やアプリケーション間の連携支援を目的としている。RPA(ロボティックプロセスオートメーション)は企業のデジタル変革戦略において重要な役割を担っているため、筆者はSalesforceの製品管理担当シニアバイスプレジデントとして自動化プラットフォーム製品グループを率いるJohn Kucera氏と話す機会を得てEinstein Automateについて、そして同社が自動化ソリューションの一環としていかに人工知能(AI)を活用しているのかや、同社の顧客がどのような作業を自動化しているのか、自動化によって雇用の減少が発生すると考えているのか、スマートスピーカーに話しかけるように「Tableau」に話しかけられるようになるのはいつ頃になりそうかについて語ってもらった。以下は、こういった対話の内容を読みやすいように編集したものだ。
COVID-19の影響:迅速なデジタル変革は自動化の促進を意味する
——まずは自動化についてですが、プロセスの自動化はかなり以前から企業におけるデジタル変革の取り組みや計画の一環となっています。これについて、Salesforce顧客の窓口となり、こうした計画について企業と話をしてきているあなたの考えを聞かせてもらいたいと思います。これらの計画において、自動化は現在どのような位置付けにあるのでしょうか?まだ取り組みの段階なのでしょうか?数年前に比べると普及が進んでいるのでしょうか?このあたりを少し語ってください。
Salesforceの製品管理担当シニアバイスプレジデントとして自動化プラットフォーム製品グループを率いるJohn Kucera氏
提供:Salesforce
Kucera氏 分かりました。まず、COVID-19の影響が背景にあるのは間違いありません。多くの、そしてさまざまな人々がまったく新たな働き方を余儀なくされたことで、当社の顧客はすべて、2年分のデジタル変革を2週間や2カ月といった期間で成し遂げなければならなくなりました。その結果、自動化に対する大きなニーズや需要が生み出されました。さらに、中小企業向けの支援策である「給与保護プログラム」(PPP)といったものが登場しました。PPPはCOVID-19以前には存在していませんでした。銀行のバックログにもありませんでした。ITチームの中から「数千件にも及ぶ新たな融資の申請を処理できる抵当/融資アプリケーションが来週にも必要になる」という声が上がっていたわけでもなかったのです。
その結果、こうした新たな働き方への適応方法を当社の顧客のために考えるという大きな、とても大きなニーズが生み出されました。われわれは、これらすべてのツールの力を借りて、顧客における変革を支援できていることに満足しており、うれしく思っています。私は基本的に自動化を、プロセスから面倒さや退屈さ、不正確さを取り除く手段だと捉えています。自動化によって人々は本当にやりたい仕事に注力できるようになります。書類のコピー&ペースト作業を1日100回も行いたい人などいないでしょう。われわれは、自動化が実際に従業員の満足度とリテンションに貢献するという驚くべき洞察を得ました。一部の人々はこうした結果につながるとは思っていなかったはずです。