Tableauは、親会社であるSalesforceとの統合作業を加速させている。今回、「Einstein Analytics」にはTableauのアナリティクスソフトウェアが組み込まれ、「Tableau CRM」に名称が変更されることが明らかになった。
計画によれば、Tableau CRMはSalesforceのCRMワークフローにアナリティクスと人工知能(AI)の機能を提供する。また、「Salesforce Customer 360」の重要な構成要素になるだろう。同社が主張しているのは、デジタルトランスフォーメーションはデータの変革(トランスフォーメーション)でもあるということだ。
Einstein Analyticsの名称がTableau CRMに変更されたことは、「Tableau」がSalesforceのアナリティクス製品を代表するブランドになることを意味している。
Salesforceは、2019年6月に157億ドル(約1兆7000億円)でTableauを買収すると発表した。それ以降、Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏は、Tableauの買収は同社の有効市場規模を拡大する鍵になると述べている。Salesforceによれば、2020年第2四半期の「Salesforceプラットフォームおよびその他の事業」の収益は66%増加したが、その成長にTableauは41ポイント寄与したという。
Tableauの市場での強みはセルフサービス分析と幅広いユースケースである一方で、Einstein Analyticsは「Salesforce CRM」にネイティブに組み込まれており、レコメンデーションや結果の予測を提供するものだった。TableauのCEOであるAdam Selipsky氏は、2020年に入ってから両社の製品チームが集まり、ロードマップをまとめて統合したと述べている。
価格はサービスの提供開始時に決定される予定だ。
Selipsky氏は、「私たちはアナリティクスをより強力なものにするために、一体的に共同で取り組んでいる」と述べている。「これらの機能は今後、よりシームレスに連携するようになり、迅速にイノベーションを起こせるようになる。結局のところ、一番重要なのは、顧客を手助けできるかどうかだ。SalesforceはTableauのミッションをさらに加速させている」
Tableauの2021年のロードマップ
Tableauは、オンラインで開催した年次カンファレンスで、「Einstein Discovery in Tableau」を披露した。この統合製品は、ビジネスユーザーがデータモデルやデータサイエンティストなしに、所持しているデータの中からパターンを発見できるようにすること目指したもので、2021年初めにリリースが予定されている。
この製品はEinstein AnalyticsとTableauの機能を維持してさらに拡大するもので、将来的には一体化される予定だとTableauは説明した。
Tableauのロードマップには次のような内容が含まれていた。
- TableauをEinstein Analyticsのデータストアとネイティブに接続し、パフォーマンスとセキュリティを最適化する。
- クリーンなデータを確保するための、TableauとEinstein Analyticsの両方を読み書きできるデータ準備ツール。
- ダッシュボードの作成を合理化するためのコンテンツのポータビリティ。