日立のサーバ戦略が描く、企業のIT活用の今後とは?

日立製作所(以下、日立)は、4月12日に新サーバのエンハンスを発表し、ブレードサーバを中心としたサーバプラットフォームのラインアップを強化した。その背景にあるのが、IT活用の多様化で企業が取り扱うデータ量は爆発的に増加する中、多様で大量なデータの一元管理と高度な検索、スケーラブルかつ効率的な処理を可能にするクラウド環境の構築が重要な課題となっていることだ。日立はこうしたニーズに対し、どのような戦略で応えようとしているのか?IT市場専門調査会社ノークリサーチのシニアアナリスト 岩上由高氏がインタビューした。答えたのは日立のサーバ事業のキーマンであるITプラットフォーム事業本部 事業統括本部 PFビジネス本部の担当本部長 森山隆志氏だ。

仮想化・クラウド対応としての製品強化、サーバ戦略

岩上:この度のサーバプラットフォームのラインアップ強化の概要と背景から、まずは教えて下さい。


日立製作所
森山隆志氏
(ITプラットフォーム事業本部 事業統括本部 PFビジネス本部 担当本部長)

森山:今回は、ブレードサーバの新モデル「BladeSymphony BS500」と、「HA8000シリーズ」のラインアップを強化し、クラウド基盤に強い製品を揃えています。

 日立としては、クラウド環境を活用したビッグデータの収集、蓄積、分析といった新しい動きと、日立が強みとしている制御系と情報系の情報を組み合わせた、無駄のない安定した社会基盤を実現して社会全体に貢献していきたいと考えています。今回の新製品は「安心」「快適」「最適コスト」をキーワードに、自己満足にとらわれず、お客様やパートナー様の声を反映した製品開発を行ないました。

 中でも、要望が多く寄せられていた、仮想化集約度向上のためのメモリー容量の拡張や信頼性の向上、シンプルで柔軟なネットワーク構成、I/O性能の向上といった点を盛り込んでいます。


ノークリサーチ
シニアアナリスト
岩上由高氏

岩上:確かに私たちも、いまIT活用の新たな潮流が起きていると考えています。IT活用の多様化で企業が取り扱うデータ量は爆発的に増加し、グローバル化によってデータが海外にも散在している状況です。また、今後スマートシティやスマートグリッドへの取り組みが進むことで、社会インフラでのIT活用も進展し、より膨大なデータが生み出され、さまざまな場所やシーンで活用されていくことが予測されています。

 それが今話題となっているビッグデータ活用につながっているわけですが、ノークリサーチの調査では、中堅・中小の製造業でも製造ラインの様子をビデオで撮影したり、パトライトと連動させてトラブル発生箇所のデータを収集したりして、現場レベルの情報を吸い上げる活動も行われています。従来よりも多くのデータを効率的に処理したいというニーズは必ずしも大企業だけのトレンドではないようです。

日立製作所、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」およびアドバンストサーバ「HA8000シリーズ」のラインアップを強化


サーバ仮想化やクラウド基盤に求められる性能を強化した新モデル「BS500」をBladeSymphonyに追加し、「HA8000シリーズ」のラインアップを強化(2012年4月12日)

森山:その通りです。そのために日立では、1)ITなどの情報系と電力などのインフラ事業の融合事業、2)安定したIT基盤を提供する高信頼なクラウド事業、3)ビッグデータの利活用関連事業の3つを注力分野としています。この分野に向けて、プラットフォームを整備し、フレームワークを構築しているところです。当社では、データ利活用環境整備の取り組みにおいて、クラウドの概念を3つに定義しています。

提供:株式会社 日立製作所
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2012年7月30日
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