統合クラウドに最適なプラットフォームに向けてポートフォリオを充実
岩上:いまお話しされた、クラウドの3つの概念をご説明頂けますか?
森山:1つは、大量のデータをスケーラブルかつ効率的に格納する「インフラクラウド」。
2つ目は、多様なデータを一元的に管理し検索する「コンテンツクラウド」。
そして3つ目が、お客様との共創による分析と予測ノウハウの形式知化「インフォメーションクラウド」(分析・予測)です。
特に、多様で大量のデータの集積と活用を課題とする企業にとっては、利用者視点でのデータの一元管理と高度かつ高速な検索、すなわちコンテンツクラウドと、プラットフォーム視点での、ビッグデータに対してスケーラブルかつ効率的な処理が実現されていること、すなわちインフラクラウドという両面が、クラウド上で統合されて提供されていることが重要だと考えています。
その統合クラウドに最適なプラットフォームに向けて、サーバとストレージのポートフォリオを充実させる一方で、それらがばらばらではなく一元的に管理できるよう、統合管理ソフトウェア「Hitachi Command Suite」を提供しています。
データ利活用環境整備の取り組みにおいて、日立はクラウドの概念を3つに定義する
岩上:なるほど。そこで日立のサーバ製品がどういった役割を果たすのかを含め、「BladeSymphony BS500」と「HA8000シリーズ」の位置づけ、スペックの目玉となるポイントを詳しくお聞かせ下さい。
森山:まず新製品の位置づけですが、BladeSymphonyについては、従来、ミッションクリティカルシステム向けハイエンドモデルの「BS2000」と、エッジ(部門)向け小型高集積モデルの「BS320」という2モデルが存在しましたが、「BS500」はその隙間をカバーする位置づけとなるモデルです。物理・仮想化集約やクラウドを中心に幅広い用途に対応するために開発されました。
BladeSymphonyの新モデルBS500およびHA8000シリーズのラインアップ強化の位置づけ
従来のBS320と同等の高さ6U※の小型シャーシに、「BS520H」サーバブレードを最大で8枚収容可能です。大きな違いは、プロセッサーに最新の「インテル® Xeon® プロセッサーE5-2600ファミリー」を搭載していること。それにより、インテルアーキテクチャ最大となる24基のメモリースロットを用意することが可能となっています。
(※1U:44.45mm)
また、最新のI/Oテクノロジーを導入し、CEE (Converged Enhanced Ethernet)/FCoE(Fibre Channel over Ethernet)に対応した10Gb-CNA(Converged Network Adapter)、および内蔵DCB(Data Center Bridging)スイッチをサポートし、I/O性能をさらに強化しているほか、I/Oポート論理分割機能によって広帯域ネットワークを高効率に利用できるようにしました※。こうした、複雑化するI/O構成のシンプル化に加え、仮想化サポートラインアップの拡充や、運用管理の容易化に向けた強化も行いました。
(※10Gbps-DCBスイッチモジュールのFibre Channel over Ethernetは、2012年度内サポート予定)
BS500は多彩な仮想化環境へのサポートなどが特長で、データセンターでの大量導入時も簡単にデプロイメントが可能なように工夫されています。
※CPUコア予備交代機能はEタイプ・キャパシティオンデマンドのみ/10年保守はEタイプのみ
BladeSymphony BS500の位置づけ