従来のボトルネックを解消したBS500/HA8000シリーズもクラウド基盤向けに機能強化
岩上:従来のBS320ユーザーにとっても、BS500の登場はさまざまな可能性を感じさせてくれるきっかけとなりそうですね。
森山:はい。今回の新しいBS500は、インテルの最新プロセッサーを搭載することで16コア/2ソケットとなり、BS320比でコア数が1.3倍、メモリーも従来比4倍の24スロットで最大512GBとなっています。I/Oも、広帯域I/Oアダプタ80Gbps(10Gbps×8P)で従来比2.5倍です。
BS320を使った仮想化のサーバ集約でボトルネックとなっていたのが、メモリー容量であり、これで仮想化の集約率も4倍と大幅に向上するはずです。
仮想化集約度向上のため性能と拡張性を強化
森山:一方、HA8000シリーズは、従来のラックマウント型、タワー型モデル、計7モデルありましたが、今回、「HA8000/RS220-h」と「HA8000/RS210-h」の2モデルをラインアップに加えました。
こちらもインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600ファミリーを搭載し、メモリーを最大384GB搭載可能にしたほか、FCoEボードと10G iSCSIボードをサポートしているのがポイントです。また、ストレージ容量としては、HA8000/RS220-hは900GB(2.5型SAS2.0)HDDが16台搭載可能で最大14.4TB(RAID0)の構成。HA8000/RS210-hは900GB(2.5型SAS2.0)HDDが8台搭載可能で最大7.2TB(RAID0)の構成となっています。
HA8000/RS220-h
HA8000/RS210-h
岩上:HA8000とBladeSymphonyの使い分けをどのように提案しているのでしょうか。
森山:お客様の業務内容や求められる製品仕様にもよりますが、従来サーバ3~4台まではHA8000をお勧めし、それ以上の集積度を重視する場合やN+1/N+Nなど可用性を求めるケースでは、ブレード型のBladeSymphonyを提案しています。
岩上:新しいシャーシやエンクロージャが登場した時は、「将来的にまた別の仕様に変わってしまうのでは?」ということを気にする企業も少なくありません。こうした「投資保護」の観点でのBS500における取り組みについてはいかがでしょうか?
森山:ブレード製品において永続性のネックになるのが、ミドルプレーンもしくはバックプレーンの仕様ですが、それに対しても将来にわたって技術をサポートできるよう、40Gのイーサネットや16Gのファイバーチャネルをサポートできるよう設計しているので、I/Oの技術トレンドが変わっても継続性が失われることはないと考えています。
今回ご紹介した日立のサーバの機能強化・拡張性強化が仮想化やクラウド環境の運用にどのようなメリットをもたらすのか。
後編では、新サーバ導入で実現する運用の効率化や負担削減効果について、2人が実践的に検証していく。