BS500のサーバリソース活用を促すため4LPARライセンスを標準添付
ノークリサーチ
シニアアナリスト
岩上由高氏
岩上:ノークリサーチでは、仮想化を活用しない理由を定期的に企業に調査していますが、最近は『投資対効果が見えにくい』という回答が最も多く、『技術的に不安がある』という回答を上回るようになりました。もはや、仮想化が可能か否かではなく、仮想化導入後の実質的なメリットを測ろうとしているようです。今後、仮想化に取り組む企業に対してVirtageとその他のハイパーバイザーとを活用する際のアセスメントサポート(現行システムを踏まえ、仮想化した場合にどのような構成になり、どれくらいのコスト削減効果が見込めるか?などを事前に検証/評価するサービス)などは行っているのでしょうか。
森山:個別に対応する各種アセスメントサービスを提供しています。お客様のニーズとシステムの状況をヒアリングし、目ざすべき仮想化のあり方を対話しながら、最適な環境の構築をアドバイスします。
また、BS500の豊富なサーバリソースを気軽に利用いただくために、今回から「Virtage 4LPARライセンス」を標準添付し、4つの論理分割まで無償でご利用いただけるようにしました。また、Advancedモデルのライセンスを購入いただければ、最大30LPARまで利用可能になります。LPARは「SVP webコンソール」でGUIを使って簡単に設定できるほか、CLI(Command Line Interface)や専用ツールのVirtage Navigatorからも操作が可能です。
なお、Virtageは、オラクルの仮想化ソフト以外では唯一x86環境でOracle DBの公式認証を取得しており、BS500の安定した環境でDBサーバの集約が実現できるようになっています。
岩上:大規模システムの集約やクラウドコンピューティングにおいても、複数のシステムが混在することで、性能干渉や信頼性、セキュリティの低下を引き起こしたり、といった様々な課題もあるかとも思います。その点、ハードウェアベースの仮想化では物理サーバと同等の性能、信頼性、可用性を実現しやすい面があり、DBサーバの集約においても有力な選択肢の一つとなりそうです。
事前定義ファイルの活用により初期設定の作業時間が約10分の1に短縮
森山:ブレードによる仮想化でサーバを大量導入する際に、最も頭を悩ませるのがサーバライフサイクル上での運用負担の増大です。BS500では「導入・設定」、「運用・管理」、「保守・メンテナンス」の3つのフェーズで、管理者の負担を軽減し快適に管理できるよう、さまざまな工夫を考えました。
まず、1つ目の「導入・設定」では「事前定義ファイル」を使って、お客さまのオフィスで装置の導入前にシャーシ設定の準備ができるようになっています。データセンターのサーバルーム内で、単調な初期設定を延々と行うようなことはなく、現場ではUSBメモリーを本体に挿入し、定義ファイルをコピーしていくだけ。シャーシ初期設定の作業時間が、BS320の場合より約10分の1にまで短縮する上に、人的ミスによるトラブルも削減できるようになりました。
さらに、USBで接続する「LCDタッチコンソール(オプション)」を利用できるため、別途ノートPCを持ち込まなくても、小型のタッチパネルから基本的な設定作業や確認作業などが行えます。
事前定義ファイルをオフィスで設定し、現場ではUSBメモリーからコピーするだけで設定作業は完了。便利なLCDタッチコンソール(オプション)も利用可能
岩上:SIerに「データセンターに欲しい設備」を尋ねた時に意外と多く挙げられるのが「作業場所」です。コンソールドロワーがあれば良いですが、そうでない時には「ラックが立ち並ぶ傍らの長机の上にラックサーバを置き、そこで作業をしてからラックへと挿入する」といった腰の痛くなる作業をせざるを得ません。作業場所が望まれるのはこうした作業を行うスペースを求めているという背景もあります。ですが、LCDタッチコンソールのようなものがあれば、コンソールドロワーがなくてもサーバをラックに挿入した状態である程度の作業を行うことができます。今後はこうした細かい作業の負荷軽減も重要なポイントになってきそうです。