Oracle高速化の切り札「DB高速化ソリューション for Oracle RAC on SSD」
DB高速化ソリューション for Oracle RAC on SSDは、一言で言えば「ハードウェアでOracle Databaseを高速化する」ためのソリューションだ。サーバとSSD搭載ストレージ、周辺機器類を、Oracle RACが最大のパフォーマンスを発揮できる構成にあらかじめセットアップした状態で提供する。
具体的には、Intel Xeonプロセッサと最大768Gバイトのメモリを搭載できるサーバ「BladeSymphony BS2000」2ブレード、SSDの搭載を前提にI/O処理能力を拡張した「Hitachi UnifiedStorage 130」(HUS130)2台、そしてブレードサーバにPCIeスロットを追加する日立製作所独自の「I/Oスロット拡張装置」によって構成されている(図1)。
図1:DB高速化ソリューション for Oracle RAC on SSD(ミッドレンジモデル)の構成図
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この製品の提供に当たって日立製作所が目指したのが、サーバとストレージをFCで接続する従来型DBシステムの構成はそのままに、SSDをデータベースでいかに効率よく利用するかという、これまでより一歩進んだ発想のDB高速化ソリューションの開発だった。開発当初は、PCIeスロットにフラッシュメモリカードを搭載する方式も検討したというが、フラッシュメモリカードは障害発生時に稼働中の交換ができない問題や共有ディスクとして利用できないという問題があるため、可用性を高めるためにSSDを用いたRAID 構成を採用した。
また当初は、SSDを採用しても期待したほどの性能を得られなかったため、すぐにI/O帯域を広げて対処。その上で、DBへのアクセスが全てのSSDに均等に配分されるよう、Oracle Databaseのストレージ管理機能「Oracle Automatic StorageManagement」(Oracle ASM)のストライピングも組み合わせて使っている。
こうしてハードウェアの最適な組み合わせとさまざまなチューニングを突き詰めていった結果、データ読み込み時には毎秒11GバイトものI/O処理を実現した。また、日立製作所が検証用に用意したI/Oの多いSQLでベンチマークテストを行ったところ、HDDを潤沢に搭載した1世代前のDBシステムと比較して、約8倍のI/Oスループットと約5分の1のレスポンスタイムを実現したという(図2)。さらに、同社が想定する6~7年前のDBシステムと比べれば、レスポンスタイムは約100分の1以下にまで短縮されている。
※検証結果は、日立製作所実算による。
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次に、DB高速化ソリューション for Oracle RAC on SSDの高速処理の鍵を握る2つのチューニング項目について、詳しく見てみよう。