Windows Server 2012 R2の登場は、「Hyper-Vを利用して仮想化基盤を構築したい」「オンプレミスのクラウド基盤に利用したい」というユーザーのニーズをガッチリつかんだようだ。サポート終了が迫る「Windows Server 2003の移行先」としての期待も大きい。 では、Windows Server 2012 R2を稼働させるプラットフォームは、どんな視点で評価し選定すべきだろうか。プリセールスエンジニアとして、HP ProLiant サーバーの提案や検証を日々行っている“サーバーの達人”、日本HPの及川信一郎氏に聞いた。
日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリセールス統括本部
サーバー技術本部 シニアソリューションアーキテクト
及川信一郎 氏
CPUのコア数、メモリ、I/Oに着目して…といった話は世の中でたくさん紹介されていますので、こちらでは「それは知らなかった」「そこまで気にしてなかった」と言ってもらえるようなTipsをご紹介していきたいと思います。
さて、Windows Server 2012 R2およびHyper-Vを使うためのサーバー選びの大前提は、サーバーベンダーが動作を保証していることです。数年前に導入した機種でも、ファームウェア/ドライバー類をアップデートすれば動作させることができます。ただし、数年前の機種と最新機種では性能が大きく違います。特にハードウェアによるアクセラレーション機能をどこまでサポートしているか、入念にチェックしてください。仮想サーバーの"集約率"に決定的な差が出ます。
Intel VTやAMD-VなどのCPU周りの機能はもちろんですが、少し先を見据えて、ソフトウェアからハードウェアに機能を移す仮想化の新しいテクノロジー「SR-IOV(Single Root I/O Virtualization)」にもご注目いただきたいと思います。Hyper-Vで集約したサーバーを柔軟に運用するにはネットワークI/Oの仮想化は不可欠ですが、この処理をハードウェア側にオフロードすればスループットを大幅に改善できます。ただし、SR-IOV対応NICを搭載してもドライバーやサーバーのBIOSがきちんと対応していないと使えないのでご注意ください。
HP ProLiantサーバーは、2014年1月時点で43ものモデルがWindows Server 2012 R2に対応しています。HP ではWindows Server 2012 R2 のリリース後すぐに、新OSに対応するドライバー/ファームウェアをセットにした、「Windows Server 2012 R2 Supplement for SPP」の提供を開始しました。HP ProLiant Gen8には、SR-IOV対応のNICもラインナップされ、ハードウェアによるアクセラレーション機能をフルサポートしています。