Windows Server 2008/R2のサポート終了が迫る今、ITインフラをどう生まれ変わらせるか

「Windows Server 2008/R2」の延長サポートが、2020年1月14日をもって終了する(EOS:End of Support)。ZDNet JapanとHPEでは、これに関連したユーザー意識調査を実施した。これによると、回答者の約9割がEOSを知っていると答えた一方で、「移行計画がない」「これから計画」の合計は4割近くになる。実際の現場はどのように考えているのか、ユーザーやシステムの専門家に集まっていただき、調査結果に関する覆面座談会を開催した。会の様子は、前編・後編に分け紹介していく。

参加者は金融、コンテンツ配信、SIerなど多岐にわたる6人の方々だ。座談会で出てきた「現場担当者」ならではのコメントを参考にしながら、ユーザーがこれから指向すべきITインフラの方向性を探っていきたい。

EOS対応の実際

 今回の調査結果によると、Windows Server 2008/R2が2020年1月14日にEOSを迎えることを知っていたのは、全体の88.8%と高い割合となった。社内のWindows Server 2008/R2搭載のサーバの保有台数については、「10~29%」がもっとも多く27.2%、以下「0~9%」(25.4%)、「30~59%」(15.9%)と続いた。「80~100%」が6.5%おり、「わからない」が16.6%存在した。

 移行計画についての質問では、「移行予定あり、これから計画」が27.0%、「移行計画あり(オンプレミス)」が22.1%、「分からない」が11.0%、「移行計画がない」が9.8%、「移行済み(オンプレミス)」が9.2%、「移行計画あり(クラウド)」が8.6%、「移行計画あり(予算確保済み)」が6.1%、「移行済み(クラウド)」が4.3%、「移行計画あり(ベンダー選定済み)」が1.8%となった。

 自由回答では、「仮想化延命で対応済」「Windows Server 2012へ移行する」「2012 R2をクラウド環境で運用中」「サーバは外部委託している」「移行済みだが、一部は2016ではなく2012に移行している」などの回答があった。そこでまずEOSに関して自由に発言していただいた。

A氏

 私は前職で10年間、クラウドサービスに従事していました。サーバOSの移行問題はよく聞きました。そもそも5年間で契約しているのに、ハードウェアは3年で交換しないといけないという問題はよく聞かれる話です。それに対して「仮想化」がひとつのキーワードとなっていました。つまり、オンプレミスのサーバにOSをインストールするのではなく、OSなどの移行を前提とした仮想基盤を作るわけです。ただ、アプリケーションの乗り換えには、リスクもあり移行コストも大きいので、「延命できないのか」「このまま保守なしで動かせるのではないか」といった声はよく聞きました。

B氏

 ハードウェアを刷新してもその後の管理はやはり負荷になるのでプライベートクラウド環境でも事業者に任せるケースがあるようですね。

C氏

 実際にOSのサポートが切れても別にいいという考え方は現場にはありますね。しかし、私の所属している会社は、母体が金融系なので、上からメテオフォール的に「更新しなさい」と来ると、一気に更新する方向になります。現場では、更新するなら、EOL(End Of Life)まで余裕のある「2016」にしたい。でも上層部から「まだ実績が少ない」と言われて、最終的に「2012」に落ち着く。

D氏

 私は前職が移動体通信系の企業で、オンプレミスの開発からクラウドの開発へと移りました。オンプレミスのときは、ハードウェアのEOSが来ると「とりあえず伸ばせないか検討せよ」とよく言われていました。もちろん、本当にダメになったらハードは交換しますが。ただ、クラウドではハードウェアの更新は非常に簡単ですからある程度リソースに余裕を持って作ってあれば、ハードウェアは簡単にEOS対応できると思います。

E氏

 私は教育がメインのグローバルコンサル会社におります。ほとんどコンテンツだけのビジネスなので、アプリはほとんど使いません。システムは全て本社にオンプレミスであったのですが、2年くらい前からほぼ全てクラウドに切り替えていて、ファイルやメールなどもGoogleと包括契約をしていたり、OS系はマイクロソフトと包括契約という状態にしています。

F氏

 私の会社はSIerですので、通信キャリアと仕事をしています。ハードウェアのEOSが来た場合は「延長してほしい」とはいわれますが、こちらは延長した場合も結局、ハードウェアの在庫を抱えてきちんと保守交換ができるようにしていました。

 サーバOSのサポートを、延長サポートも終了しても、そのまま利用し続けるというのは、珍しいケースではない。リスクが高まるのは承知しているが、投資のタイミングをハードウェアの更新に合わせていることが多いためだ。そこでサーバOSの脆弱性を運用側で補いつつセキュリティを担保したうえで、ハードウェアのリプレース時期まで乗り切るわけだ。しかし、いつまでもその状態を続けていくわけにもいかない。

 またEOSはサーバOSだけでなく、ハードウェアにもやがてやってくる。コスト面からすれば、ハードウェアでのEOS対応のほうが、ユーザーにとっては大きな問題なのかもしれない。そこでハードウェアについては、2~3年延命させサーバOSのみEOS対応する、あるいは、サーバOSもそのまま延命させるという策をとるケースが出てくるのだろう。

 問題は、目標としていたハードウェアのリプレースの時期がきた際、システムを全面刷新して大幅な仮想化を導入してしまうか、あくまでオンプレミス中心のインフラとするかが最大の焦点となる。具体的にはオンプレミスのインフラをプライベートクラウド化し、パブリッククラウドとミックスさせたハイブリットクラウドの環境へと移行するという考え方が出てくるだろう。

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