運用管理コストを10分の1に削減
実際、EVO:RAILによる災害対策サイトの運用を担当している事務部 システムグループ 宮地真之氏は、EVO:RAILの使い勝手について、次のように話す。
福岡ひびき信用金庫 事務部
システムグループ 宮地真之氏
「私のようにシステムの勉強をし始めたばかりでほとんど知識がない状態でも、抵抗なく使うことができました。画面のなかに必要な情報だけが表示され、何をしたいか何ができるかがわかりやすいのです。仮想マシンを作成することも数クリックでできますし、監視画面もCPUやメモリの使用量がどう変わっていいるのかひとめでわかります」(宮地氏)
こういった使い勝手の良さにくわえ、VMware vCenterを使って詳細に管理を行うための入り口も用意されている。「初心者にも簡単に使え、必要なときにはベテランが細かく調整できるところが大きなポイントです」と吉田氏。
また、EVO:RAILには、国内で数多くの仮想化基盤の設計と構築の実績を持つネットワンのノウハウも生かされている。従来の仮想化基盤のリファレンスアーキテクチャでは、設定値の検討や設定が欠かせず、検討から導入完了まで時間がかかり、また、高度な専門知識も必要だった。これに対し、EVO:RAILは、管理画面でウィザードに従ってホスト名、IPアドレス、パスワードなどの項目を入力するだけで、VMwareが推奨するベストプラクティス設定が自動的に反映される。たとえば、クラスタの自動構成、Virtual SANクラスタの自動構成、ネットワーク設定の自動構成などだ。こうした技術面のサポートをネットワンから受けることができる。
こうした事前検証の仕組みと、技術サポートにより運用負荷は大きく削減される。吉田氏は、導入の効果として最も大きいのはこの点だという。
「EVO:RAILを利用せずに、ブレードサーバを冗長化していくアプローチと比較すると、トータルコストは4割以上削減できる計算です。運用管理コストだけを比較すれば、2週間かかっていた導入が2日で済むなど、10分の1以上の効果がでています」(吉田氏)