「ベンダー」×「コンサルタント」によるVDI対談--XP移行を機にクライアント環境を再考せよ

スモールスタートでVDI導入のハードルを引き下げる


米田氏: こうした中で我々が考えたのは、簡単に使いはじめることができること。どれくらいの費用であれば使っていただけるのかを調査し目標とする提供価格を先に設定して仕様を検討したのが「ライト」プランです。1ユーザーあたり月額1,500円(100台3年契約の場合、オプションなどによって変化)に設定しています。

一山氏: なるほど、それなら試しに導入してみよう、との話にもなりますね。部分的にスタートして効果を見てから、台数を増やすかどうか決めればいい。

米田氏: 昨年10月からサービス提供開始したのですが、オンプレミスではなく、当社のクラウド環境で利用することに興味を持たれる方も多いですね。クラウドなので初期構築費用が少なくて済みます。


一山氏: XPのサポート終了を機にVDIの検討を開始した企業は多いと感じます。クライアント環境を見直すチャンスにしているIT部門も少なくありませんね。

米田氏: 確かにトリガーになっていると感じます。昨年、「クライアント管理の何に困っていますか」というアンケートを行ったのですが、やはり運用管理コストの削減やセキュリティー対策で困っている企業が多かった。それからモバイルワークやテレワークへの対応です。こうしたニーズにはVDIが非常に有効だという認識は高いようです。

トラブルに直面した自社導入、得られた経験

一山氏: NTTネオメイトでの自社導入について教えていただけますか。全社員6,000名のVDI環境を構築するうえではトラブルがつきものだったと思いますが。

米田氏: はい(笑) いろいろなトラブルを経験していますので、そのノウハウをサービスとして提供できることがわれわれの強みだと思っています。VDIを導入したのは2011年です。じつは、それ以前にも、ブレードサーバ方式やSBC(サーバベースコンピューティング)方式のシンクライアントを一部で導入していましたが、2012年からNTTネオメイトの全従業員6,000名に対象を拡大するにあたり、VDIを採用したのです。きっかけは、セキュリティー対策に加え、事業継続性の確保、ワークスタイルの変革、コスト削減などを行うためでした。

一山氏: 物理サーバーをユーザーに割り当てるシンクライアントに比べると、VDIはサーバーが仮想化されているので、柔軟性が高く、スケールしやすい。それから、モバイル環境にも対応しやすくなりますね。

米田氏: 仰るとおりです。もっともVDIにもいくつか種類があります。われわれは、カスタマイズ型と統制型という言い方をしていますが、当初はユーザーにこれまで利用してきたPCのように、ある程度自由に設定変更ができるカスタマイズ型を選択して構築を開始しました。それで苦労したことが、結果的に功を奏したのかと思います。

一山氏: どういうことですか。

米田氏: カスタマイズ型で発生した問題は、大きく3つあって、接続性、品質、運用負荷でした。要するに、つながらない、遅い、展開に時間がかかるという深刻なものだったのです。

一山氏: アクセスが集中して障害が起こる、いわゆるストームに見舞われたわけですね。

トラブル対応をもとに大規模運用ノウハウに

米田氏: はい。カスタマイズ型を選択するうえで収容するユーザー数や負荷について余裕を持った設計を行っていたのですが、実際運用を開始すると特定のソフトにより想定以上の負荷がかかり業務に支障がでるほど不安定な状態が発生しました。VDIの収容数が拡大するにつれて問題も大きくなっていったのです。カスタマイズ型というのは、仮想マシンのOS以上を管理する権限をユーザーに与えてるものです。ユーザーはアプリケーションを自由にインストールしたりできる。一方、統制型というのは、OS以上の管理をユーザーが変更できないようにするものです。ユーザーの操作は限られます。

一山氏: カスタマイズ型では、利便性が向上するが運用がやや難しい。一方、統制型では、利便性はやや損なわれるが運用面やコスト面で有利になる。問題を解決するために、カスタマイズ型から統制型に変えたのですね。それは、導入するVDI製品を変えたということですね。

米田氏: それに加えて、提供方式やウイルス対策の方式も工夫しました。カスタマイズ型では、OSのフルクローンを作成して展開していましたが、それをマスターOSの差分のみを配信するComposer方式に変えました。ユーザーがログオフするたびにマスターOSと同期するので負荷がそれほどかからない。

 また、ウイルス対策でも、個々の仮想マシンごとにウイルススキャンを行うのではなく、ハイパーバイザーと連携してウイルススキャンを専用の仮想アプライアンスでまとめて実行できる方式に変えました。これらにより、当初の問題が解消し、スムーズな大規模展開が可能になったのです。

ワークスタイル変革を視野に入れよ

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