「ベンダー」×「コンサルタント」によるVDI対談--XP移行を機にクライアント環境を再考せよ

ワークスタイル変革を視野に入れよ


一山氏: 大規模な展開のためには、チューニングにもコツがいります。その辺りは具体的にどうしているのですか。

米田氏: チューニングについてわかりやすいところでは、仮想デスクトップ環境で利用するWindows OSの最適化があります。たとえば、Windows Searchの利用や壁紙の変更などをできないように設定しておきます。そのほか、ビットマップサイズを最小にしたり、スクリーンセーバの設定変更を不可にしたり。それらの積み重ねで、余計なトラヒックを軽減し、メンテナンス性を上げます。

一山氏: ずいぶん細かいところまで行いますね。サイジングや運用面ではどうでしょうか。


米田氏: サイジングでは、設計思想やパラメータをパッケージ化し、短納期、低コストでの導入できるようにすることがポイントです。それから運用面ではシステム監視がポイントです。単に状態を監視するだけでなく、サービスやパフォーマンスを監視していきます。自社導入でエンジニアも経験値を上げましたね。仮想化やネットワークの資格取得者も多いので、クラウド環境のなかで、顧客のシステムを高いレベルで運用できることは当社のサービスのウリの1つです。

米田氏: ところで、実際にVDIを提案するうえではROIをどう示すかがカギだと思っています。コンサルティングの立場からはどうお考えですか。

一山氏: ハードウェアやライセンスといった構築費用だけでなく、運用管理にどれだけ効果があるかを示すことがポイントですね。たとえば、パッチの適用、アプリケーションの追加、OSの再インストールまで含めて、人件費がどのくらいかかるか、を算出していきます。それから、情報漏洩が起こった場合の被害額を金額として示したり、システムのダウンタイムや災害で社員が出社できないことで被る損害を示したりします。

米田氏: 人の入れ替えが多かったり、拠点が多かったりする会社では効果が高いですよね。

一山氏: そうですね。PCの配備だけでなく、アカウント管理の削除や登録などはかなり手間ですからね。VDIは、PCの管理とあわせてアカウント管理や労務管理などを一括して管理できることが大きなメリットです。なかなか見えないところですが、効果は高い。

米田氏: グループ内の人事異動にともなって発生するPC設定の時間を計測したのですが、以前は新部署での業務開始までメールアカウントの設定や、業務に必要なアプリケーションの追加等5時間程かかっていたところ、VDI導入後はそれが40分に短縮できました。1日近くかかっていたPC設定が着任後1時間以内に新たな業務が開始できることは大きなことだと思います。普段の業務についても、移動中にモバイルで仕事を続けたり、いざとなれば在宅勤務に切り替えたりと、VDIは、働き方を変える基盤にもなっています。

一山氏: その通りですね。ワークスタイル変革というと、大げさに聞こえるかもしれませんが「新しい働き方ができますよ」と言うと、経営者に響くことは多いです。普段PCで管理している数字をタブレットから利用できるとわかっただけで「面白い」と採用が決まることもあります。経営者が率先して使うことでワークスタイルを変える推進力になると考えます。ところで、ワークスタイル変革という点では、VDIは、今後どう展開されていくとお考えですか。

米田氏: 大きく3つの取組みが柱になると思っています。1つは、セキュリティーの強化。仮想デスクトップをもとに、情報漏洩対策や生産性向上をはかっていくことになります。2つめはマルチデバイスへの対応。マルチデバイスからリモートアクセスできるようにするとともに、BYODなどへの対応を進めます。最後はユニファイドコミュニケーションです。ボイスやビデオとデスクトップを融合したり、デバイスごとに最適なUIを採用したりといった取り組みになります。

一山氏: 運用管理というと、コスト削減に目が行きがちですが、そうした「攻めの投資」という視点は大切ですね。

米田氏: はい。OSのサポート切れは今後も定期的にやってきます。それに対して後手で対応するのではなく、先手を打っていきたいと思います。

両氏: 本日は、ありがとうございました。

<インフォメーション>

 仮想デスクトップ(VDI)サービスは、XPサポート終了への対応だけでなく、それを機としたクライアント環境の再構築に高い効果が見込めるソリューションだ。スモールスタートして、ワークスタイル変革を推進していくことで、企業そのものの変革につながる可能性もある。

 今回の対談に登場したNTTネオメイトの「AQStage 仮想デスクトップ」は、クラウド型を採用し、拡張性、柔軟性、信頼性を特長とするVDIサービスだ。拡張性という点では、すでに利用しているメール、グループウェアといったシステムを継続して利用でき、ほかのクラウドサービスなどともシステム連携ができる。ファイルサーバーや無線アクセスポイントといった豊富なオプションも利用可能だ。

 また、柔軟性の点では、パソコンやシンクライアント端末、タブレット端末といったさまざまなデバイスから利用できる。NTTの閉域網を使うことで、インターネット回線やモバイル回線をセキュアに利用することもできる。信頼性という点では、高品質で高い信頼性を持つフレッツ光の通信回線で接続することがある。既存環境からのデータ移行や運用時にしっかりとしたサポートが利用できることもメリットだ。

 AQStage 仮想デスクトップを利用することで、クライアント管理負荷の軽減、安全性やコストの削減、事業継続性の確保、さらにはワークライフバランスの改善といった効果が期待できるはずだ。

仮想化のメリット 仮想化のメリット
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 詳細はNTTネオメイトのウェブサイトで確認していただきたい。

インフォメーション
提供:株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2014年6月30日
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