新たな運用スタイルに移行する覚悟を持つ
もっとも、OpenStackの活用には乗り越えるべきハードルもいくつかあると井口氏は言う。なかでも困難なのは、インフラ運用管理のスタイル/カルチャーを変えることであると同氏は指摘する。
「OpenStackは技術的にそれほど難しい仕組みではありません。ただ、OpenStackの導入は、"Infrastructure as Code"や"ブルーグリーンデプロイメント"の採用など、インフラ運用管理のこれまでのやり方・カルチャーをガラリと変容させることを意味します。運用管理の現場にとって、これは簡単に受け入れられるものではありませんが、OpenStackの良さを最大限引き出すには、これまでのスタイル/カルチャーを変える勇気と気概を持つことが重要です」
フリービットでは今後、現状のOpenStack環境にサーバやストレージをさらに追加し、OpenStack上のリソースが柔軟に拡張できるかどうかを検証していくという。
Red Hat OpenStack Platformの採用で、サービス開発のスピードアップを支えるインフラと運用管理スタイルを手に入れたフリービット。これからもレッドハットのサポートを後ろ盾にしながら、OpenStackの拡張を推し進め、サービスの俊敏性向上につなげていく構えだ。
今回は初回ということで、導入に至った背景や効果についてお届けした。
2016年10月5日(水)に開催されるRed Hat Forum 2016では、フリービットの井口氏とレッドハットの内藤氏によるOpenStackのセッションがあり直接、両氏から導入に関する話を聞くことができるという。
次回以降は、導入時や運用における苦労話や、より詳細の検討内容他、OpenStackユーザーの生の声をお届けする。