オープンソースのカルチャーやプロセスが、イノベーションの鍵を握る――「RED HAT FORUM TOKYO 2017」レポート

レッドハットは10月20日、都内で「RED HAT FORUM TOKYO 2017」を開催した。今回のテーマは「THE IMPACT OF THE INDIVIDUAL - オープンな対話と変化が導く、真イノベーション -」。ジェネラルセッション・特別講演にはじまり、「OpenStack/クラウド」「アプリケーションプラットフォーム」「コンテナ/DevOps」「オートメーション/マネジメント」の4カテゴリおよび特定業界向けなど多数のセッションが設けられた。本稿では、米国レッドハットのジム・ホワイトハーストCEOらによるジェネラルセッションと、特別講演の様子をダイジェストで紹介する。

大手ブランドをも飲み込む市場破壊の潮流
テクノロジーだけでなくカルチャーやプロセスが重要


レッドハット代表取締役社長
望月弘一氏

 ジェネラルセッションの冒頭、挨拶に立ったレッドハット代表取締役社長の望月弘一氏は、「レッドハットは常々、コミュニティとユーザー、パートナーをつなぐ橋渡しになりたいと考えており、今回のテーマに“オープンな対話”を含めたのもその意図からです」と説明。また近年、同社のソリューションの幅が大きく広がっており、同社が取り組む方向性も、これまでの「オープンソースによるデジタルトランスフォーメーション」から、2018年度は「お客様のビジネスイノベーションへの貢献」へと発展していくことなどを紹介した。

 続いて登壇した米国レッドハット社長兼CEOのジム・ホワイトハースト氏は、「今やテクノロジーはIT部門にのみ存在するものではない、あらゆるものに含まれる。テクノロジーこそが力なのです」と語り、テクノロジーを生かして組織のあり方を変えていくことの重要性を説明した。


米国レッドハット社長兼CEO
ジム・ホワイトハースト氏

 デジタル技術は近年、様々な業界で破壊的な革新をもたらしており、大手ブランドさえもデジタルディスラプションにより崩壊しかねない現状がある。氏は、「ディスラプターとなるようなデジタルリーダー企業の中では、一つのイノベーションが次のイノベーションにつながるというサイクルが加速しています。その結果、かれらの動きは非常に速く、例えばデプロイメントの頻度でみると業績の高い企業では業績の低い企業の200倍にもなります」と説明。その一方で、イノベーションの速度は、単にテクノロジーだけで実現するものではなく、カルチャーとプロセスも必要だと訴えた。このカルチャーとプロセスには、「協業」「透明性」といったオープンソースの考え方が大いに参考になり、「例えばクラウドもモバイルも、オープンソースなくしては存在しません。それらのイノベーションは、コミュニティに参加する様々な人たちが努力してこそ実現したのです」と語った。

 こうしたカルチャーやプロセスは、レッドハット自身のアプローチからも見てとれる。同社は数々のコミュニティに参加、あるいは創設しては育成し、それらを安定化させサポートを付け加える形で、様々な技術を商用化させてきた。「オープンソースのDNAを持っている当社は、ある意味でユニークな存在と言えるでしょう。パートナー、コミュニティ、そしてお客様と協力して、テクノロジーの未来を構築していく“Red Hat Way”を、我々は今後も推進していきます」と抱負を語った。

NTTデータは既存IT領域とデジタル領域に関連する
3つの取り組みを推進


NTTデータ
技術革新統括本部 システム技術本部 本部長
冨安寛氏

 続いて登壇したのは、NTTデータ 技術革新統括本部 システム技術本部 本部長の冨安寛氏。NTTデータでは既存IT資産のデジタル化推進に向けてレッドハットおよびDell EMCとの協業を開始した。この取り組みを通じて、一般企業に向けた基盤の提供を開始するとしている。

 「デジタル化の進展に伴ってITが面白くなってきています。1990年頃のワクワク感が再び来ているような感じです。しかし一方、多くの企業はシステム資産の中で従来型のものが相当な割合を占めているため、それを『攻めのIT』と連携できるよう刷新させていかねばなりません」(冨安氏)

 現状、NTTデータが関わるシステム開発案件では、97%が従来型技術によるものだという。クラウドを使うものは2016年の実績でわずか3%だったとはいえ、内訳をみると流れが大きく変わろうとしていることが分かる。例えば、従来型技術の集大成のように思われがちな金融分野では、クラウドサービスの受注額が2015年に対し2016年は7倍にもなった。また、案件全体の中でAmazon Web Servicesを利用する件数も、2014年からの年平均成長率160%という伸びを示しているという。

 「デジタル領域の激しい変化は既存のIT資産にも様々な変革を要求してきますが、そこに既存IT資産は追随できていないのが現状。そこでこのトラディショナルな領域も変革させ、デジタル領域の新規ビジネス創出に役立てられるよう融合させていく必要があります。もちろん、既存ITに求められる生産性向上もさらに進めることが求められます」と冨安氏は説明。同社では、(1)既存IT領域の生産性向上、(2)既存ITとデジタルの融合、(3)デジタル領域における新規ビジネス創出の3つに取り組んでいると紹介した。

 このうち(1)については、開発自動化ツールの適用を進め、適用範囲をシステムライフサイクル全体へと拡大することで、ウォーターフォール型のまま生産性を25%以上改善することを目指している。さらにNTTデータでは、グループ全社の開発環境をクラウドに集約させ、自社ベストプラクティスに基づくシステム構成スタックをテンプレートとして標準化/カタログ化し、基盤の自動構築やアプリケーション開発・リリースの自動化を図った。その基盤として、コストや実績、自社プロジェクト要件などの条件から採用されたのが、「Red Hat OpenStack Platform」だ。プラットフォーム化により、一気通貫での生産性向上を実現でき、プロジェクトによっては設備コスト半減、基盤構築期間1/3といった効果が得られている。

 「NTTデータグループが取り組むシステムには、社会インフラや、大規模・高難度システム、業界横断型や特化型など、既存IT資産を多く有する環境が少なくありません。そういったシステムに、レッドハットやDell EMCと協業してデジタルとの密連携を実現していきたいと考えています」(冨安氏)

提供:レッドハット株式会社
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