たんなるオンプレミスERPのクラウド化ではない、SAP S/4HANA Cloudは企業が変革する“きっかけ”

SAP S/4HANA Cloudで企業は本来やるべきことに集中できるようになる

 アイ・ピー・エスでは、専業ベンダーとして、全てとは言えないまでも、SAPが新たに出すサービスの多くを日本国内に、いち早く提案してきた自負がある。また、一部サービスにおいては導入支援だけでなく自社でも採用しており、運用のノウハウも持っている。SAP S/4HANA Cloudが発表された際には「SAPがパブリッククラウドのサービスを出すならば、これはいち早く採用し経験すべきと判断しました」と久下氏。自分たちで体験すれば、顧客にも安心して提案できるからだ。

 アイ・ピー・エスではSAP S/4HANA Cloudの提供が日本で決まってからすぐに導入検討を開始、2017年7月には最終的な契約を完了し、7月からの約3ヶ月で初期導入を終了する。そこからは、以降のバージョンアップなども確認しながら検証と調整を行い、2018年1月から本格的に利用を開始した。

 当初はSAP S/4HANA Cloudの情報が、まだあまり揃っていなかった。そのため、SAPの独本社と直接コミュニケーションが取れるパスを構築してもらう。ここでのやりとりに時間がかかったことを除けば「SAP S/4HANA Cloudは、圧倒的な速さで導入できました」と久下氏は言う。

 一方でアイ・ピー・エスがもっとも苦労したのが、今までの仕組みでやっていたことをどこまで諦めるかの判断だった。アイ・ピー・エスでは会社規模が小さかったこともあり、SAP ERPの会計システムではなく国産会計システムをベースに必要な機能を周辺で構築し利用していたのだ。

 「SAP S/4HANA Cloudの導入が終わってから改めて気付いたのですが、現場で行っている業務のやり方に正義を求めてはだめだと言うことです。たとえば今まではこう作業をしていたからではなく、本来四半期決算を早くするとはどういうことかから考えます。SAP S/4HANA Cloudの活用では、改めてこれらを考え直すことになります」(久下氏)

アイ・ピー・エス 執行役員 事業開発部 部長 兼 営業本部 副本部長 赤松 洋
アイ・ピー・エス 執行役員 事業開発部 部長 兼 営業本部 副本部長 赤松洋氏

 今回のSAP S/4HANA Cloudの導入に併せ、アイ・ピー・エスでは多くのビジネスプロセスを変えることとなる。それにより「プロセスはシンプル化し、会計処理で本来やらなければならないことに集中できるようになりました」と赤松氏。このシンプル化の実現で、感覚的には導入前と比べ会計処理にかかっていた時間の2割から3割は他の業務に割けるようになったと言う。

 アイ・ピー・エスでは、次のステップでSAP Analytics Cloudの導入も行う。これはSAP S/4HANA Cloudを入れたからこそ効果を発揮するものだ。

 「日常的に30社ほどのSAP環境のサポートを行っています。プロジェクトごとの収益などを把握するだけでなく、リアルタイムに何が起こっているのか、今後どうなるかを予測したい。それがSAP S/4HANA CloudとSAP Analytics Cloudで可能となります」(久下氏)

 基幹システムからデータを集めBIで分析しビジネスの判断を速くする。これは現在のビジネスにおいて、企業が成功するために必要な要素だ。現状は、人がこの業務に介在せざるをえない。しかしSAP S/4HANA CloudとSAP Analytics Cloudを組み合わせれば、10年後にはこれもほとんど自動化するかもしれない。それを予感させるのが、SAP S/4HANA Cloudだと久下氏は指摘する。

 またSAP S/4HANA Cloudの導入で、AIやRPAなどの新たな取り組みもやりやすくなる。人に依存してきた作業を無理矢理RPAで自動化するのではなく、シンプル化したことで情報の動きも把握しやすく、どのプロセスを自動化すると業務サイクルが速くなるかと言った観点でRPAに取り組めるのだ。さらにSAP S/4HANA CloudにはAPIなど、外部システムとの連携の仕組みも揃っており、それもRPAなどの導入を容易にする。

SAP S/4HANA Cloudは顧客はもちろんITベンダーのありようも変えるもの

提供:SAPジャパン株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2018年8月31日
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