クラウドプラットフォームでAppExchangeアプリを利用する相乗効果
従来からクラウド型ビジネスアプリケーションには数多くのメリットがあると言われてきたが、このようなアプリを共通のクラウドプラットフォーム上で利用することで、さらなる相乗効果が期待できるという。
セールスフォース・ドットコムの伊藤哲志氏(マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアマネージャー)が続ける。
伊藤 哲志氏
セールスフォース・ドットコム
マーケティング本部
プロダクトマーケティング
シニアマネージャー
「まずは、クラウドプラットフォーム自体が進化するということです。従来のシステムでは必要だったサーバーやネットワークの増強や、OS・ミドルウェアのアップデートやメンテナンス、そして一番の課題となるセキュリティ強化などは、すべて私どもが手掛け、更に年3回の機能強化のためのバージョンアップを行っています。お客様企業は、どのアプリを使っていても、その恩恵を受けることができますし、それをほとんど意識する必要がありません。開発パートナーにとっても、インフラのメンテナンスやアップデートに煩わされることなく、お客様に提供する部分に集中できるというメリットがあります。
それから、アプリ自体も強固なセキュリティ品質で提供することができます。Salesforceアプリだけでなく、パートナー企業が提供するAppExchangeアプリも、Force.comという共通のプラットフォーム上で提供されることで同等の品質を持つことができます。例えば、パスワード管理やクレジットカードのような重要な情報を扱う場合、そのために必要なコンポーネントをプラットフォーム上で提供するので、パートナーはそれを使うだけで安全性の高いアプリを開発することができます。AppExchangeには、セールスフォースが認めた品質のアプリしか並ばないようになっているので、お客様も安心してアプリを利用できるのです。
さらに、プラットフォームだけでなく、アプリも機能向上していきます。従来のパッケージアプリケーションのように数年に一度大きく機能が強化されるのではなく、エンドユーザーに負担をかけることなく少しずつ継続的に機能向上を進めています。クラウド上に、ビジネスデータもいっしょに蓄積されていくので、それも無駄になりません。何より、クラウドアプリケーションのおかげで、あるお客様の要望を実現すれば、それがその他すべてのお客様に提供可能になります。
先ほどの陣屋コネクトの例で言えば、音声認識サービスと連携を可能にしたことで、スタッフがインカムを通じて報告した内容を自動的にテキスト化し、システム上に取り込むといったオプションが追加されたそうです」(伊藤氏)