共通プラットフォーム上でデータを掛け合わせて見える化する
「共通のクラウドプラットフォーム上のアプリを利用するメリットは、他にもあります。特に、複数のアプリが連携していくことで効果を発揮します」と、伊藤氏は語る。
「例えば、最初に営業部門がCRMを利用して、それからサービス部門やコールセンターなどが利用を始めるというように、利用範囲を容易に広げていくことができます。商談がクローズしたら、それをサービス部門が引き継いで、サービスの提供や請求書の発行を行い、さらに管理部門が入金を確認して消し込んでいくというような一連の業務の流れに対応していくことができるのです。その時、共通のプラットフォーム上でアプリが動いているので、同じ情報を何度も入力する必要はありません。
そして、複数のアプリを利用することで、もっとも効果を発揮するのが、レポートやグラフ機能です。アプリ間に壁がないので、いろいろなデータを掛け算して見える化できます。たとえば、勤怠管理がセールスフォース上にあれば、営業スタッフの売り上げのデータを残業時間順に並べることもできますし、人材採用管理アプリを利用していれば、採用時の評価と実績データを掛け合わせるといった活用も可能になります。
共通のクラウドプラットフォーム上のAppExchangeアプリを利用して、データを相互に利用することで大きな相乗効果が生まれてくるのです」(伊藤氏)
クラウド型ビジネスアプリケーションは、お客様が使い続けることで進化を続ける
これまで大きなIT投資をした場合、原価償却が終わってしまえば、システムは資産として価値がないものと判断されてしまっていた。変化がさほどない業務なので、原価償却が終わった後も使い続ければTCOを抑えることができると考える経営陣もいるかもしれないが、本質的な変化への対応を遅らせることになりかねない。
クラウド上で作りこんだ業務アプリケーションの場合も、クラウド上にあるにも関わらずレガシー化していくといった事態も、今後増えていく可能性はないのだろうか。

「Salesforceに関して言えば、それは起こりにくいと思います。なぜなら、お客様やパートナーの負担にならないようなペースで、アプリもプラットフォームも継続的に進化させていくからです。データなども継続して蓄積されて、それを活用し続けることができます。新しいUIやコンポーネントを提供する場合も、数年にわたる移行期間を設けて、お客様にとって最適なタイミングで利用していただくようにしています。
何より、お客様のサービス利用に応じて利用料をいただくサブスクリプションモデルを採用していますから、お客様に使い続けて頂くことは、当社のビジネスにとって大きな意義があります。利用料を払い続けて頂くには、それに見合った価値を継続して受けとらなければ納得できないでしょう」(北原氏)
つまり、クラウド型ビジネスアプリケーションは、お客様が使い続けることで進化を続けていくのだ。
熱意をもってビジネスを革新する人に注目したい
「企業ITに限らず、ビジネスの革新をもたらすには、ビジョンと熱意をもって活動する個人が重要かつ不可欠です。お客様の成功を支えてきたのは、Salesforceをより効率的に活用すべく、現場で日々奮闘してきた方々の努力に他なりません。経営者や管理職だけでなく、影の立役者と呼べる人たちもいるでしょう。セールスフォースでは、このようなキーマンに注目し、応援していきたいと考えています」(北原氏)
セールスフォースでは、このような人たちを"Trailblazer"(トレイルブレイザー)と呼んいるそうだ。先駆者とか草分けという意味で、荒野に切り開いた道に明かりを付けるといったイメージである。ちょっとITベンダーとしては珍しいかもしれないが、親しみやすいキャラクターを用意してキャンペーンを進めている。
あなたも、"Trailblazer"(トレイルブレイザー)として、自社のビジネスの中で熱意をもって革新を起こそうとしているなら、新たな発想でクラウド型ビジネスアプリケーションの活用を検討してみては如何だろうか。その時、SalesforceとAppExchangeが、大きな手助けになるだろう。
