*BRMS(Business Rule Management Systemsビジネス・ルール管理システム):ルール設定・変更・操作、管理を包括的に提供することにより、企業の業務プロセスを効率化するシステム
BRMS の利用実態とビジネスに利用する上での要求条件を欧州の全地域で調査したこの調査では 、BRMSへのニーズがますます拡大していると強調されました。IDC の役員として欧州地域におけるサービス志向アーキテクチャおよびアプリケーション・プラットフォームを担当するロブ・ヘイルストン (Rob Hailstone) 氏は「アプリケーションやプロセス内で意思決定を自動化したいという要求が非常に高まっています。その動機としては、新しい法規制への遵守、業務プロセス内で発生する各種エラーの削減、それにポリシー変更の実施にかかる時間の短縮などが挙げられます」と記載しています。調査では回答企業の 76 パーセントでビジネス・プロセスの効率性の向上が重要課題になっていることが明らかになりました。同氏はこの潮流を指摘して「プロセス自動化に依存する結果として、ビジネス・ルールの分析、作成および実装を管理することへのニーズがますます高まることになるでしょう」と語りました。
従来より、IT 部門にとってはコスト削減、エラー予防とエラー検出、ポリシーやプロセス変更の実装に要する時間をいかに短縮できるか、などが大きな課題となっていました。これらの課題にビジネス・ルール管理ソリューションがどのくらい役に立つのかという質問に対して、回答者たちは BRMS が効率向上と自動化推進に実際に威力を発揮していると明確に指摘しました。この点については、IDC が2004年に公表した別の 2 つの調査でも強調されていましたが、IT 部門の目標が個々のアクティビティを個別に最適化することから、エンドツーエンドでステップが複数存在するプロセスの効率と効果を向上させることへ切り替わったことを示しています。IDC はこれが今後数年は続くものと予想しています。
この調査で明らかになったもう 1 つの点は、企業がビジネス・ルールを実装するにあたって、従来、ビジネス・ルールをソフトウェア・パッケージに埋め込む方法、データベースに埋め込む方法、レガシー・アプリケーションに埋め込む方法の 3 種類が上位に位置することでした。しかしヘイルストン氏はこれに対して、「ルールがアプリケーション内にコードとして書き込まれている場合、ルールの適用には膨大な手間や時間的遅れ、また矛盾発生の危険がつきまとうため、企業にとっての潜在的な脅威となりかねません」と述べています。ここに、ポリシーの管理や保守がアプリケーションから分離されることで柔軟性が得られる市販の BRMS ソリューションの大きな可能性が示されます。
またこの調査では、ビジネス・ポリシーの頻繁な変更を可能にする BRMS ソリューションへのニーズが高まっていることも明らかになりました。BRMSソリューションを未導入と答えた半数以上の回答者は、ポリシー変更の実施がより簡単か安価、またはその両方であれば、ポリシー変更を今まで以上の頻度で実施するだろうと答えました。
ヘイルストン氏は次のように結論付けています。「企業内では速やかに、かつコスト効率高く、しかも統制能力や整合性を失うことなく変化に対応していく必要性が明らかに広く認識されつつあります。それゆえ当社は、ここ数年のうちにビジネス・ルール管理システムの導入事例が増加することを、自信を持って予測できます。まさに、企業は BRMS ソリューションを導入しなかった場合の潜在的な発生コストについて考慮すべきです。管理しなければならないポリシー変更の件数や、現行の手段で管理する場合のコスト、それにポリシー変更の実施の遅れが招くビジネス上のコストについて現実的に受け止めなければなりません」
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