国際糖尿病連合、糖尿病の爆発的広がりについて教育の拡充を要求

JCN株式会社

2009-10-21 10:38

2.85億人の糖尿病患者のニーズに対応するため、全世界で糖尿病教育が必要。
Montreal, Quebec, Oct 21, 2009 - (JCN Newswire) - 国際糖尿病連合の最新データによれば、世界で2.85億人の糖尿病患者がおり、2030年には4.35億人にまで爆発的に増えるだろうということが判明しました。(i) この驚くべき数字は、糖尿病が個人に与える打撃を反映したものではありません。他の病気と違い、糖尿病患者は自分の治療の95%に責任を持ちますが、多くの患者はそのために必要なスキルや知識を持たずに行っています。IDFは、グローバル教育プログラムを通じ、世界各国の糖尿病教育実施者の数を増やし、ヘルスケア専門家に最新の糖尿病管理の原則について研修を行い、糖尿病衣料に不可欠な糖尿病教育の質を向上させます。

毎年400万人が糖尿病で亡くなっています。また、糖尿病は、失明・腎不全・心臓発作・脳梗塞・手足切断などの主な原因となっています。(ii) 糖尿病は、患者や家族の一生の負担となります。患者や家族は、糖尿病管理に関する決断を毎日の何度もしなければなりません。糖尿病の課題に対応するには、糖尿病教育を受けられる機会を設けることが不可欠です。各国政府は、糖尿病に特化した教育を全医療関係者と糖尿病患者が受けられるように図るためだけでなく、医療関係者と患者が日々の糖尿病管理にどう知識を活かすかの教育の浸透にも、投資しなければなりません。

「何百万人もの人々が、適切な教育なしで複雑な医学的判断を毎日行っています。多くの場合、教育はまったく行われていません。」と、IDF糖尿病教育相談部門(DECS)担当上級副理事Marg McGillは述べました。「健康で長生きするために、糖尿病患者は正しい栄養の理解と継続、運動、急性および慢性合併症のリスクの軽減、慢性疾患の負担の中で気持ちを明るく保つ方法、自分の糖尿病の状況把握、問題解決、自分の薬をきちんと服用していくことなどについて、適切なスキルを持っている必要があります。」

(i)IDF糖尿病アトラス、国際糖尿病連合、2009年。 www.diabetesatlas.org
(ii)IDF糖尿病アトラス、国際糖尿病連合、2009年。 www.diabetesatlas.org

糖尿病教育は特に、世界の糖尿病患者の70%を占めている発展途上国で不足しています。ほとんどの糖尿病患者が、さまざまな理由で糖尿病教育を受けられません。その理由とはたとえば、費用がかかる、距離が遠すぎる、適切なサービスがない、サービスがあっても知らない、そしておそらく糖尿病教育により得られるメリットについて知らされていない、などといったことです。知識を得られず適切な管理ができなければ、下肢切断・失明・脳梗塞・腎臓病・心臓病などの糖尿病合併症を起こしやすくなり、患者・家族・地域共同体への経済負担が増大します。

IDFグローバル教育プログラム

IDFは、医療関係者・専門機関・関係協会などが質の高い糖尿病教育や医療を提供するお手伝いをすることによって、糖尿病患者QOL (生活の質)を高める努力をしています。IDFの教育フレームワークでは、各地区での糖尿病教育の発展を進めるために、評価の高いIDF教育センターのネットワーク確立に力を入れるなど、多方面で変化のための活動に取り組んでいます。国際標準や多言語カリキュラムの開発・普及、地域の組織・団体を通じた教育の提供、医療関係者向け学際的ワークショップの実施、教材の提供、ロビー活動、エビデンスの公開( (リンク ») )などを通じて、IDFは、糖尿病教育促進を積極的に行っています。

糖尿病教育の提供は、複数の専門分野にまたがるチームで実施するのが最善です。糖尿病教育実施者の役割は、糖尿病治療チームに欠かせないほど大切です。教育実施者は、糖尿病患者が糖尿病関連の健康状態について、自分のできる範囲で最善の管理をできるようにします。それにより、糖尿病患者は、教育で学んだ判断方法に従って、毎日の判断や活動をするようになります。

IDFは、医療関係者と糖尿病患者向けの教育プログラムの開発と改善継続のガイドとなるような、証拠に基づいた資料を提供するため、モントリオールの第20回世界糖尿病会議で、ふたつの主な冊子を発表しました。

IDF糖尿病教育国際標準、第3版

IDF糖尿病教育国際標準の最新版は、糖尿病患者向けの自己管理教育開発のための総合的なエビデンスベースのガイドです。糖尿病教育実施者、組織ごとの意思決定者、政策アドバイザーなど向けに、自己管理教育プログラムを開発したり、教育をサービス提供モデルや国による糖尿病プログラムの形にしたりといった前向きの行動を起こすための、標準を参照できるようなつくりになっています。この冊子は、糖尿病自己管理教育に参加している人や、参加したい人向けの、優れた資料です。

「糖尿病自己管理教育や実施中の自己管理サポートは、効果的な糖尿病治療のために欠かせない要素であり、メタボリック面や心理面での結果に大きく貢献します。これらの標準は、糖尿病患者や糖尿病危険度の高い人それぞれの受ける教育やサポートが、必ず最高レベルのものとなるようにするための基準を提供します。」と、IDF DECSの標準改訂委員で議長のMartha Funnellは述べました。

IDF国際糖尿病医療関係者教育カリキュラム、第2版

IDF国際糖尿病医療関係者教育カリキュラムは、エビデンスベースの医療関係者向け総合教育を促進し、教育プログラムの標準化を図るために、作成されました。臨床管理、教育、行動変容理論、テクニックなどの内容を取り上げており、冊子、スライドモジュール、マスタークラスビデオの形で入手できます。 (リンク »)

「高品質な糖尿病教育の提供はIDFの理念であり、医療関係者はしっかりと臨床的理解をしていなければなりません。」と、カリキュラム編集員でIDF DECSメンバーのAnne Beltonは述べました。

世界糖尿病デー

IDFは世界における教育の偏りに対応するため、今後5年間(2009~2013年)の世界糖尿病デー・キャンペーンのテーマを「糖尿病の教育・予防」としました。世界糖尿病デーは、IDFの主導するキャンペーンです。世界糖尿病デーは毎年11月14日に行われ、国連の正式な国際デーとなっています。IDFは、このキャンペーンで認識が高まることで、全世界の医療制度に系統だった糖尿病教育提供の必要の認識が浸透し、糖尿病患者ひとりひとりの権利として、スキルの整った糖尿病教育を受けられるようになるのに役立つことを、期待しています。

「糖尿病教育を受けることは、糖尿病患者ひとりひとりの基本的人権です。国際糖尿病連合は、全世界の何百万人もの糖尿病患者のために、教育・治療・ケアに投資するよう、世界に要求します。」とMcGillは述べました。

概要: 国際糖尿病連合(IDF)

国際糖尿病連合(IDF)は、160か国以上200団体以上の参加協会を統括する組織で、2.85億人以上の糖尿病患者とその家族や、医療提供者を代表しています。IDFの使命は、糖尿病医療・予防・治療法について世界に広く知らしめることです。主要な活動には、糖尿病患者と医療専門家への教育や、公共向け意識喚起キャンペーンや、情報の広報や交換などがあります。IDFは、WHOと正式に関係を結び、国連広報局とも連携している非政府組織(NGO)です。IDFは、世界糖尿病会議を2年おきに開催しています。さらに詳しい情報については、 www.idf.org をご覧ください。

お問合せ先:

メディア問い合わせ先:
国際糖尿病連合
メディア向け広報担当Kerrita McClaughlyn
携帯:+32 487-530-625またはIDFプレスルーム
(モントリオール):+1 514-789-3407および+1 514-789-3409
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