高速同軸モデムは、高速電力線通信(PLC(注1))技術を応用し、既設のテレビ共聴用同軸ケーブルを用いて高速通信を実現するモデムです。住友電工が2007年9月に販売を開始した高速同軸モデム「ACLC(注2)」は、LAN配線が困難な既築の建物でも低コストかつ短工期で導入が可能なことから、これまでホテル、病院、学校、集合住宅向けに多数採用されています。
今回、新たにACLCのラインアップに追加する「MC3000シリーズ」は、特に通信事業者・CATV事業者が提供する集合住宅向けトリプルプレイ(注3)サービスを念頭に置いて開発した製品で、主な特長は次の通りです。
(1)高度な通信機能を実装
従来のACLCに実装されている子機間通信遮断機能(セキュリティ機能)に加えて、QoS(注4)機能やIPマルチキャスト(注5)転送機能、データ暗号化機能などの高度な通信機能も実装しています。
(2)管理機能を強化
Webブラウザによる子機の遠隔管理が可能となりました。また、任意の子機を指定して通信接続/切断を遠隔制御することを可能にするなど、通信事業者・CATV事業者の運用と親和性の高い設計としています。
(3)接続作業時の利便性の向上
従来のACLC同様、TV端子へ接続するだけで通信可能です(注6)。更に、モデム本体に同軸2端子(フィルタ内蔵)を実装したことにより、従来のACLCで必要であった外付けの分岐器/分配器(注7)やフィルタ(注8)が不要となり、モデム接続作業が容易になりました。また、同軸の物理速度をLED色(緑、橙、赤)によって見える化したことにより、モデム設置作業時の利便性を向上しています。
「MC3000シリーズ」は、6月24日(木)~26日(土)の3日間、池袋サンシャインシティにて開催される「ケーブルテレビショー2010」の株式会社ブロードネットマックスのブースにて展示します。
今後、住友電工と住友電工ネットワークスは、主に集合住宅向けにFTTHサービスを展開している通信事業者・CATV事業者やホテル、病院、学校分野に携わるシステムインテグレータへ「MC3000シリーズ」を販売していく予定です。なお、本製品はオープン価格としており、2012年までに10万台の販売を目標としています。
(注1)PLC: Power Line Communicationの略
(注2)ACLC: Advanced Cable Link Communicationの略
(注3)トリプルプレイ: 1本の回線でインターネット接続、固定電話、映像配信の3つのサービスを同時に行うこと。
(注4)QoS: Quality of Serviceの略。音声や映像などリアルタイム通信の品質を確保するために、指定した通信パケットに対して優先的に帯域を割り当てる技術。
(注5)IPマルチキャスト: IP放送サービスで使用される特定多数の送信先に一斉に同じデータを送信するIP通信技術。MC3000シリーズはIGMPv3(IPv4マルチキャスト技術)とMLDv2(IPv6マルチキャスト技術)に対応。
(注6)工場出荷状態の親機(MC3310M)と子機(MC3110S)の組で接続する場合に限ります。
(注7)分岐器/分配器
TV放送信号とモデム信号を分離/混合する機器
(注8)フィルタ
モデム信号が対象設備外へ漏洩することを防ぐ機器
「製品仕様」など詳細は下記URLをご参照ください。
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住友電工ネットワークス株式会社の概要
事業内容: 情報通信機器の開発・製造・販売・保守
設立: 平成14年8月
本社: 東京都品川区東五反田3-20-14 住友不動産 高輪パークタワー9F
代表者: 代表取締役社長 木田 泰
資本金: 30億円
株主: 住友電工100%
株式会社ブロードネットマックスの概要
事業内容: CATV及び応用システムのコンサルティング、開発、設計、製造、施工並びに保守
設立: 平成11年1月
本社: 東京都港区港南4-1-8 リバージュ品川
代表者: 代表取締役社長 金崎 穣
資本金: 4億8000万円
株主: 住友電工55%、東芝45%
概要: 住友電気工業株式会社
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