初回導入　700万個を突破！ 新感覚ガム「ZEUS」のヒットを分析

2012年3月27日から発売開始した『ZEUS〈サンダースパーク〉』は、通常チューインガムの新商品においては、200～300万個が一般的とされる初回導入において、700万個（自社出荷調べ）を突破するなど大ヒットする兆しを見せています。そこで今回は『ZEUS』好調の裏側をお伝えします。
　チューインガム市場はボトルガムが一気に定着した2004年をピークに、その後は前年割れが続いている状況です。ガムのトップメーカーとして非常に強い危機感を感じている当社では、徹底的な調査を実施。その結果、20代男性が最もチューインガムを食べる機会が減少していることが分かりました。そこで20代男性をターゲットにした、彼らの感性を刺激するガムの開発を進めてきました。　20代男性は、直感的に、これまで見たことがないような新しいモノやかっこいい、おしゃれなイメージのモノを手に取る傾向が強いのではないかと分析。この世代に対しては、品質の良さや機能性価値の訴求という従来通りの手法ではなく、直感に訴えかけることで彼らの感性を刺激するという新しい手法にチャレンジしていこうと考えました。そうして生まれたのが『ZEUS』です。この商品のヒットの秘密を5つの面から分析します。


◆ 『ZEUS〈サンダースパーク〉』　ヒットの秘密（１）：品質
　ガムでソフトキャンディを挟んだ3層構造で、センターのソフトキャンディにはティングリング成分を配合しました。ティングリングとは、英語で“ヒリヒリ・チクチクする感覚”を意味し、舌の痛点を刺激して、今までのガムでは感じられなかったようなピリピリとする新しい刺激を有する香料成分です。この成分によりガムを噛んだ瞬間に、まるで稲妻のような力強い刺激が感じられます。今までのチューインガムになかった「刺激」価値を提供し、20代男性のこれまで見たことがないような新しいモノを手に取りたいという欲求に応えました。

◆ 『ZEUS〈サンダースパーク〉』 ヒットの秘密（２）：パッケージ
　漆黒の空に光る激しい稲妻を大きくプリントし、ティングリング成分の力強い刺激を表現しました。また商品名である『ZEUS』は力強いゴシック体で、縦書きでも読みやすいデザインにしました。おしゃれなイメージのモノを手に取りたいという欲求に応えました。

◆ 『ZEUS〈サンダースパーク〉』　ヒットの秘密（３）：営業
　コンビニやスーパーなどで、当社として過去最大規模の専用販売資材を用いて、10万箇所以上の売場をつくりました。稲妻をイメージした形状にすることで、非常に高いアイキャッチを集めるとともに、食べた時の刺激が外観から連想できるようにしました。また商談用のツールとして、専用BOXを作成。商品のサンプルを封入するとともに、『ZEUS』の持つ世界観を表現した映像をモニターで見ることができるようになっていて、各お取引先様に壮大なスケール感を感じてもらいました。

◆ 『ZEUS〈サンダースパーク〉』　ヒットの秘密（４）：CM
　発売後は楽曲を手がけた電気グルーヴが、「Chewing（チューイング）VJ」※というアート・プロジェクトを行った様子を放映。
　　　※「ChewingVJ」とは筋肉の微弱電流で雷を起こすもの。

◆ 『ZEUS〈サンダースパーク〉』　ヒットの秘密（５）：プロモーション

　●Ｓｔｅｐ（１）　ティザー
　当社では初となる発売2週間前からという長い期間、発売を予告するCFを放映。まったく新しいガムに対する期待感と壮大な世界観を醸成。

　●Ｓｔｅｐ（２）　WEBサイト・SNS
　都内某クラブで開催したサンプリングレポートをWEBサイトで公開。またFacebook上では友達のウォールに雷を落とすコンテンツを公開。商品名以外は公表しない戦略を取り、発売前の『ZEUS』に対する興味喚起を最大化。

　●Ｓｔｅｐ（３）　メディアアートイベント
　電気グルーヴが、ガムを噛むことで音楽をスクラッチさせながら雷を落とす、“ChewingVJ”を披露し、渋谷PARCO Part1をサンダースパーク。

　●Ｓｔｅｐ（４）　CM
　イベントで展開した“ChewingVJ”の模様を収めたCFを放映。現在では、Facebook上で、Webカメラ・ケータイを通して“ChewingVJ”を体験することが可能。

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